「ぽかぽかとうららかな気候の中、新
生活の始まりに聴きたい5曲」

季節はすっかり春。学校や職場などではいろいろと新しい環境が訪れていることでしょうし、このタイミングで心機一転して新たにスポーツや勉強にチャレンジする人もきっと多いのでは? 慣れない環境に苦労するケースもある何かと慌しいシーズンですが、そんな時の支えのひとつとして音楽があったりするのだと思います。今回のテーマは“新生活の始まりに聴きたい5曲”。ぽかぽかとうららかな気候、新年度が始まるゆえの高揚感に合いそうで、ポジティブになれそうな楽曲を選んでみました。桜ソングは“新生活”とはちょっと違う気がしたので割愛。シンプルに春の賑やかな気分を感じたい時に、気分転換したい時、心をリラックスさせたい時に聴いてみてください〜!

1.「ゆめのはじまりんりん」/きゃりー
ぱみゅぱみゅ('14)

CHINTAIのCMソングでお馴染みの8thシングル曲。卒業ソングとしてPRされているナンバーですが、タイトルに“はじまり”とあるように、個人的には新生活の始まりにもぴったりなんじゃないかと思います。歌詞でも《これから 未来は 自分次第なのでしょ わくわくの切符を買いに行くよ》《旅立ちの際の ドキドキ》という前向きな思いが綴られているし、これから一人暮らしを始める人なんかにハマりそう。そうしたポジティブさの一方で、この時期ならではの甘酸っぱくて切ない気持ちや不安なども3分強の中でヴィヴィッドに表現されています。過去の衣装やモチーフを引用しつつ、きゃりーが子供から大人へ成長していくさまを描いたMVも必見!

2.「妙な季節」/アナ('14)

二人体制になって初の作品としてタワーレコード限定でシングルリリース、その後の通算5枚目となるアルバム『イメージと出来事』にも収録されたダンサブルなソウルチューン。ちょっと不思議なタイトルを含め、日常のさまざまなシーンの機微をうがつような大久保潤也の歌詞とともに、大内篤のギターカッティングが眩く映える中、トランペット、サックス、バリトンサックス、トロンボーンによる朗らかなホーンサウンド、さらに鍵盤なども生き生きと絡む高揚感のあるアレンジが、春のウキウキとした気分にぴったりです。季節の変わり目に訪れる何かが始まりそうな心のざわめきを繊細に捉えている感じがするし、渋谷系〜シティポップなテイストも効いてます。

3.「Lovefool」/The Cardigans('96)

90年代にスウェディッシュポップのブームを巻き起こしたカーディガンズの代表曲。詞の内容としては恋に盲目な女子の心模様が延々と展開されるのですが、その能天気(fool)でロマンティックなムード、陰と陽がぱあっと切り替わるメロディー、ニーナ・パーションのコケティッシュなヴォーカル、サビの《Love me,love me》…どこを取ってもかわいらしくて、春らしいフレッシュな気分になれるのです。ヘヴィな気分を軽くしてくれる効果も。3rdアルバム『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』に収録、リカットシングルでもリリース。映画『ロミオ&ジュリエット』(96年)で使用されて世界中で大ヒットしたほか、ペプシネックスCMでのPerfumeのカヴァーも話題になりました。

4.「ROCKSTEADY」/ストレイテナー('
02)

インディーズ時代のナンバーながら今もライヴで歌われている、バンドにとっての重要な楽曲。初期衝動をそのまま爆発させたような疾走感あふれるロックサウンド、ギターストロークと一体となって聴こえてくる《僕らは進まなくちゃ 先を急がなくちゃ 足が言うことを 聞いてくれるうちに》という歌詞には、聴くたびにハッとさせられる鋭さや輝きがあるし、見えてくる別離の念、現状を振り切ろうとする熱く揺るぎない決意が、新生活の始まりを奮い立たせてくれるのではないでしょうか。オリジナルはインディーズ3rdアルバム『SKELETONIZED』に収録。その後、ミニアルバム『ROCK END ROLL』で再録、ベストアルバム『21st CENTURY ROCK BAND』でもそのヴァージョンが聴けます。

5.「春〜spring〜 Sabao ver.」/Sabã
o ('13)

名曲は15年経った今も色あせないこと。そして、元Hysteric Blueのふたり(Tama、楠瀬タクヤ)が現在はSabão (シャボン)という新たなユニットで再出発していることを伝えたい意味でもピックアップしてみました。もちろん、この開放感に満ちた突き抜けるような歌と躍動的なバンドサウンドは新生活の幕開けを華々しく彩ってくれるはず! 春の空気を目いっぱい吸いながら聴いて、夢を追って強く生きる気持ちを再確認してみるのもいいでしょう。セルフカヴァーは2013年に配信限定でリリース。ヒスブル時代のポップかつキュートな魅力はSabão ver.でも健在です。なお、オリジナルは99年にヒスブルの2ndシングルとして発売。佐久間正英がプロデュースを手がけ、大ヒットを記録しました。

著者:田山雄士

OKMusic編集部

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