L→R shotaro(Support Bass)、Jun(Gu&Vo)、ismi(Gu)、RICO(Support Dr)

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【LIFESHOP】自分では想像できなかっ
た、期待を良い意味で裏切る作品

前作から約2年振りとなる2ndミニアルバム『FREE MODERN INFORMATION』が完成! 今作は紆余曲折を経たバンドの現在の心境の変化を強く示した一枚となっている。
取材:高良美咲

2年振りのリリースということで、まずはバンドの現在までの活動についておうかがいしたいのですが。

Jun
僕を中心にベースとドラムがいたのですが、ドラムが抜けてしまったのでサポートのドラマーを入れて3ピースでやってたんですよ。2012年にismiくんが加入したので4人編成で変化を付けようとツアーも無事に終えたんですけど、ベースが辞めてしまい、燃え尽きてしまって。“この中でバンドを続けていっていいのか?”と考えた時に、ismiくんが続けようと。僕も続けたいと思ってたので、こういう状況でもやってみようとベースとドラムのサポートをきちんと固めて4ピースに戻して、今回2枚目のミニアルバムを出せることになりました。

ismiさんは前作の1stミニアルバム『People always praying』(2012年10月発売)をリリースする前に加入されたのですよね?

ismi
そうです。僕が入ってレコ発やツアーをやったのにベーシストが抜けてしまうというドタバタだったんですけど…それでも僕はまだまだやりたいと思っていたので、Junにふたりでもやっていこうよと話して今に至る感じですね。

『People always praying』は今振り返るとどのような作品ですか?

Jun
僕が宅録から始めてメンバーを集めて作ったバンドなので、スタジオワークで作り上げたような色が強かったですね。

ライヴでの感触はどうでしたか?

ismi
“CDを聴いた感じと全然違う”“ライヴのほうがいい”って言われたんですよ。もちろん、作品としても出来上がっているんですけど、ライヴと音源の差があると言われました。
Jun
そのツアーも経て、新しいレギュラーサポートも入ってようやくグルーブが固まったので、今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONやTHE NOVEMBERSを録られている、エンジニアの岩田(純也)さんにお願いをして、より生っぽい、そのままの空気感をパッケージしてもらいました。

9月17日にリリースされる『FREE MODERN INFORMATION』はいつ頃から制作をしていたのですか?

Jun
本当は去年出したかったんですけど、バンドを1回立て直すという状況になってしまったので…。スケッチのような曲はあったんですけど全部作り直して、今だからやれる曲にしました。去年の夏頃から作り始めてボツにしたりを繰り返して今年の3月くらいに全部揃いました。

なるほど。今作に向けて作った7曲になるのですね。

Jun
前作『People always praying』は、(2011年3月に)地震があったのを濃厚に出しているわけじゃないんですけど、レクイエムみたいな作品で。当時、音楽業界とかエンターテインメントは慎まなきゃいけないという空気感があったけど、少しずつ自然と戻っていって。今回はそういうのとバンドの境遇も含めて、“現状”を鉄っぽく、色で言えばメタリックな感じです。レンジ感のある作品にしたかったので、サウンドのビジョンも含め、挑戦したミニアルバムになっています。

今作には“FREE MODERN INFORMATION”と名付けられていて、2曲目に同タイトルの曲がありますけど、この曲が主軸になったのでしょうか

Jun
はい。この曲は一番最初にできて、その時にリード曲及びアルバムのタイトルにしたいなと思いました。ライヴを経て変わって、メンバーも変わって…今回ももしかしたらライヴに来て“CDと違う”と印象を持つ方もいると思うんですけど、より良い意味で裏切りたい。肉感というか、リズム主体で作った曲です。

PVは近未来的でカッコ良いですね。

Jun
僕がずっとお願いしたかった、the band apartなどをやっている青木亮二監督にお願いしたら引き受けてくれまして。VJも使ってダンスビートとは違ったギターロックを主軸にした上で、でもちょっとオーソドックスなものとは違うというイメージで、映像にもこだわりました。

全曲の作詞作曲をJunさんがされていますけど、アレンジはどのように進めているのですか? すごく凝っているなという印象を受けました。

Jun
2年経ってからの2作目になるので、アレンジの面でも進化した印象を持ってもらえればと思って、レコーディングの前にバンドでサウンドプロデュースは結構したんですけど、岩田さんからもいろいろアドバイスをいただいて。録りながら、アレンジやエフェクターのサウンドの構築、サウンドプロダクションを大幅に変えた曲もありましたね。作品をバンドが持っていたイメージと違うところで理解していただきました。「FREE MODERN INFORMATION」もイントロはもっとシンプルだったんですけど、いろいろ試して8本くらいギターを重ねたんです。“えっ”と思いながらもオーバーダビングをしていったのですが、結果的にすごくいい変化になりました。
ismi
Junくんが言ったように、現場で変えるところが多かったですね。岩田さんに言われた通りにやってみたら、自分の想像とは違った良い音が出るんですよ。岩田さんの経験をアドバイスいただいたことでひと皮剥けて、“進化したな”と実感しました(笑)。
Jun
岩田イズムを継承しましたね(笑)。アルバムを作る以上に、今後のLIFESHOPのサウンドビジョンにも役立つ経験でした。

「FREE MODERN INFORMATION」以外にも大幅に変わった曲はありますか?

Jun
「ユージュアルプライオリティ」は、曲の世界観を瞬時に理解していただいて、音の積み重ねを考えていただいたので、僕としてはもうちょっとノイジーにやっても良かったのかなというところもあったのですが、実際ミックスされたのを聴くと、これで良かったんだと感じました。凝り固まった主観に対していろいろアプローチをいただいたことで、客観的な要素が結果的にまた自分の主観として戻ってきました。

今作の1曲目の「INITIATION」ですが、タイトルには“開始”という意味もありますよね。

Jun
そういう意味もありますし、“通過儀礼”とか。音で言った時に曲が持つ雰囲気を色付けてくれるようなタイトルの付け方にしたかったので、“INITIATION”という言葉の響きに、このタイトルしかないと思ったし、1曲目にしたかった。夜明けに走り出したような不穏もあるけど、何かが始まったような感じにしたかったので。これからの不安とか覚悟みたいなものも含め、この1~2曲目の曲の流れは最初に意識しました。

歌詞の面で、この曲だったら《スタンリーキューブリックの映画の ワンシーンより美しくいたい》というフレーズなのですが、アルバムの全体を通して別のものを引き合いに出して表現している部分が面白いなと思いました。他にも、さりげなく韻を踏んでいるところがあったり。

Jun
歌詞は結構レコーディングの現場で書いているのも多かったです。岩田さんのスタジオでは、歌入れを止めてもらって1時間くらい歌詞を書き直したりとか…そういった時にギリギリになって出てきた言葉は、自分が影響を受けたものが多くて。スタンリー・キューブリックの作品は、作品ごとに全然違うのに一貫性があるというのに興奮をしたり、わくわくする部分があります。いろんな気持ちを乗り越えられるような自分たちの覚悟のワンフレーズになりました。今回は言葉遊びとか、韻を踏む作業を意識してやったので、結構頑張ったなぁと自分でも高揚感が得られる作品です。

ismiさんは、Junさんが書いた歌詞に対してどういう変化を感じましたか?

ismi
Junが曲を持ってきた時はあまり歌詞が付いてなくて、ギリギリまでなかなか完成型が見えないんですね。「FREE MODERN INFORMATION」の歌詞を歌入れで持ってきた時に、僕がイメージしてたのとは違っていたんですよ。良い意味で全然違う印象を受けたので、びっくりしましたね。今回は人間味があるというか、歌い方もかなり熱量のこもったものになってます。
Jun
前回は、レコーディングにまだ慣れていないのもあってきれいに歌ってたんですよ。そういうのも岩田さんが歌入れの時にいろいろ言ってくれました。何回も歌ってたら段々荒くなっちゃって…でも、それがOKテイクになったりとか。今聴き直すと、やっぱこれで良かった。そういう意味では変化というか、成果がありましたね。

岩田さんがディレクションしてくれたというのが大きかったですか?

Jun
そうですね、かなり。やっぱりセルフプロデュースにも限界があったので。これを経てのセルフプロデュースには成長が見られると思います。大事な刺激でした。

それを受け入れられたのは、今までバンドを続けてきた中での変化でもあるのでしょうか?

Jun
僕はやっぱり、1回バンドがなくなるかもしれないと思ったので…。再始動1枚目となる今作は、もう自分だけのものじゃなくなったという感覚がありますね。前は嫌だったんです、自分で完結しないと。自分から始めるのは変わらないけど、自分では想像できないようなものになってほしい、自分の期待を良い意味で裏切るようなものになればと思うようになったという、そんな願いや決意を作品と一緒に出したいです。

なるほど。そんな今作の最後を締め括る「CANARIA」は歌詞も歌も語りかけるような感じで、思わずじっくり聴き入ってしまいました。

Jun
最後まで突き抜けるアルバムにしても良かったのかもしれないけど、前作も含めて今までやってきたことも許してあげたいなというのがあって、歌詞には自分が歩いてきた道のりとかを織り込みました。辛いこととか、泥水をすすりながらやってきたので。この曲で2012年からやってきたものをきれいに彩って包み上げるというか…物語が一個終わったような曲になりました。

新しいLIFESHOPを示した一枚になったということですね。

Jun
そうですね。これを聴いて、ぜひライヴに来てほしいですね。あと、今回は発売後にPV第二弾で「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」という曲を録ってあるので、それを公開します。

それはどういう映像になっているのですか?

Jun
今回のアルバムは待たせていた部分も多く、攻撃的でダイナミックな曲調のものをリード曲にしたので、「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」みたいに軽快な、明と暗が両極端な曲を同時に提供したかったというのもあり、PVを2曲録りました。僕らはどっちもいいと思うので、聴いてくれた方の境遇や感覚に、どっちかがスッと入ってくれれば。

2年振りのリリースとなるわけですが、久しぶりの制作を経て、改めてLIFESHOPとはどのようなバンドだと思いました?

Jun
現代を生きている中で、ふとした時の町の情景や事件…そういうのをひっくるめて自分が曲を作るエネルギーになってます。今作は店頭に並びますが、僕としては芸術は別に売り物じゃなくても、自分の中だけで完結するアートもあると思うんですけど、実際に商品になるというアイロニーから始まっています。その中の生々しい感情、ファンタジーという世界観と現実の振れ幅でバンドを面白く彩っていきたいです。
ismi
前作までは冷たい感じのバンドで、Junが書く楽曲の情景は近未来、宇宙的な現実よりもちょっと遠い世界のイメージがしています。そこからメンバーチェンジを経て楽曲も変わり、今回はファンタジーさも引き継ぎつつ、現実にグッと寄ってきた。今のLIFESHOPはそういう感じです。

そして、レコ発とツアーを経て12月には渋谷club乙-kinoto-でワンマンライヴを行ないますね。まだ先ですけど、どういうライヴにしたいですか?

Jun
LIFESHOPにとって初のワンマンということで、初期の曲から今の曲までを合わせて聴かせられるチャンスですね。記憶に残る夜にしたいと思っているので、その時でしか感じられないLIFESHOPワールドに身を委ねてほしいです。
『FREE MODERN INFORMATION』
    • 『FREE MODERN INFORMATION』
    • NHCR-1129
    • 2014.09.17
    • 1890円
LIFESHOP プロフィール

ライフショップ:Jun(Vo&Gu)を中心に結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在は正式メンバーにismi(Gu)、サポートメンバーにドラムとベースを迎え、4人編成で都内のライヴハウスを中心に活動中。2014年9月に初の全国流通盤ミニアルバムから2年の時を経て、待望の2ndミニアルバム『FREE MODERN INFORMATION』をリリースした。LIFESHOP オフィシャルHP

OKMusic編集部

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