2017年の幕開け、○○周年を迎えたバ
ンドたち5曲

最近取材していると、○○周年を迎えたというバンドに多く遭遇する。当事者はわりとあっさりしたもので、「気付けば、ここまで来てしまった」という感覚だ。もちろんバンドは浮き沈みがあるもので、楽しい時もあれば苦しい時もある。それを乗り越えて、今があるわけで、尊敬に値すると言わざるを得ない。また苦しい時代や、当時は賛否を呼んだ音源でも、改めて振り返ると、それがまたバンドの音楽性に豊かな表情を与え、味わい深く聴けたりするものだ。これを機に各バンドの今と昔の作品にも手を伸ばしてほしい。

最近取材していると、○○周年を迎えたというバンドに多く遭遇する。当事者はわりとあっさりしたもので、「気付けば、ここまで来てしまった」という感覚だ。もちろんバンドは浮き沈みがあるもので、楽しい時もあれば苦しい時もある。それを乗り越えて、今があるわけで、尊敬に値すると言わざるを得ない。また苦しい時代や、当時は賛否を呼んだ音源でも、改めて振り返ると、それがまたバンドの音楽性に豊かな表情を与え、味わい深く聴けたりするものだ。これを機に各バンドの今と昔の作品にも手を伸ばしてほしい。

「80」(’16)/山嵐

昨年、バンド結成20周年を迎えた山嵐。現在は20周年ツアーで全国を駆け巡っている。彼らは96年に結成され、その翌年97年9月21に《やってきたぞ 山嵐 登場 片っ端から投げちらすぞ》(代表曲「山嵐」)というインパクト抜群の歌詞とともに1stアルバム『山嵐』を発表。当時18歳という若さでこの音源を作り上げた。90年代後半はラップを用いたミクスチャーバンドがブームを巻き起こしたが、山嵐はその先頭を切るかたちでシーンを引っ張っていた。昨年は記念すべき20周年となる11thアルバム『RED ROCK』をリリース。KAI_SHiNE(Machine)を新メンバーに入れ、現在は7人編成で活動中。電子音を血肉化させ、ライヴ感あふれる楽曲はどれも最高だ。

「アンテナラスト」(’16)/10-FEET

今年、バンド結成20年に到達したのは10-FEETだ。彼らの音源を初めて聴いたのは、初音源にあたるデビュー1stシングル「april fool」(01年4月1日)だった。当時は名も知らないバンドだったが、ふと聴いてみたらメロディーがとても良くて一発で気に入った。その頃はHi-STANDARDの影響が強かったのか、英語詞でキャッチーなメロコアを鳴らしていた。それからミクスチャー要素が増え、英語と日本語の両刀使いで、サウンドの幅をどんどん広げていく。ここで取り上げるのは、昨年7月に出た15thシングル表題曲だ。約4年振りの待望の音源となったが、10-FEETの新たな代表曲と言えるほど名曲然とした輝きを放っている。ライヴでもこの曲をプレイすると、場の空気が変わる不思議なオーラを発する。ぜひ聴いてほしい。

「RISE」(’09)/OUTRAGE

今年デビュー30周年を迎えたのは、名古屋発の骨太メタルバンドであるOUTRAGEだ。和製METALLICAという触れ込みとともに、初期はNWOBHM(ニュー・ウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)やスラッシュメタルの影響が強かったものの、大傑作4thアルバム『THE FINAL DAY』で一躍その名を知らしめた。ちなみに上記の10-FEETもOUTRAGEのコピーをやっていた時期があり、過去に共演も果たしている。話を戻そう。OUTRAGEのバンドの顔と言える橋本直樹(Vo)が脱退し、ヴォーカル不在のまま、安井義博(Ba)がヴォーカルを務めるかたちで、阿部洋介(Gu)、丹下眞也(Dr)の3人でバンドを継続させる時代もあった。それから橋本が電撃復帰を果たし、09年にセルフタイトルを冠した10thアルバムを発表。この曲はそのオープニングを飾り、涙なくしては聴けない熱い楽曲に仕上がっている。

「Paradice City」(’87)/GUNS N'
ROSES

ガンズ&ローゼズの来日フィーバーに沸きましたね。今回の目玉は何と言ってもオリジナルメンバー3人が集結したことに尽きると思います。アクセル・ローズ(Vo)、スラッシュ(Gu)、ダフ・マッケイガン(Ba)が同じステージに立つのは93年の東京ドーム公演以来なので、実に24年振りになるのです。しかも、今年は彼らの衝撃のデビューアルバム『APPETITE FOR DESTRUCTION』30周年という偶然も重なってます。この曲のMVを観た時は、あまりのカッコ良さに完全に魂を抜かれました。当時リアルタイムでこのMVに出会った人はみんなそうだったと思います。今聴いても楽曲の輝きをまったく失われていない。思わず溜め息が漏れる大名曲です。

「International You Day」(’02)/
NO USE FOR A NAME

“FAT”の3文字だけで伝わるレーベルと言えば、NOFXのFat Mike(Vo&Ba)が元妻のErinと立ち上げたUSパンクレーベル『FAT WRECK CHORDS』だ。90年代のメロコアシーンを牽引した最重要レーベルと言っていい。そのレーベルの25年を歩みを辿るドキュメンタリー映画『A FAT WRECK』が2月4日から日本でも公開される。ひと足先に映画を観たが、これがめちゃくちゃ面白い!  NOFXとは縁が深いHi-STANDARD/NAMB69の難波章浩(Vo&Ba)も登場するし、何よりFat Mikeの知られざる側面が大きくフィーチャーされ、レーベルに対する彼のこだわりや人間性もよく分かる。メロコアファンは必見だ。個人的にはFAT所属バンドの中だと、日本のバンドマンやファンにも愛されたNO USE FOR A NAMEは思い入れが深い。特に『HARD ROCK BOTTOM』は名盤中の名盤だ。Tony Sly(Vo&Gu)は41歳で他界、バンドも解散してしまったが、哀愁メロコア好きを虜にした。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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