エディ・リーダーが歌う
「蛍の光」(Auld Lang Syne)を
聴きながら1年を締め括り、
新しい年を迎える
英国の国民的、農民詩人と呼ばれた
ロバート・バーンズ
バーンズは1759年にスコットランドのエアシャー(Ayrshire )というところにある、アロウェイ村(Alloway)で生まれた。現在でも同地に生家が保存されているが、写真で見たそれは庭師と小作農だった彼の父親が建てたもので、家畜小屋、作業場のほか、居間や寝室が一つ屋根の下にあり、質素そのもの、およそ豊かとは言い難い田舎家だった。
早くから詩作に目覚め(就学はかなわなかったが、教育熱心な父親と家庭教師に教育を受ける)、20代で詩集を出し、世に認められる存在となる。惜しいことに、彼は37歳という若さで亡くなってしまうのだが、生前は地元の人たちや仲間とお酒を飲んだり、気さくに付き合うのが好きだったそう。肖像画を見るとなかなかハンサムで、結婚した夫人との間に5人、その他に私生児が9人もいたといいうから、なかなかのやり手というか、モテ男というか、ウーム…。そんな彼は部屋に閉じこもって詩作に励むという風ではなく、方々に出かけていっては行く先々のパブなどで飲み騒ぐかたわら、農民や老人が歌う民謡を拾い集めて書き留めるなど、スコットランドに昔から歌い継がれていた民謡をせっせと採集していたとも言われている。
彼の詞は現在でもスコットランドのみならず、カナダやアメリカ、世界各地で愛唱されているようだが、読みながらじっくり吟味しなければ理解できないような「詩」ではなく、身辺にころがっている題材を扱い、時には方言も生かし、一読して情景が浮かび、メロディーをつけて口ずさめるような「詞」であるところに、民衆に愛され続けている彼の作品の魅力があるのかもしれない。
「蛍の光」以外にも、代表作としては日本では「故郷の空」の題で知られる「ライ麦畑で出逢うとき」(Comin’ Thru The Rye)の詞も残している(あのドリフターズがヒットさせた♪誰かさんと誰かさんが麦畑〜で知られる歌)。