パンクロックにも影響を与えた
ドクター・フィールグッドの
白熱のライヴ盤『殺人病棟』
ザ・バンドに大きな影響を受けた
パブロックのグループたち
彼らは今で言うルーツロックやアメリカーナ的なスタンスを持っており「30歳以上は信じるな」という言葉が語られていた時代に、デビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』の見開きジャケット内側では両親や親戚を並べた写真を確信犯的に載せ、自分たちのロックが時流に乗っていないことを意思表明していた。
流行とは無縁で、かつ大音量でない、使用機材はシンプル、ブルースやカントリーをベースにしているというザ・バンドの音楽を、パブロックシーンで活動していた多くのグループが模範としたのである。
エッグズ・オーバー・イージーの訪英
その後、ブリンズレー・シュウォーツ、ダックス・デラックス、カーサール・フライヤーズ、ドクター・フィールグッド、キルバーン&ハイローズ、グレアム・パーカー、ニック・ロウ、イアン・デューリーらがそれぞれ独自の音楽を打ち出し、70年代中頃にはパブロックの全盛期を迎えるのである。
流行に左右されないサウンド
リー・ブリローの渋いヴォーカルとウィルコ・ジョンソンのカミソリのような鋭いギターワークはカッコ良く、流行に左右されないアルバムに仕上がっている。2作目の『不正療法(原題:Malpractice)』(‘75)も1枚目と甲乙付け難い出来である。全英チャートで17位となり、世界中にドクター・フィールグッドの名を知らしめる作品となった。