ライヴが観れない苛立ちを抑制してくれた俺的5曲

ライヴが観れない苛立ちを抑制してくれた俺的5曲

ライヴが観れない苛立ちを
抑制してくれた俺的5曲

新型コロナ感染拡大防止の緊急事態宣言が解除されて1カ月強。ライヴハウスの営業再開が許可されたり、自粛要請が段階的に緩和されながらも、本格再開にはもう少し時間がかかりそうな昨今。大袈裟に言うと、ライヴを観ることを生き甲斐にしてる俺みたいな音楽ファンは、現場に行けない苛立ちやフラストレーションをさぞ溜め込んでることだと思いますが。そんな苛立ちを少しだけ抑えてくれるのが、ライヴやMVといった配信動画でした。もちろん生が一番いいに決まってるけど、こんなことでもなかったらここまで配信ライヴが普及することはなかったし、こんな状況だから観れる貴重なライヴもあったりと、悪いことばかりじゃないと前向きに考えながら観る、モニタの向こうのライヴ映像。今回はライヴが観れない俺の苛立ちを抑制してくれた、まさにランキングには出てこない極私的な選曲です!
「XXXXX」収録アルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』/KING BROTHERS
「かくせ!!」収録シングル「かくせ!!」/セックスマシーン!!
「One Day」収録配信シングル「One Day」/Omoinotake
「Vulcan」収録配信シングル「Vulcan」/DAITA

「XXXXX」('12)/KING BROTHERS

「XXXXX」収録アルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』/KING BROTHERS

「XXXXX」収録アルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』/KING BROTHERS

6月21日(日)、神戸のチキンジョージ、VARIT、太陽と虎、ART HOUSEと4つのライヴハウスが共同開催した、無観客ライヴ配信サーキットイベント『ライヴハウスジャッジメント in KOBE』。HEREやソウルフードの熱いライヴに胸を熱くさせられたり、17歳のラップアーティスト・さなりの堂々としたステージに魅せられたり、ZIGGY・森重樹一の貴重な弾き語りを堪能したりと、全33組(!)の熱いライヴをたっぷり楽しませてもらいましたが、最も印象に残ったのは、大トリとして生配信で殴り込みライヴを行なったKING BROTHERSだった。気合十分、鬼気迫るパフォーマンスをカメラが至近距離で追いかけ、現場の空気や熱気まで伝わってくるライヴは配信ながら最高にロックンロールだった! ライヴハウスやアーティストの想いがたっぷり詰まったこのイベントは、配信ライヴの可能性を大きく広げてくれたはず。

「かくせ!!」('20)
/セックスマシーン!!

「かくせ!!」収録シングル「かくせ!!」/セックスマシーン!!

「かくせ!!」収録シングル「かくせ!!」/セックスマシーン!!

この曲の発売記念インストアイベントが中止となった4月5日(日)には、“どこでライヴやっとんねん”と名付けた配信ライヴを岩山で敢行(笑)。大阪府の休業要請が解除された6月1日(月)には“すぐにライヴやっとんねん”と名付けて大阪のライヴハウスで全国の誰よりも早く観客を入れたライヴを敢行したセックスマシーン!!。マスク姿で着席した観客を前に、アクリル板越しのステージからライヴを行う光景はニュース番組でも紹介されたが。ガイドラインを遵守して、その不自由さも笑いに変えるセクマシの姿に僕は猛烈に感動したし、あれは彼らにしかできない偉業だったとさえ思う。世間に叩かれることも想定しながら矢面に立つ覚悟を決めて、ライヴ再開に向けた特攻隊長を買って出たセックスマシーン!!に大きな拍手を送りたい。コロナの拡大防止はもちろん大事だけど、そもそもライヴハウスなんて親から隠したいような場所なんだから。ライヴハウスも行ったこともないつまんない奴らの意見なんて無視して、ルールを守ってこっそり楽しめ!

「トレジャーハンター」('20)
/四星球

3月から開催予定だった全国ワンマンツアーを含め、約50本のライヴが延期や中止となり、自粛期間中は配信で動画や新曲を発表してきた四星球。4月に配信したMV「おもてたんとちゃう」は三密を避けて、離れた場所で演奏するメンバーを一発撮りで撮影。7月4日に行ったワンマンライヴ『動け四星球~踊る阿呆に見る阿呆~』は、地元・徳島の5,000人収容の大会場にわずか80人の観客を入れて、生のライヴと有料配信で開催するなど、政府や自治体の定める規制を遵守しながら音楽と笑いを届け続けてきた。中でもゲラゲラ笑えてちょっぴり泣ける歌詞や曲とバカバカしさ満載のライヴ写真で構成された「トレジャーハンター」のMVを観て、すごい元気が出た! 現実を見ると暗い気分になりがちだけど、バカなことばかりやってきた四星球の勇姿を観て、暗い気持ちをぶっ飛ばせ!!

「One Day」('20)/Omoinotake

「One Day」収録配信シングル「One Day」/Omoinotake

「One Day」収録配信シングル「One Day」/Omoinotake

人気急上昇中のピアノトリオバンド、Omoinotake。彼らの曲で特にグッと来たのが、5月にリリースされた新曲「One Day」だった。4~6月と3カ月連続で新曲を配信リリースした彼ら。第二弾として今の心情を伝えるべく急遽、曲を差し替えて発表した新曲が「One Day」だった。笑い合う声が消え、心が擦り減っていく状況下で当たり前に寄り添える日々を願い、《だから僕は灯火が消えないように今歌うから》と真摯に歌うこの曲。美しいピアノに乗せた感傷的な歌声はスッと僕の心に飛び込み、力を与えてくれた。オフィシャルのMVもいいけど、一発撮りパフォーマンスを紹介する某YouTubeチャンネルのホームテイクが本当に素晴らしいので、そちらも必見です!

「Vulcan」('19)/DAITA

「Vulcan」収録配信シングル「Vulcan」/DAITA

「Vulcan」収録配信シングル「Vulcan」/DAITA

実に3カ月振り! 久々に生のライヴを観ることができたのが、6月28日に日本橋三井ホールで行なわれたDAITAのワンマンライヴ『COUNTER ROCKETS』でした。ホール会場でのライヴ開催は全国最速と言えるタイミングだったこの日。マスク着用や入場時の検温、席の間隔をしっかり開けて着席で観覧するなど、ガイドラインを遵守しての開催でしたが。ライヴ会場で爆音を浴びるという感覚は、やっぱり何にも代えがたいものだった! 腹に響く振動、脳天を直撃するギターサウンド、心震わすバンドアンサンブル…この期間、配信ライヴの良さや可能性も十分感じたが、やっぱり生に勝るものはなし! DAITAの超絶ギターテクにたっぷり魅了され、ライヴの魅力を再確認した。緊急事態宣言が発令されたあの頃、先の見えない不安を抑えてくれたのも音楽だったし、徐々に規制が緩和された今、ここからの希望を照らしてくれたのもやっぱり音楽なのだと実感しました。

TEXT/フジジュン(おもしろライター)

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

OKMusic編集部

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