【鉄風東京 インタビュー】
自分たちのことを
好きでいてくれる人を
信じてやっている
原点に戻った感のある
真っ直ぐな作品になっている
そんな『From』が完成しての感想はいかがですか?
前回の「Born」では空間を使ったエフェクティブなこともしてるんですけど、『From』は4人のベーシックなバンドサウンドを中心に結構ストレートな表現をしていて。「FLYING SON」はハードコアやオルタナティブのバンドからヒントを得て作った重たい曲だったりするし、原点に戻った感のある真っ直ぐな作品になっていると思いますね。まだまだ5年目、ペーペーですけど、また一度、自分たちのことを見つめ直せた一枚でもあります。
現在の立ち位置であったり、ここから向かうべき方向、そして「東京」でも歌っていますけど、歌う意味を再確認して、ここからまたグッと前に進むための1stミニアルバムになったんじゃないかと思いながら聴かせてもらいました。
まさに「TEARS」は鉄風東京の原点に戻ったような曲だし、いろんなことを再確認しながら挑戦的なこともできましたね。今回のリリースツアーは全部ツーマンなんですが、対バンが全部、僕が中学や高校の頃に聴いていた大好きなバンドなんですよ。年齢の近いバンドを呼ぶのは簡単でもあるし、それでも素敵なツアーになると思うんですけど、今回は分かりやすく成長する機会というか、打ちのめされて強くなる機会が欲しくて。憧れの人の前でライヴをやるのと同時に、自分の前でライヴをやるような感覚もある…もし僕がそのライヴを観に来ていて、同い年のバンドがダサかったらすごいイライラすると思うんですよ。なので、先輩たちの胸を借りるだけじゃなくて、先輩バンドとちゃんと横並びでいる…“これはツーマンです!”としっかり言えるライヴにしたいと思っています。“ここまでできるんだぜ”ってところを、自信を持って見せつけたいですね。
やはり『From』の楽曲たちはライヴも意識して作ったんですか?
アッパーな曲はライヴも意識していますね。それこそ「TEARS」はそうだし、「FLYING SON」はあの重ためな曲を僕ら世代の人たちがライヴで合唱したら結構な快挙だと思っていて。お客さんに歌わせるパートは欲しくて作ったりします。
そんな中に「東京」が入ってくると、ライヴの雰囲気ががらりと変わりそうですね。
僕がそもそも根暗な人間で、下に潜った曲を書くのが得意なんですよ。鉄風東京の自分の中のテーマとして、“いかに根暗な自分と立ち向かうか?”みたいなところがあるので、「東京」みたいな曲が入ると、その説得力が増したりしますね。
アッパーな曲でも、実は歌ってることは暗かったりして。それをロックンロールでぶっ飛ばす痛快さもあるけど、「東京」は楽曲や自分自身としっかり対峙できていますよね。
「東京」は恋愛の曲と思われがちですけど、高校時代に一緒に対バンしていた友達がいて、そいつが上京して、バンドをしなくなっちゃったんで、そいつに向けて書いた曲なんです。遠くに行った誰かに向けての想いを感じる人は、同じような気持ちで聴いてくれると思いますね。
「東京」は東京に住んでたら書けない曲です。
僕らはメンバー全員、仙台在住ですからね。“東京”っていうタイトルですけど、こっちから見た東京を歌っているし。東京自体が嫌いなわけじゃないんですけど、大学だったり、バンドだったり、夢のために東京に行く人はカッコ良くてすごいと思うんですよ。地元に残って夢を追っている身としてはちょっと寂しいし、悔しさもありますね。
そして、『From』の楽曲たちには“涙”というワードが象徴的に出てきます。悲しみも、悔しさも、喜びも表した“涙”という言葉ですが、どんな意味を含んでいるのでしょうか?
涙って、怒ったり、悲しんだり、悔しかったり、感情が高ぶった時に出てくると思うんですが、僕はライヴハウスでKOTORIやpaioniaのライヴを観ていると、人間の本能というか、脳で理解していないのに涙が出るんです。“感動”って言葉が一番近いのかもしれないですけど。自分の大好きなバンドの音が目の前で鳴っている感動だったり、あんなにヘッドホンで聴いた曲を生で聴いている感動だったり、そういう涙を流した経験が何度もあるんです。だから、自分がライヴをやっている時に泣いてるお客さんがいると、あの時みたいな訳も分からずあふれてくる涙を引き起こせているんだと思うし、それは喧嘩したり、悲しいことがあって流している涙とは違うんで、“その涙は素晴らしい涙なんだよ”って伝えたくて書いたのが「TEARS」なんです。僕の中で一番嘘のない感情を表したのが、“涙”なんです。
大黒くんの描く“涙”は悲しさや切なさを想起させるものじゃなくて、感情を大きく動かす何かを表していますよね。
涙が出ることって、人生や日常における重要なポイントだと思うんです。僕は実体験でしか歌詞を書けないので、自分が泣いていた時のことを書いていて。「TEARS」は実体験だからこそ説得力があると思うし、同じ立場の人がいた時に分かってあげられる曲になっていると思います。
では、最後にこれからの野望を聞かせてください!
仙台って東北の中心なんて言われているんですが、バンドも来づらい土地で。だから、一番の野望となると、ホームである仙台FLYING SONを下北沢SHELTERや新宿LOFTとか、そういうライヴハウスと同じくらい聖地にしたいということですね。
俺はミニアルバム聴いて、フルアルバムを聴きたいと思ったのと、ワンマンでがっつりとライヴを観たいと思いました。
なるほど。僕らはアンプや機材を自分たちで買っていて、音の面でもこだわっているので、そういった面でも成長していけたらと思っているんですね。あと、僕は中学校の時、吹奏楽部をやっていたから、バンドサウンドでしっかり勝負するのも好きなんですけど、金管楽器とかを入れた、いわゆるバンドサウンドにこだわらない曲もやってみたいとも思っていて。フルアルバムを出す時は、そういう音も作れたら楽しいだろうなと思っています。
取材:フジジュン
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ミニアルバム『From』2023年9月13日発売
No Big Deal Records
- NBDL-0109
- ¥1,500(税込)
- ※全国タワーレコード&ライヴ会場限定
『鉄風東京 presents 「From 2MAN TOUR 2023」』
9/17(土) 宮城・仙台JUNK BOX
w)kobore
9/28(木) 北海道・札幌SPICE
w)THE BOYS&GIRLS
10/06(金) 福岡・OP’s
w)さよならポエジー
10/10(火) 香川・高松TOONICE
w)paionia
10/18(水) 愛知・名古屋QUATTRO
w)忘れらんねえよ
10/20(金) 大阪・梅田QUATTRO
w)KOTORI
10/27(金) 東京・渋谷QUATTRO
w)KALMA
テップウトウキョウ:仙台を拠点に活動する、平均年齢 20 歳の 4 ピースオルタナティブロックバンド。2018年11月に結成し、20年には『RO JACK 2020』に入賞を果たし、高校3年生の時に公開した「外灯とアパート」のMVは50万回再生を突破。結成から現在に至るまで、ライヴを大事にするスタイルで活動している。21年11月にリリースした1st EP『Nokosu』はタワクル展開店の全5店舗(仙台、渋谷、福岡、 名古屋、梅田)で1位を獲得し、初の全国ツアー『Nokosu Tour 2021』も各地盛況に終える。2023年9月に全国タワーレコード&ライヴ会場限定で1stミニアルバム『From』をリリースし、全国2マンツアー『鉄風東京 presents 「From 2MAN TOUR 2023」』を開催!鉄風東京 オフィシャルHP
「TEARS」MV
「FLYING SON」MV
「SECRET」T
EARS ONEMAN TOUR 2023 渋谷WWW