気は早いですが…2015年を振り返って
みた5曲

11月が終わり、もう12月に突入ということで時期ですね。「えっ、こないだ2015年が来たばかりなのに…」と思っている人も多いことでしょう。本当に時間の流れがどんどん早く感じるのは筆者だけでしょうか。ということで、ちょっと早いですが、今年個人的に印象に残った曲、アルバム、出来事を楽曲とともに振り返りたいと思います。そう、音楽雑誌では2015年の年間ランキングも出てくる頃でしょう。あなたは今年どの作品が楽曲に惹かれましたか?

1.「Born To Be Free」(’15)/X JA
PAN

X JAPANが遂に20年振りの全国ツアーをスタートさせました。12月は各地の公演に足を運ぶ人も多いのではないでしょうか。来年の3月11日にはニューアルバムも発売されるということで、その先行シングルとなったこの曲はライヴではお披露目済みの楽曲。改めて音源で聴くと、これが彼らの新しいアンセムソングになりうる普遍性と完成度を誇る素晴らしさ。もの悲しい鍵盤の音色から始まり、オーディエンスと大合唱できるサビもきっちり設けられ、ヘヴィさとスケール感を兼ね備えた曲調は万人を虜にする魅力にあふれています。18年振りに紅白歌合戦出場も決まったこともあり、やはりこの曲は今年を代表するナンバーと言えるでしょう。

2.「怪獣の腕のなか」(’15)/きのこ
帝国

11月に出たばかりのメジャー1stアルバム『猫とアレルギー』。アルバム名といい、それにリンクした4匹の猫というジャケもインパクト大だが、内容も言うまでもなく傑作と言える一枚に仕上がっている。もう、ずっとこの作品を聴いているのだが、これから先も末永く愛せる飽きの来ないアルバムなのだ。しかも、これから来る寒い冬にピッタリの作風で、ピアノやオーケストレーションを押し出し、佐藤千亜妃(Vo&Gu)の歌声もさらに魅力的に響いてくる。その理由のひとつに今作はあるひとりの人物に向けた私小説的な歌詞になっている点だ。ここまで曝け出していいの?というリリックが多く、心の中のもっとも柔らかい部分をオープンに見せ切った姿勢に感動せずにはいられない。

3.「ONE REASON」(’15)/HER NAME
IN BLOOD

個人的に今年もっとも衝撃的だったMVがこの曲です。07年に都内で結成された5人組のメタルコアバンドで、今年10月にはSLIPKNOT主催の『KNOTFEST 2015』(カリフォルニア州サンバーナディーノで開催)にも出演を果たし、メキメキと頭角を現している要注目株。そのメジャーデビューEP『BEAST MODE』収録曲で激押しの一曲がこれ。彼らの特徴はBLACK SABBATHからLAMB OF GODまで、ヘヴィミュージックの縦軸を踏まえたラウドな音像を鳴らしている。そこがいい。特にこの曲はうねりを上げるグルーブ感が猛烈にカッコ良し。そのヘヴィな音像とは対極を描く学園プロレス・ラブロマンス(?)風のMVが最高で、メタルの堅苦しいイメージを粉砕した痛快さで爆笑必至!

4.「Ace Of Spades」(’80)/MOTORH
EAD

11月11日に元MOTORHEADのフィルシー・“アニマル”・テイラー(Dr)が亡くなった。61歳だった。“ファスト”エディ・クラーク同様、初期の黄金時代を支えたひとりがこの世を去ったのは実に悲しい。昨年11月にイギリス・バーミンガム公演でプレイこそしなかったものの、ファンの前に姿を見せ、大喝采を浴びていた。日本から約20時間のフライトを経て、そのバーミング公演を偶然観ることができたが、あれが最後になろうとは。パンクとメタルを掛け合わせ、今なお現役バリバリで活動するMOTORHEADの心臓部を作った前のめりのパワフルなドラミングはずっと忘れない。愛嬌たっぷりのチンピラ風情のルックスも強烈だった。

5.「November Rain」(’92)/GUNS N
' ROSES

今年もっとも驚いたのはGUNS N' ROSESがオリジナルメンバーで再結成か!?という海外メディアが報じたニュースだった。真相はまだ定かではないが、これが本当に実現したら事件どころの騒ぎではない。ただ、今のところオリジナル5人が揃うのはかなり難しそうだ。極論を言わせてもらえば、アクセル・ローズ(Vo)とスラッシュ(G)が同じステージに上がってくれるだけでも感涙モノではあるけれど…。そして、ガンズと言えば、11月とくれば、僕はいつもこの曲が脳内BGMとして流れてしまう。9分台の長尺曲でMVも有名だが、この楽曲が持つドラマティックなストーリー性は色褪せることがない。永遠の名曲だ。

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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