チェッカーズ、
大ブレイクの最中に制作された
『絶対チェッカーズ!!』に見る
ロックスピリット
1980年代を代表するバンドのひとつ
その入手ルートは完全に失念したが、あの頃のチェッカーズの人気を考えれば、筆者のようなファン以外の者が『絶対チェッカーズ!!』を聴いていたとて何ら不思議ではない。それほどにその人気は圧倒的だった。当時の年間売上金額を調べてみた。チェッカーズがデビューしたのは1983年。デビューシングル「ギザギザハートの子守唄」は発売が9月で、当初はほとんど売れなかったという話なので、この年の売上げは大したことがなかった。当然、売上げ上位にも顔を連ねていない。ちなみに1983年の年間売上金額トップ3は、1位:中森明菜、2位:松田聖子、3位:サザンオールスターズで、当時を知る人なら納得の顔触れである。その翌年、1984年1月に発売された2ndシングル「涙のリクエスト」に端を発して大ブレイクしたチェッカーズは、そのトップ3に割り込む。サザンオールスターズを抜いて、1位:松田聖子、2位:中森明菜に次ぐ3位。1984年のサザンは7thアルバム『人気者で行こう』を発売しており、人気に陰りがあったわけでも何でもなかったので、そのことを鑑みると相対的にあの頃のチェッカーズの勢いが分かろうというものだ。1985年は1位:中森明菜、2位:松田聖子、3位:チェッカーズと、トップ3の顔触れは前年と変わらなかったが、数字を見ると、この年のチェッカーズの売上げは松田聖子に肉薄していたことが分かる。改めて言うことではないけれども、チェッカーズは1980年代半ばの音楽シーンをけん引したバンドであり、1980年代を代表するロックバンドであることは疑いようがない。