Mean Machine、メンバー5人の
瑞々しいまでの情熱が宿った
唯一のアルバム『CREAM』
多様性を増すガールズバンド
文化の多様性があったほうがいいのは間違いないが、女性蔑視の批判から一転、今度はほとんどの登壇者が女性ばかりという辺りは、良くも悪くもU.S.A.っぽい力技を感じる一方、だとしても、これだけの面子が選ばれるのだから、当たり前のことだが米国エンタメ界の裾野は広い。しかも、前職とはいえ、ファーストレディまで担ぎ出すというのはさすがの底力とも言える。
翻って日本。上記米国の例を鑑みるに、年末の国営放送の歌番組で“赤勝て、白勝て”とやっているのは、少なくとも出演アーティストは男女ほぼ同数だったりするわけで、あの年末の風物詩は世界標準で見たら正しい…とは言わないまでも、そう間違っていないのかもしれない。そんなふうにも思ったりもした。ただ、各種賞レースや番組、イベントにおいて男女比がどうあるのが正しいのかよく分からないし、そもそもそれはここで論じることでもないと思うのでこの辺にさせてもらうとして、その男女比率のことで言うと、その昔に比べて、男女混成バンドやガールズバンドが増えたなぁと個人的には思う。よって、そちらへ話を移してみたい。とは言っても、もちろん正確な数字の推移みたいなものはないので、予めご了承願う。
1980年代から、PRINCESS PRINCESSを筆頭にZELDA、SHOW-YA、GO-BANG'Sら人気と実力を兼ね備えたガールズバンドがいるにはいたが、2000年以降、その数は以前の比ではないことはみなさん、よくご承知だろう。2000年代のTHE★SCANTY、Whiteberry、ZONE、中ノ森BAND。2010年代のチャットモンチー、SCANDAL、赤い公園、ねごと、SILENT SIREN、SHISHAMO等々。最近ではガールズバンドの中でもカテゴリーを分けることができるくらい多彩なバンドがシーンを賑わせている。
特筆すべきは全員女性ではない、所謂男女混成バンドも増え、バンド内での構成比も変わってきたことではなかろうか。過去の男女混成バンドというと、だいたいはヴォーカルが女性で他は男性というのが相場で、ドラムスが女性だったJITTERIN'JINNとか、ベースが女性だったGO!GO!7188とか、他にもSUPERCARやNUMBER GIRLなど、こちらもいるにはいたが少数派であった。いや、珍しいスタイルだったと言ってもいいだろうか。それが今や男女混成バンドは当たり前という勢いである。ゲスの極み乙女。、サカナクションがその代表格で、3ピースバンドで言えばそのうちの1名か2名が女性というバンドは数多すぎてここに記すのも憚られるくらいだ。…ていうか、そのバンド名をここにコピペするのも面倒くさい。それほど数が多くなったのである。無論まだまだ道半ばではあろうし、その進行度合いは決して目を見張るほどに速いものではないのだろうが、こと日本のロック界においては着実に女性進出が進んでいるのは間違いない。文化の多様性が増しているとは言える。
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