ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲

2017年、ロックの聖地・日本武道館で
観た思い出のライヴ&楽曲5選

「世界に誇る、武道の大殿堂を日本に建築したい」という当時の衆議院議員・正力松太郎の願いから、1964年9月に落成。柔道や空手、剣道など武道の殿堂として愛されながら、1966年にザ・ビートルズが来日公演を行なってからは“ロックの聖地”としても知られる日本武道館。矢沢永吉、RCサクセション、BOØWYなど、数々の伝説のライヴが生まれたこの会場は、多くのミュージシャンが目標として掲げ、今年も素晴らしいライヴがたくさん行なわれてきました。ということで、今回は2017年に僕が日本武道館で観た、思い出のライヴ&楽曲5選を紹介。2019年には大規模改修で約1年間、使用できなくなってしまう武道館。まだ武道館でのライヴを経験したことのない人はにはぜひ機会を作って、あの独特な雰囲気を体感してもらって、“ロックの聖地”たる所以を確認して欲しい。
「異国の扉」収録シングル「異国のブラボー」/Theピーズ
「Peace of LOVE」収録アルバム『Dramatic Seven』/超特急
「脈拍」収録アルバム『脈拍』/MUCC
「恋は永遠」収録シングル「恋は永遠」/銀杏BOYZ
「ロックンロール イズ ノットデッド」収録アルバム『ロックンロール イズ ノットデッド』/サンボマスター

「異国の扉」(’17)/Theピーズ

「異国の扉」収録シングル「異国のブラボー」/Theピーズ

「異国の扉」収録シングル「異国のブラボー」/Theピーズ

1987年6月9日に下北沢屋根裏で初ライヴをやってから、ちょうど30年。6月9日(金)にバンド結成30周年を記念して開催された、Theピーズの初となる日本武道館公演。ロックンロールのカッコ良さをギュッと凝縮したサウンドはもちろん、はる(Vo&Ba)の人柄が滲み出た深い歌詞世界も人気の秘密で、ファンが30年間に発表した楽曲にファンがそれぞれの思い出や経験を重ね、それぞれの想いを持って集った武道館。僕も一曲一曲にいろんな思い出があって、曲ごとに聴いてた頃のことや考えてたことを思い出しながら、ノスタルジックな気分に浸っていたのだが。ライヴで初めて聴いた新曲「異国の扉」がすごいカッコ良くて、「最新曲がこんなカッコ良いなんて、最高じゃん!」と思った。そう、この日は30年の集大成でありながら、ここから始まる新しい物語のスタートでもあったのだ。惜しくも武道館に行けなかった人は、Blu-ray&DVDも出ているので是非!

「Peace of LOVE」(’16)/超特急

「Peace of LOVE」収録アルバム『Dramatic Seven』/超特急

「Peace of LOVE」収録アルバム『Dramatic Seven』/超特急

ロックバンドではないけれど、僕が夢中になっている7人組メインダンサー&バックヴォーカルグループ・超特急も6月14日(水)に初の武道館公演を敢行。デビュー5周年を記念した自身最長の全国ツアーの追加公演として行なわれた、この日のライヴ。7メートルのリフターに乗って登場など、武道館という会場ならではの演出も素晴らしかったが、特筆すべきは怒涛の22曲30分メドレー。人気曲からレア曲まで、それぞれの魅せ場も作りながら、7人が次々と入れ替わって披露するメドレーは圧巻だった。そんな中、この日印象に残った曲は、メドレーのあとに披露された「Peace of LOVE」。“ダサカッコ良さ”が魅力の彼らだが、たっぷり気持ちを込めた歌とダンスでやさしく温かいメッセージを届けるこの曲に、この真摯さや純粋さも彼らの魅力なのだと改めて思わされた。惜しくも武道館に行けなかった人は、こちらもBlu-ray&DVDが出ているのでぜひ!

「脈拍」(’17)/MUCC

「脈拍」収録アルバム『脈拍』/MUCC

「脈拍」収録アルバム『脈拍』/MUCC

1997年、茨城にて結成。結成20周年を迎えたMUCCが6月20日(火)と21日(水)に行なった日本武道館公演。これは彼らの活動の歴史を前期と後期に分けて、2日間で全50曲を披露するというとんでもない内容で、常に変化と進化を続けている彼らのルーツや音楽遍歴もよく見える非常に素晴らしいライヴだったのだが、初日のアンコールラストと2日目の1曲目で演奏され、2日間をつないだ曲が最新曲「脈拍」だった。2日間を観て思ったのが、この曲が彼らの揺るぎない音楽性と独創性、MUCCの20年の歴史と最新型を1曲で見事に表しているということ。この曲が収録されたアルバム『脈拍』の完成時、「20周年だからと気張らずに作ったら、俺ららしいアルバムができた」と語っていた彼らだったが。気張らずに現在を鳴らした時、20年の歴史や生き様が自然と表れたということなのだろう。ロックは生き様、ということです!

「恋は永遠」(’17)/銀杏BOYZ

「恋は永遠」収録シングル「恋は永遠」/銀杏BOYZ

「恋は永遠」収録シングル「恋は永遠」/銀杏BOYZ

2003年、前身バンドであるGOING STEADYを解散。同年、峯田和伸が銀杏BOYZを結成し、活動をスタート。10月13日(金)、GOING STEADY時代も含めて、自身初となる日本武道館公演を行なった銀杏BOYZ。9年に及ぶアルバム制作を経て、2014年にやっとアルバムを完成させるも峯田以外のメンバーが脱退するなど、波乱に満ちたのバンドの歴史だが、峯田の作る楽曲やその存在はファンから熱狂的な支持を受け、人生を変えるほどの影響を受ける人も多数存在。この日、峯田はMCで「ひとりぼっちが集まった、僕とあなたの部屋。こんな場所が欲しかった」と語っていたが、確かに10,000人がひとつになって生まれる熱気ではなく、異常な熱量を持つひとりぼっちが10,000人集まって生まれる熱気で包まれた武道館は、今まで体感したどのライヴとも異なる独特の空気感だった。そんな中、僕が印象に残った曲は「恋は永遠」。峯田の持つピュアさとポップさをサポートメンバーが昇華した最新曲を聴いて、新しい銀杏BOYZのこれから生まれてくる曲もすごく楽しみになった。

「ロックンロール イズ ノットデッド」
(’12)/サンボマスター

「ロックンロール イズ ノットデッド」収録アルバム『ロックンロール イズ ノットデッド』/サンボマスター

「ロックンロール イズ ノットデッド」収録アルバム『ロックンロール イズ ノットデッド』/サンボマスター

まだ開催されていないが12月3日(日)、自身初の日本武道館公演を行なうサンボマスター。「あれ? サンボって武道館やってなかったっけ?」と思う人もいると思うが、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」のヒットもあって、人気絶頂だった2007年に行なったのは両国国技館公演。あの日は当時リリースしていた全楽曲55曲を、6時間強に渡って披露して驚かせてくれた。それと同じことはやらないにせよ、日本武道館公演ではどんなライヴで驚かせてくれるのか? 今から、期待しかありません! 最新アルバム『YES』を聴いても、キャリアを重ねてスキルは向上させながら、ロックンロールへの熱量と不器用なほどの真っ直ぐさはまったく変わらない彼ら。ロックの聖地でこの曲を披露して、「ロックンロールは死なねぇぞ!」と声高らかに叫んでほしい! ちなみにサンボの武道館直後の12月13日(水)からは、矢沢永吉の武道館公演5デイズも控えてます。やっぱり、ロックンロールは死んでない!!

TEXT/フジジュン

OKMusic編集部

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