【Mayu】スタートボタンのような一枚
として聴いてほしい!

シンガーソングライター・Mayuが、会場限定盤としてリリースされていた作品に新曲を1曲追加した初の全国流通盤ミニアルバム『POP!TICK!ROCK! more special!!』をリリースした。
取材:高良美咲

先日、代官山LOOPでのライヴを観させていただいたのですが、目力が強くて、芯のしっかりしているタイプなのかな?という印象を受けました。

小っちゃいし、顔も中学生に思われることが多いので、“なめるなよ!”というか、虚勢を張ってライヴをしていますね(笑)。

他の女子のシンガーソングライターとは違うぞ!と?

そうですね。誰もが“自分は違うぞ!”というアピールをしていると思うんですけど、私もそうで。もしかしたら、ずっとひとりでやっていたことが大きいかもしれないですね。

2012年に音楽活動を始めたということですけど。

ライヴをし始めたのは2012年なんですけど、それまでも家で弾き語りをしたり、ギターを習ったり、曲を書いたりというのはしていました。曲を作り始めたのは、中学3年生の時だったので6年前くらい。ギターを弾いて曲を作るようになった時に“これはいい曲ができたぞ!”と思う曲ができて、“人に聴いてもらいたい”と思うようになったんです。

その曲は今作に入ってますか?

入っていないですね。ずっと前の曲で、今はライヴでもやってないんです。作った時に“これはいける!”と思ったのは自意識過剰だったんですよ(笑)。でも、とにかくその時は自信しかなかったんです。

もともとはどういう音楽を聴いていたのですか?

小さい時からダンスをやっていたのでダンスミュージックが好きで聴いていたんですけど、中学生くらいの時に兄が銀杏BOYZとかBUMP OF CHICKENを聴いていて、“なんだ、このジャリジャリしたカッコ良い音は!”と思って。あとは、女の子がギターを弾いているというのがあまり見たことがなかったので、YUIさんを見た時に衝撃を受けて。そこから影響を受けてアコギを始めたんです。

最初に音楽活動を始めた時から今に至るまで変化はありましたか?

若干の変化はあります。音楽活動で一番最初にやったのがライヴだったので、ライヴでやって伝わるもの…感情が揺さぶられるライヴをやりたいですね。

今回全国リリースされる『POP!TICK!ROCK! more special!!』は、以前にライヴ会場限定でリリースされていた『POP!TICK!ROCK!』に新曲を1曲を追加して、ジャケットなども一新してリリースされますけど、最初の『POP!TICK!ROCK!』にはいつ頃の作品が入っているのですか?

一番古いのが、高校2〜3年生の時の曲なんですけど、「KISSED MY DREAM」は4年前とかの曲ですね。初めてのミニアルバムだったので、自分のいろんな面を見せたいという気持ちから、バラードやロックなもの、それに可愛らしいものも入れて。でも、一番は自分らしいものを入れようと思いました。

なるほど。今作に追加された新曲の「グローアップタウン」は、ライヴで聴いた時に一番ライヴ映えする曲だなと思いました。

作った時は、やっぱりライヴを意識していましたね。あとは、全国流通されるので1曲目に“自分”というものを持ってこなきゃと思って。この曲ができたのは本当に最近で、今年の夏に作りました。思っていることを書いた結果、今一番自分らしくてライヴ映えもする曲になりましたね。

先日のライヴが初めてのお披露目だったそうですが。

やっぱりサビが分かりやすいから、初めて聴くのにアクションをしてくれる人が多かったですね。この曲はライヴで育てていけたらいいなと思っています。現実だけを書いてはいけないというか、自分の美学としては現実世界にひとつ何かをプラスして、みんなが聴いていたいと思える世界にしたいというのがあって。その提示としてこの「グローアップタウン」は《ドキドキして生きていたいわ》という歌詞があるんです。見方によって世界がキラキラして見えるんだよっていう思いをここで言えたと思います。MVは曲の世界観に合いつつ、曲の世界を膨張してくれるようなものを作りました。

楽曲にはシンセが入っていますけど、曲はどういうふうに作っていくのですか?

ここ最近1〜2年くらいなんですけど、基本的には自分でギター一本で弾いて、その後に簡単なものですけどパソコンでビートや音を入れます。この音が鳴ってる!みたいな感覚で(笑)。自分の中で鳴っていて、これは絶対に入れたいなというものをまず入れてからサポートバンドのメンバーとかスタッフさんに送って練っていく感じですね。

「ステレオラブ」はどこから作り始めましたか?

一番最初にできたのはギターのリフで、そこに冬のイメージとキュンと甘酸っぱい感じが出てきたので、そこからは自分の思うがままに作りました。

歌詞には《わたしは素直なんかじゃないけど》って書いてますけど、そこから始まる言葉は全て素直ですよね(笑)。

超素直に書いてますよ(笑)。曲によってバラバラなんですけど、これは言葉がはまっていくうちにテーマが決まりましたね。《あぁもう どうなってんの》っていうフレーズができたので、自分のことを書こうと。自分が天邪鬼なので(笑)。“天邪鬼だけど、聴いてほしい! この気持ち!”っていうのを書きました。

ちなみに、《とびきりに 大好きなアヤマチ》っていうのは?

“また恋をしてしまったな”…何度も失敗しているのにまた間違いをおかしてしまうぞ!っていう気持ちです。

そこも天邪鬼なんですね(笑)。

そうです(笑)。別れて、振られて…みたいなのを繰り返してるのに、“またやってしまった!”っていう(笑)。

それと比べたら、「ほろよいヒロイン」はすごく素直な曲ですね。

これは最後の最後まで入れるかどうか悩んでいたんですけど、この曲を入れることによって私の幅が見せられるかな?って思って入れました。「ほろよいヒロイン」は自分じゃない別の女性に近いかもと思って、それに寄せて書きましたね。想像もありつつ、自分もそう思っているけど、現実世界では素直に出せないところっていうのをこの「ほろよいヒロイン」に乗せて。自分のいろんな面を入れようと思って、飛び切り素直に書きました。実際の私はこんなことはできません(笑)。聴いた人にはキュンキュンしてほしいなと思います!

「KISSED MY DREAM」は一番切ない曲ですけど、高校生の時に書かれたんですね。

ギターを弾きながら歌っていた時にひとりで寂しくなってしまって…この寂しさを曲に乗せたいと思ったんです。一番最初の《大事なものはすぐに失くしてしまう性格だから》というフレーズから、恋人と同棲をしていたけど、失くしてしまったというストーリーを書いたんです。同棲なんかしたこともないんですけど、大事な人を失くしたらこうなってしまうんだろうな、という想像で。あと、当時の失恋を混ぜて書きました。

結構元気なイメージを受けていたので意外でした。歌詞は書き換えたりはしていないのですか?

歌詞はまったく変わってないですね。無敵な時期もあるんですけど、多分、ネガティブだからライヴでも虚勢を張ってカッコ良く見せようとしているんだと思います。心が折れることもあるんですけど、1回寝て、ごはん食べて、落ち着いたら復活します(笑)。

「深夜バス」は旅立ちの歌ですけど、実際の経験を書いた曲ですか?

ではないんです(笑)。私、深夜バスがすごい好きなんですよ。暗くなって寂しくなる感じの中、ひとりで音楽を聴くのが好きで。この曲のストーリーは恋人が遠くに行ってしまって、会いにいく…というストーリーなんです。まぁ、これも実話ではないんですけど(笑)。物理的な遠さではなくて、心理的に離れていく遠さを描きました。気持ちが離れている遠い人に会いにいく感じです。

最終的には《全然 さみしくなんかはないわ》っていう。

それも強がりです(笑)。寂しいですけどね。寂しいって言ったら寂しさしかなくなるので。

ストーリーを想像したりするのが好きなのですか?

はい。映画が好きなんです。映画のエンディングで流れてくる曲が好きで、自分でもそういうのが作りたいと常日頃思っているんですよ。

強がりだったり、素直だったり、切なかったり…5曲の感情の起伏が激しいですね。

そうですね。自分でもこの心情に付いていけないです(笑)。昨日こんなに悲しかったのに、今日は楽しい!みたいな。凹んだら曲を書いて吐き出したりもするので、曲は感情の冷凍保存やパッケージのような感じでもありますね。自分が一番気持ちを込めて歌えるっていったらやっぱり自分のことなので。だから、人のことを書けるようになるのはまだ先かな(笑)。

今作には“more special!!”と付けられたわけですけど、改めてどういう一枚になりましたか?

さらに自分を分かってもらえる一枚になったと思います。今回追加した「グローアップタウン」はさっきも言いましたけど、この夏にできた一番リアルタイムな楽曲なんです。“こんなにも世界はキラキラして見えるんだよ”というのを1曲目に言っておきたくて。単純なことでも、ひとつ違う見方をすることによって素敵な世界が広がっていくんだと思ってもらいたいし、日常生活で聴き始めたらキラキラスイッチが入るような、何もかもが華やいで見えるような…スタートボタンのような一枚として聴いてもらえたらと思います。
『POP!TICK!ROCK! more special!!』
    • 『POP!TICK!ROCK! more special!!』
    • XQIY-91202
    • 2015.11.11
    • 1200円

OKMusic編集部

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