【ライヴアルバム傑作選 Vol.1】
1980年代のライヴハウスの
熱を見事に閉じ込めた
ライヴオムニバス盤の傑作
『JUST A BEAT SHOW』
1980年代ロックのパッションが結集
熱いと言えば、THE JUMPSの島である。“JUST A BEAT SHOW”が2002年に通算300回(!)の開催を機に終幕を迎えたのち、彼曰く“ロック弁護士=ROCK’N’LAWYER”を目指してロースクールで学び、見事に2009年に新司法試験に合格。何と、弁護士となった。本当に“ロック弁護士=ROCK’N’LAWYER”が誕生したのである。THE JUMPSも一時期は活動休止していたものの、2011年に活動を再開している(メンバーにはBARBEE BOYSのベーシスト、ENRIQUEが参加している模様)。2022年11月には、実に19年振りとなるアルバム『REBEL BANQUET』を発表したばかりだ。依然、熱い男である。
1960年代、1970年代をリアルタイムで体験してきた人たちの中には、1980年代を不毛だったとか何だと揶揄する人もいる(筆者は実際の耳にしたことがある)。しかし、それは極めて偏狭な見方であることは、『JUST A BEAT SHOW』に収められたバンドたちのその後の活躍を見ればよく分かる。
1980年代、ロックは確かに熱かった。本作はそれを証明する一線級の史料である。
TEXT:帆苅智之