『関ジャム』東京ソング特集にあと5曲だけ追加してみました

『関ジャム』東京ソング特集にあと5曲だけ追加してみました

『関ジャム』東京ソング特集に
あと5曲だけ追加してみました

先日放送された『関ジャム 完全燃SHOW』の“東京ソング”特集が面白かったです。素敵な曲の数々とともに番組を楽しんだ一方、“あの曲がない!”という意見も多かったと思うので、個人的に好きな東京ソングをあと5曲だけ選んでみました。おそらく史上最も大きな声で“東京”と叫んだSADSの「TOKYO」、“冷凍都市”のワードでたびたび東京を想起させるNUMBER GIRLの「TOKYO FREEZE」も入れたかったですが、公式動画がないため泣く泣くカット。東京ソング、他にもまだいっぱいありますよね。
「トーキョウバレリーナ」収録アルバム『SUN SUN SUN』/SPARTA LOCALS
「東京」「西東京」収録アルバム『純情ランドセル』/赤い公園
「茜色の夕日」収録アルバム『FAB LIST 1』/フジファブリック
「東京の空」収録アルバム『オレらは肉の歩く朝』/前野健太

「トーキョウバレリーナ」('04)
/SPARTA LOCALS

「トーキョウバレリーナ」収録アルバム『SUN SUN SUN』/SPARTA LOCALS

「トーキョウバレリーナ」収録アルバム『SUN SUN SUN』/SPARTA LOCALS

自分がいわゆる《マイノリティ》側の人間で、《シブヤで行列よける》タイプだからなのかもしれませんが、東京ソングと聞いてパッと出てきた曲のひとつです。都会で人知れず孤独と闘っている姿が浮かぶような歌詞なんですけど、ギターリフもベースラインも歌メロもすごく人懐こくて、困難な状況にあっても根拠のない明るさで毅然と立ち向かっていける気持ちにさせられます。一回しか訪れないサビで視界が勢い良く開ける感じが最高!

「東京」「西東京」('16)/赤い公園

「東京」「西東京」収録アルバム『純情ランドセル』/赤い公園

「東京」「西東京」収録アルバム『純情ランドセル』/赤い公園

MVはないけれど取り上げたかった、赤い公園の東京ソング。『関ジャム』でSUPER BEAVERの渋谷龍太が話していた上京コンプレックス(上京できる地方出身者への羨望)を軸に東京そのものを擬人化して描いたのが「東京」で、“帰る場所がない”“第2の故郷と感じてほしい”という切なさが滲む曲です。都会に対する妬みをシニカルにユーモラスに表現した「西東京」は痛快。どちらも2016年発表のアルバム『純情ランドセル』で聴けます。

「グッドモーニング東京」('21)
/山中さわお&怒髪天

今年の『RISING SUN ROCK FESTIVAL』でも披露された、the pillowsの山中さわお怒髪天によるコラボEP『グッドモーニング東京』の表題曲。山中のメロディーと怒髪天のアレンジがナチュラルに噛み合っている点はもちろん、昔からともに切磋琢磨してきた同郷の両者が《どれくらい経ったなんて忘れたけど ずいぶん時が過ぎたな 少年が描いた未来図とは 違うけど悪くもないぜ》と、東京を絡めて軽やかに歌う感じがなんともシビれますね。

「茜色の夕日」('01)
/フジファブリック

「茜色の夕日」収録アルバム『FAB LIST 1』/フジファブリック

「茜色の夕日」収録アルバム『FAB LIST 1』/フジファブリック

「東京」「東京炎上」など他にも候補のあるフジファブリックですが、ファンが東京ソングとして挙げるのはインディーズ時代から大切に歌い継がれリメイクされてきた「茜色の夕日」な気がします。思い返される過去の風景や感情。そして、大人になった今の言葉にならない不安や微かな希望が、純朴なヴォーカルと柔らかなバンドの演奏で綴られる切ない名バラード。「若者のすべて」と合わせて、この夏の終わりにぜひ聴いてください。

「東京の空」('07)/前野健太

「東京の空」収録アルバム『オレらは肉の歩く朝』/前野健太

「東京の空」収録アルバム『オレらは肉の歩く朝』/前野健太

2007年発表の1stアルバム『ロマンスカー』でのピアノバージョンをはじめ、さまざまなアレンジでリリースされてきた前野健太の代表曲。フジファブリック「茜色の夕日」や福山雅治「東京にもあったんだ」と同じく東京の風景に想いを馳せつつも、《東京の空は 今日もただ青かった》とどこか淡々とした目線を持って聴かせるアプローチが彼らしくてとても好きです。↓の動画はジム・オルーク、石橋英子らと繰り広げた豪華なライヴ。

TEXT:田山雄士

田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。同誌の他、『OKMusic』『ナタリー』『bounce』など、雑誌/WEBを中心にお仕事をしています。日本のロックバンド以外に、シンガーソングライターとか洋楽とか映画とかも好きです。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着