仏コメディ映画の愛すべき鬼才、
ジャック・タチの世界を彩った、
楽しさあふれるサウンドトラック
マニア心をくすぐる?
ミュージシャンの中にも
ジャック・タチ信奉者が
引き合いに出させていただいたアーティストはみな、ひとひねり、ふたひねりもある通好みのポップスセンスの持ち主であり、自分のつくる音楽の影響元=ルーツというのを、同じ領域のポップスやロック、ブルース、ジャズといったフィールドだけでなく、映画音楽に求めるという探究心、好奇心の持ちように、なるほどと感心させられる。
こうしてモリコーネをきっかけに、なぜかジャック・タチの音楽が脳内に再生され、映画音楽そのものを考えたりしていたのだが、考えてみればライ・クーダーやランディ・ニューマン、ヴァンゲリスといったロックやポップス界にも映画音楽に関わるアーティストはいる。もちろん細野晴臣さんも加えたほうがいいかもしれない。一方、今年はバート・バカラックが天寿を全うし、なんということか!坂本龍一さんまで亡くなられてしまった。また別の機会に、彼らの映画音楽もコラムで紹介できればと思う。
TEXT:片山 明