青春の日々、別れ、旅立ち、永遠の卒業ソング5選!

青春の日々、別れ、旅立ち、永遠の卒業ソング5選!

青春の日々、別れ、旅立ち、
永遠の卒業ソング5選!

突如、政府からの新型コロナウイルス感染症対策方針による要請で、軒並みライヴが中止になったり、それまでの当たり前が当たり前でなくなり始めたのが昨年2月末。あれから早くも1年が経過、学校生活もまた特別な一年となりました。毎日の登校はもちろん、運動会や修学旅行、そして卒業式も…。眩しかった日々と、不安と希望に満ちた未来、今この別れの時。こんなご時世だけど、こんな世の中なりに悔いを残さず旅立ってほしいなと。今回はそんな卒業タイミングで胸に響く名曲を、半世紀の中で年代ごとに5曲チョイス。これを聴いて涙する大人がいるように、今キミが聴いている曲は、50になっても泣ける思い出の曲になるのかも?
「卒業写真」収録アルバム『COBALT HOUR』/荒井由実
「制服」収録アルバム『「We Love SEIKO」-35thAnniversary松田聖子究極オールタイムベスト50Songs-』/松田聖子
「遠く遠く」収録アルバム『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA』/槇原敬之
「secret base ~君がくれたもの~」収録アルバム『E ~Complete A side Singles~』/ZONE
「ともに」収録アルバム『everybody!!』/WANIMA

「卒業写真」(’75)/荒井由実

「卒業写真」収録アルバム『COBALT HOUR』/荒井由実

「卒業写真」収録アルバム『COBALT HOUR』/荒井由実

【1970年代】令和の今の時代になっても、卒業ソングと言えば?と聞かれて尾崎 豊の「卒業」、海援隊の「贈る言葉」とともに圧倒的支持を集めているのが、ユーミンこと松任谷由実が旧姓・荒井由実名義で1975年にリリースした「卒業写真」。アルバム『COBALT HOUR』に収録され、もともとはコーラスグループであるハイ・ファイ・セットへの提供曲であります。そう、つまりシングルカットはされていないということ。例えば、お菓子とか昔ながらの飲食店とか、新しいものって限りなく出てくるけれど、昔からずーっと変わらず残っているものってあるよね。やっぱりそれって、流行も時代も関係なく、人の心を揺さぶり、記憶に残り続ける何かがあるのだと思うのです。専門学校の卒業式終了後、大好きだった人が先に卒業する私に花束を渡しに来てくれました。その帰り道に車の中で流れていたのがこの曲で…《あなたは私の 青春そのもの》あの人にとっても、そうでありますように。何十年経った今でも、そう願う今日この頃です。

「制服」(’82)/松田聖子

「制服」収録アルバム『「We Love SEIKO」-35thAnniversary松田聖子究極オールタイムベスト50Songs-』/松田聖子

「制服」収録アルバム『「We Love SEIKO」-35thAnniversary松田聖子究極オールタイムベスト50Songs-』/松田聖子

【1980年代】前出の尾崎 豊や斉藤由貴の「卒業」、柏原芳恵の「春なのに」、H2Oの「想い出がいっぱい」など、後世に残る卒業をテーマにした名曲が生まれたこの年代。その中でもコアな人気を集めていたのが、松任谷由実が呉田軽穂というペンネームで作曲し、松田聖子のシングル「赤いスイートピー」のB面に収録されていた「制服」。表題曲ではないもののファンの間では人気の高い曲で、卒業式当日の切ない心情は、ファンのみならず当時学生だった世代に刺さりまくった青春の一曲だったはず。ただ、一点ずっと引っかかっていたのは、この主人公は何で彼の東京での住所を握り締めて泣いたんだろう、と。直接もらえたものではなかったとしても、住所分かるならさ!…と思っていたのだけれど、もし住んでいるのが関東圏でもなければ、今のようにLINEもメールもSNSもない中での遠距離は諦めにつながってしまう、そんな時代だったのかもしれない。だとしたら、今を生きるキミたちは諦めず勇気を出して、脱ただのクラスメイト! ガンバレ!

「遠く遠く」(’92)/槇原敬之

「遠く遠く」収録アルバム『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA』/槇原敬之

「遠く遠く」収録アルバム『SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA』/槇原敬之

【1990年代】厳密には卒業その後ソングになるけれど、上京組は特に、夜ひとりの部屋で聴いて涙した人も多いんじゃないでしょうか。槇原敬之の大ヒットナンバー「もう恋なんてしない」「冬がはじまるよ」を収録したアルバム『君は僕の宝物』に収められ、その後2度セルフカバーはされているけれど、こちらも「卒業写真」同様シングルカットはされていない。同級生に元気かどうか心配されるくらいなので、きっと案内状の欠席に丸をつけたのは一回ではないのかもしれない。それでも、直接会って顔を見せられなくても、離れているのに元気でいることを伝えられる自分になる…そんな方法があったのか、と。そして、何て素敵な近況報告の仕方なんだろうと。上京なんてしてなくても、表舞台に立つことだけじゃなくて、“あぁ、頑張ってるな”遠くでそう思ってもらえる自分になりたい、そう思ったものでした。世の中どんどん便利になっていく中で、不便でなきゃ生まれないドラマや感じられない感情ってたくさんあって、当時なら一度は経験したことのあるであろう“真夜中の公衆電話”。生まれた時にすでに携帯があった世代にはぜひ、悲しいことがあった時や人生に悩んだとき、コレ、やってみて欲しいな。きっと生涯記憶に残る夜になると思うから。

「secret base ~君がくれたもの~」
(’01)/ZONE

「secret base ~君がくれたもの~」収録アルバム『E ~Complete A side Singles~』/ZONE

「secret base ~君がくれたもの~」収録アルバム『E ~Complete A side Singles~』/ZONE

【2000年代】これは泣いた。出逢い、何気ない毎日、別れの瞬間、楽しさも悲しみも全てが夏の日の夕暮れのようにキラキラして、切なさで胸の中がいっぱいになる。2001年、井上真央主演のドラマ『キッズ・ウォー3』主題歌となったZONEの3rdシングル「secret base ~君がくれたもの~」。2005年に解散後、歌詞に登場する《10年後の8月》の言葉通り、発売から10年後となる2011年8月に1カ月間限定で再結成したのは有名な話だけど、リリース時13歳~16歳という等身大の学生そのままだったメンバーが、綺麗なお姉さんになって現れた時、なぜか少し淋しさを感じたのは私だけでしょうか。転校、卒業、破局、永遠の別れ、親友、恋人etc…誰もがきっと、この曲に様々な自分の境遇を重ね合わせて泣いたんだろうな…。それまでの環境が終わる時、皆口々に“連絡するね、また会おうね”って言うけれど、その時は本心だったとしても、その先本当に会える人ってほんのひと握りだったりする。大半の人とは、たぶんソコが最後の別れ。だからもし、絶対に再会したい人がいたら約束してみたらいい。10年後の世界では、こんな今の現状もきっと“大変だったよね~”と懐かしいネタに変えてくれているはずだから。

「ともに」(’16)/WANIMA

「ともに」収録アルバム『everybody!!』/WANIMA

「ともに」収録アルバム『everybody!!』/WANIMA

【2010年代】泣かすだけが卒業ソングじゃないってことで、WANIMAの元気が沸いてくる曲を。ニベア花王「8×4ボディフレッシュ」CM曲として“青春”“部活”“汗”をテーマに書き下ろしたという「ともに」。2ndシングル「JUICE UP!!」の1曲目に収録されているナンバーだけど、個人的には映像有りきでMVで観るのがオススメ。若さゆえのいろいろな悩みや不安や葛藤を歌っていながら、これでもか!と言わんばかりの晴れやかな笑顔と、眩いばかりの水しぶき。仲間たちと笑い飛ばしながら、前を向いて後ろ向いてまた前向いて乗り越えていく。もうさ、青春以外の何物でもないね。観ているだけで頑張れる気がしてくるから不思議。それでも潰れそうになった時は《生きていれば…命さえあれば…》《冗談じゃない》呪文のように繰り返して、トドメはKENTA(Vo&Ba)のこの言葉で! “迷いなら捨てて後腐れ無しで1 CHANCE!”きっと大丈夫、卒業おめでとう!

TEXT:K子。

K子。 プロフィール:神奈川・湘南育ち。DIE IN CRIESで“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。どっぷりの反動で旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。

OKMusic編集部

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