洋楽が豊作! 新譜からオススメの5曲

洋楽が豊作! 新譜からオススメの5曲
みなさんゴールデンウィークはどんなふうに過ごしていましたか? 緊急事態宣言が出て、予定が狂った人もたくさんいたのではないでしょうか。ライヴも中止になった公演があり、今年もまだまだ大変な一年になりそうです。というか、再び筆者が住む東京は5月31日まで緊急事態宣言の延長が決まりました。愚痴のひとつも言いたくなりますが、ここは大人しく自宅で音楽と向き合う時間を増えたと頭の切り替えるしかありません。特に洋楽に関しては新譜ラッシュで、充実した作品が多く出ています。個人的にも毎月数十枚はCDを買っています。今はストリーミングもあるので、これを機に洋楽も聴いてみてください。
「Typhoons」収録アルバム『Typhoons』/ROYAL BLOOD
「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring
「Broken Bells」収録アルバム『The Battle At Garden's Gate』/GRETA VAN FLEET
「Born For One Thing」収録アルバム『Fortitude』/Gojira
「Boys & Girls Rock N Roll」収録アルバム『In Another World』/Cheap Trick

「Typhoons」('21)/ROYAL BLOOD

「Typhoons」収録アルバム『Typhoons』/ROYAL BLOOD

「Typhoons」収録アルバム『Typhoons』/ROYAL BLOOD

UK発のロックデュオ、ロイヤル・ブラッドの3rdアルバム『Typhoons』が素晴らしい。マイク・カー(Vo&Ba)、ベン・サッチャー(Dr)のメンバーふたりで構成され、ホワイト・ストライプスを彷彿させるミニマムな編成。過去2作品同様、本作もUKアルバムチャートで初登場1位を獲得! 内容的にはダフト・パンクやジャスティスなど彼らが聴いてきた音楽ルーツへの意識的な回帰を図り、ダンスロック路線を推し進める内容となった。キャッチーな歌メロ、ヘヴィな演奏はそのままに、心地良いグルーブを追求した魅惑の楽曲が揃っている。これから聴いてみようという人にも入門編にぴったりだ。

「Let The Bad Times Roll」('21)
/The Offspring

「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring

「Let The Bad Times Roll」収録アルバム『Let The Bad Times Roll』/The Offspring

前作『DAYS GO BY』から約9年振りになる10thアルバム『Let The Bad Times Roll』を発表したオフスプリング。これがまたカルフォルニアパンクの王者の名に相応しい盤石の出来栄え。待った甲斐のある、ファンの期待を裏切らない楽曲が目白押しだ。コンパクトにまとめられた曲調が並ぶものの、一曲一曲の表情は実に豊かで、真っ暗闇の世の中だからこそ光を見つけ出そうとするポジティブな歌詞も大きな聴き所になっている。全体を通してメッセージ性は非常に強いので、楽曲とともにそこに込められた感情を想像すると、より一層楽しめるだろう。ピアノやストリングスを導入した「Gone Away」(4thアルバム『Ixnay On The Hombre』収録)のセルフカバーも絶品だ。

「Broken Bells」('21)
/GRETA VAN FLEET

「Broken Bells」収録アルバム『The Battle At Garden's Gate』/GRETA VAN FLEET

「Broken Bells」収録アルバム『The Battle At Garden's Gate』/GRETA VAN FLEET

レッド・ツェッペリンの再来!?と騒がれながら、世界中のクラシックロック好きを魅了するグレタ・ヴァン・フリート。メンバーはまだ20代前半という若さだが、その幼いルックスと反比例した大人びたロックが幅広い層の心を掴んでいる。それこそ親子連れでライヴに足を運ぶ人たちも多いのだ。この2ndアルバム『The Battle At Garden's Gate』は前作を超える最高傑作であり、壮大なスケールを描く楽曲世界にバンドの成長がきっちりと刻まれている。2019年1月の衝撃の初来日公演を観た人なら分かると思うが、真のライヴバンドとしての演奏力と表現力がアレンジ豊かな曲調にも表れている。

「Born For One Thing」('21)
/Gojira

「Born For One Thing」収録アルバム『Fortitude』/Gojira

「Born For One Thing」収録アルバム『Fortitude』/Gojira

ヨーロッパを中心に高い人気を得ているフランス発の4人組、ゴジラ。バンド名は日本の特撮怪獣ゴジラから命名されており、著作権の関係でスペルだけを変えている。そんな新日家の彼らはテクニカルかつプログレッシヴなメタルサウンドを掲げ、暴虐的なサウンドに知的なニュアンスを持ち込むことで世界中のメタルファンを魅了している。この7thアルバム『Fortitude』は従来のヘヴィネスにキャッチーなサビやフックを導入した集大成的な傑作に仕上がっている。これからゴジラを聴きたいという人にぜひオススメしたい。特にこの曲は新たなアンセムと言えるカッコ良さだ。

「Boys & Girls Rock N Roll」('21)
/Cheap Trick

「Boys & Girls Rock N Roll」収録アルバム『In Another World』/Cheap Trick

「Boys & Girls Rock N Roll」収録アルバム『In Another World』/Cheap Trick

結成40周年を経て、今も現役バリバリで健在ぶりをアピールしているチープ・トリック。それはこの20thアルバム『In Another World』を聴けば分かるだろう。パワフルかつエネルギーに満ち溢れた最高のパワーポップ/ロックアルバムになっているのだから。今回は輸入盤のみ(もちろん買いました!)、日本盤で発売されないのが不思議なくらい、非の打ちどころのないクオリティーの高さ。このカラフルなポップ感こそ、チープ・トリックの真骨頂と言えるもので、最後までワクワクしながら聴き終えた。ベテランがこうして元気な新譜を届けてくれると、いちリスナーとしても心から嬉しくなってくる。

TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着