“どうにもこうにも”胸騒ぎが止まら
ない5曲

まだまだ寒い日が続く。もういい加減にして! 外は寒いのに、ライヴハウスに行くと、体がポカポカと熱くなり、寒暖の差に驚くことが最近多いです。当たり前の話なのですが。あと、インフルエンザが流行っているので、みなさん気を付けてくださいね。急に高熱が出たら、絶対にすぐ医者に行ってください。インフルの可能性大ですから。ということで、早く3月、4月が来て、温かくなってほしい気持ちを込めて、今回は胸騒ぎする5曲を集めてみました。どうぞ!

1.「猫の惑星」(’15)/打首獄門同好

バンド名こそ物騒だけれれど、これほどファニーなバンドはいない。今、人気急上昇中で、ライヴに行けば腹筋崩壊の危険性があるほど、思わず笑ってしまうバンドだ。音楽的にはヘヴィなミクスチャーサウンドだが、最大の魅力は歌詞にある。自ら「生活密着型ラウドロック・バンド」と銘打っている通り、あるあるネタの歌詞がとにかく最高。特にこの「猫の惑星」は猫好きなら大共感必至であり、例え猫好きでなくても、ああ、分かる分かる!という歌詞にニヤリ。特に「猫の住む星に僕らは生きている」の歌詞のリフレインに心の底からいつの間にか納得している自分がいる。猫好き以外をも虜にするキュートな一曲です。

2.「Rise Above」(’16)/dustbox

キラッキラのメロディーライン、2ビートで駆け抜けるパンキッシュなサウンドで、すでに15年選手として走り続けている彼ら。英語詞のメロディックパンクこそ、ここ数年でめっきり少なくなったが、逆に言えば彼らのようなサウンドは稀有な存在と言えるだろう。そして、出来上がった新作『skyrocket』はYU-KI(Dr)をメンバーに迎え、初の体制で作り上げた珠玉作! 冒頭を飾るこの曲は、メンバーが好きなBLACK FLAGの曲名を彷彿させる。イントロからヘヴィなリフで畳み掛け、一転してポップな歌メロに切り替わるアプローチが実にdustboxらしい。

3.「シラフのうちに」(’16)/ OLED
ICKFOGGY

OLEDICKFOGGYのニューアルバム『グッド・バイ』が素晴らしい。完全に突き抜けた傑作です! ラスティックの主軸にクラストコアからアイドルソングまで包含するユニークなサウンドは、本当に唯一無二。今作はバンドが持つ雑食性が大爆発した一枚で、ポップかつキャッチーに磨き抜かれた楽曲も魅力的だ。その中からMVにもなった「シラフのうちに」は豪華なゲスト陣が参加している。怒髪天の増子直純、アナーキーの仲野茂、SAのNAOKI、ベッド・インの中尊寺まい、さらにお笑い界からガチでOLEDICKFOGGYの大ファンであるバイきんぐの小峠英二も出演し、MV冒頭からいい演技といい声の張りでインパクトを放っている。是非観てください! ドキドキしますから。

4.「The Gift Of Music」(’16)/DR
EAM THEATER

IRON MAIDENの新作『THE BOOK OF SOULS』も2枚組の大作だったが、DREAM THEATERのニューアルバム『THE ASTONISHING』も2枚組全34曲入りの超大作になっている。日本で絶大なファンベースを持つプログレッシヴメタルバンドだが、この新作も絶好調の売れ具合。今作は全編にオーケストレーションを配し、ロックオペラ的な内容に仕上がっている。物語の場面展開をはっきりするために3〜4分台のコンパクトな楽曲が並び、大作にもかかわらずストーリーに身を委ねるように一気に聴けてしまう。特にジェイムズ・ラブリエ(Vo)の慈悲深きメロディアスな歌声は絶品です。

5.「Hair Of The Dog」(’75)/NAZA
RETH

スコットランドで68年に結成された4人組。DEEP PURPLEの前座を務め、メンバーからもその実力を認められ、過去に作品プロデュースをロジャー・グローバーが手がけたこともある。そして、今年は話題持ち切りのGUNS N' ROSESのアクセル・ローズ(Vo)が大好きと公言するバンドでもあり、ダン・マッカファーティー(Vo)の歌声を聴けば、アクセルがいかに彼の歌唱法から影響を受けているかは明白だ。この曲は実際にGUNS N' ROSESもカバーしており、これがまたカッコ良い。オリジナルに忠実とはいえ、微笑ましいくらい好き度が伝わってくる。ちなみに、人間椅子の鈴木さんがやっているハードロック喫茶「ナザレス」はもちろんこのバンド名からきています。いいバンドなので多くの人に聴いてほしい!

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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