クリスマスも終わり、年末の大掃除に入り、正月はゆっくり過ごそうという人も多いでしょう。しかし、まだまだクリスマス気分でいたい!! 古今東西、音楽も冬仕様の楽曲がこの季節にたくさんリリースされ、街では冬っぽい曲が流れます。ということで、ここではメタル縛りのウィンターソングを紹介したいんです。なぜなら、ヘヴィメタル界隈でもはっきり言ってここでは紹介し切れないくらいほど、クリスマスや冬にちなんだカバー/オリジナル曲がいっぱいあるんです。普段はメタルなんて聴かないという人も、これを機にさまざまなアーティストに出会うのもいいでしょう。

1.「悪魔のメリークリスマス」(’96)
/聖飢魔II

今年、地球デビュー30周年を祝し、期間限定で再集結した聖飢魔II。活動歴も長いバンドゆえに、どこから聴いていいのか、分からない人も多いと思います。この曲はクリスマスを題材に扱っているという意味で、取っ掛かりとしても入りやすいでしょう。そして、何より歌詞、メロディーともに秀逸な名曲なので、ジャンル関係なくスッと耳に入ってくること間違いナシ。特に深みのあるメッセージ性の強い歌詞は今聴いても素晴らしく、デーモン閣下(Vo)の歌唱力には圧倒されます。凛とした曲のムード、哀愁漂うメロディーの良さは、時を忘れてうっとり聴き入ってしまう。

2.「悪夢の輪舞曲」(’14)/BABYMET
AL

12月に横浜アリーナ公演2デイズを大成功に収めたBABYMETAL。そのライヴで来年4月に2ndアルバム世界同時発売&東京ドーム公演(!)を発表した彼女たち。一体、どこまでいくのでしょうか、末恐ろしい10代です。ここでは1stアルバム『BABYMETAL』から、いわゆるウィンターソングではありませんが、冬に聴いて似合いそうな楽曲を選びました。この曲はSU-METALがソロで歌うナンバーで、ライヴでも切れ味鋭い振り付けと共に非常に映える曲調です。メタルのドラマティックな味付け施されていますが、どこかシリアスなムードが漂い、彼女の透明度の高い歌声には吸い込まれそうな魅力があります。ちなみにBABYMETALはX JAPANもそうですが、どこかシアトルカルなステージングは聖飢魔IIからの影響も受けてます。

3.「Winter Song」(’09)/HALFORD

メタル・ゴッド、ジューダス・プリーストのフロントマンであるロブ・ハルフォード(Vo)。これはHALFORD名義によるクリスマスをテーマに据えたアルバム『Winter Song』の収録曲である。こういう作品を出すこと自体が意外なのだが、アルバム自体はとても素晴らしい出来映え。内容的はオリジナルとカバー曲で構成されてます。取り上げた曲はタイトルもズバリだが、ピアノとアコギで構成されたバラード風のシンプルな曲調(カバーですが)に仕上げられています。これがロブのもの悲しい歌声にフォーカスを当てた冬らしさ満載の一曲で、心に染み渡るいい曲なんです。金切り声のハイトーンだけがロブの魅力ではない。天使のごときクリスタイルヴォイスがあなたを癒してくれるでしょう。

4.「Jingle Balls」(’11)/KORN

『OZZFEST JAPAN 2015』初日のヘッドライナーを堂々と務めたKORN。その目玉はセルフタイトルを冠した衝撃のデビュー作を完全再現ということで、そりゃ色めき立ちました。だが、蓋を開けてみると、頭から7曲目まで曲順通りに披露するかたちで、ちょっぴり拍子抜けしたのも事実だ(完全再現ではなかったので)。それはさておき、このカバーがまた凄まじいんです。どこから聴いてもKORNとしか言いようがない"らしさ"爆発のカバーっぷり。クリスマスの楽しい雰囲気を漆黒の闇で塗り潰してます。ジョークか、本気か、判別が付かない好カバーで笑うしかない。まぁ、メタルのクリスマスソングはそういうものが多いです。小さい子供が聴いたら、間違いなく泣き出しそうなサウンドだ。KORNのブレない姿勢にリスペクト!

5.「Intuition」(’89)/TNT

ノルウェー発のTNTによる傑作4thアルバム『INTUITION』は、ジャケもそうだが、作品全体から北欧の寒くて厳しい冬が脳裏に浮かぶようなクールな一枚。メロハー(メロディアス・ハードロック)系の中でも屈指の美メロアルバムで、捨て曲はありません。WINGERやHAREM SCAREMが大好きな人には聴いてもらいたい。特に「Tonight I'm Falling」とこの表題曲は個人的に大好きで、後者は軽快なリフに乗り、トニー・ハーネル(Vo)の伸びやかな歌声を存分に堪能できます。バンドにとっても代表曲であり、色褪せない名曲です。この季節にぴったり合う楽曲なので是非!

著者:荒金良介

OKMusic編集部

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