【君ノトナリ】これからの羅針盤にな
るような一枚

現在19歳の幼馴染み同士で結成された“君ノトナリ”が、これからの可能性を強く感じさせる初の全国流通盤ミニアルバム『未完星ドラマチック』をリリースした。エレクトロなロックを主軸に若さゆえの感受性と柔軟さで作り上げた作品について訊いた。

君ノトナリの結成のいきさつについて教えてください。

中久喜
中学3年生の頃、高校説明会の帰りに駅前のマックで僕が鈴木に“バンドをやろう”って声をかけました。
鈴木
いつも幼馴染のメンバー4人で遊んでいたので、その時のノリみたいにふたつ返事でやろうってなりました。僕に声が掛かったから“じゃあ、あとはいつものふたりも誘うっしょ”って感じで笛木と末永を誘って。
笛木
それで、結成しました。誰も楽器を持ってないのにもかかわらず(笑)。
末永
今でも遊びの延長線上にあるみたいな感覚ですかね。
鈴木
4人の共通のツールが新たに増えたようなイメージで、結成当初は本当にぼんやりというか、ふわっとしていたんですけど、大きなステージで演奏するイメージはなぜかありました(笑)。
中久喜
“俺ら行けんじゃね?”みたいな得体の知れない自信だけはありましたね(笑)。

活動を続ける上で、何かバンドに変化はありましたか?

鈴木
特にこれといった変化もなく、今でも仲良く和気藹々とやってます。4人で遊んでばかりなのでよく“気持ち悪いくらい仲良いね”って言われますね(笑)。
中久喜
強いて言えば、オリジナルをやり出した頃からですかね? もともと、鈴木が書いた詞をよく見せてもらっていたのでスッと入れました。
笛木
鈴木が書いてきた曲をスタジオでみんなで合わせるといった手法に自然となって、その頃から自信が確証に変わった感じです。

2015年4月に、バンド名をこれまでの“Assembly Hall”から“君ノトナリ”に改名したということですが。

中久喜
“Assembly Hall”という名前は4人でよく遊んでいたマンションの“集会室”を英訳したもので、これまたノリで決めてしまっていたので、リリースを機に変えようと思ったんです。
鈴木
英語じゃ表現できない日本語の美しさにこだわってやってきたので、日本語の名前がいいなと思いました。
笛木
そこで鈴木の書いてくる曲に大体共通している“寄り添う”をテーマに、鈴木が考えてきました。
鈴木
例えばその中のひとつに“ソノヒグラシーの定理”っていうのがあったんですけど、今っぽいし、何よりも語感が好きで。アルバムには収録されてませんが、結局捨て切れずに曲のタイトルにしちゃいましたね。
中久喜
そんな中で一番しっくりきたというか、4人にすっと馴染んだのが“君ノトナリ”だったんです。

2015年12月6日にはThunder Snake ATSUGIにて初のワンマンライヴを行ないましたが、手応えは?

鈴木
まずはワンマンライヴを開催できて良かったと思っています。この歳でワンマンライヴをできたというのが自信につながりました。関わってくれた方々に感謝です。
中久喜
課題は山ほど見つかったんですけど、僕らのバンドが愛されていることを実感できて嬉しかったです。
笛木
楽しかったですし、より一層頑張らなきゃなっていう気持ちになりました。
末永
今出せる力を出し切りましたね。ゲネを何度もやったり、当日に向けての取り組みも成長につながったと思います。

また、ワンマンライヴ当日に今回リリースとなるミニアルバム『未完星ドラマチック』を会場限定で先行リリースしましたが、聴いた方からはどのような反響を受けていますか?

鈴木
意外と「夜間飛行」が一番好きって人がわりと多めです。ライヴでやったことのある曲や一度発売したCDの曲のアレンジとかに気が付いてくれる人もいて嬉しいですね。
中久喜
“あの曲がやっとウォークマンで聴ける!”って話しとかもちらほら聞きます!

そんなミニアルバムはいつ頃から制作の話が出ていたのですか?

中久喜
リリースの話をいただいたのが2015年の1月頃で、出すとしたらミニアルバムをっていう話でした。
鈴木
アルバムの曲目と曲順には悩みましたね。毎日のようにあーでもないこーでもないって意見を出し合ってました。
笛木
結果として自己紹介的なものにしようと思って、現在持っている曲の中で、カラーがより濃く、それでいて代表曲になり得る5曲を選びました。

“未完星ドラマチック”というタイトルの理由は?

中久喜
これまた鈴木がポンって出したタイトルで、楽曲を集約するいいタイトルだと思っています。
鈴木
輝いて見えるけど、まだ完成されていない。さらに輝ける“未完の星”という意味で付けました。
末永
これからもっと成長していきたいなぁと思っています。

リード曲「SUPER HERO!!」は、君ノトナリのエレクトロなロックサウンドをまさに示した楽曲だと思いました。

中久喜
実はこれ、アルバムの曲決めをしている段階で鈴木が急に持ってきて…何て言うか、滑り込みでした(笑)。
笛木
もともとは「Altair」をリード曲にしようってことで先行でレコーディングもしてMVまで撮っていたんですけど、「SUPER HERO!!」のデモを聴いた時にものすごいパワーというか、“これはいけるな”って自信を感じたんです。
末永
僕らはもちろんのこと、Thunder Snake ATSUGI 店長のであるレーベルの長島さんもこの曲を気に入ってくれて、あれよあれよという間にリード曲になりました。
鈴木
一番最初にデモを作った時はオートチューンをかけていない状態だったんですけど、好奇心で全編オートチューンをかけてコーラスもオートチューンかけてみようって思って歌を録り直したら上手くはまり、それからメンバーに聴かせてみました。脳内で自分が自分に語りかけてくるような…また、電脳世界っぽくしてみようってイメージもあったからだと思います。

「夜間飛行」はドラマチックさの中に哀愁を漂わせる、幅広い展開の楽曲ですね。

笛木
これも実は、レコーディング当日に鈴木が歌詞を突然全部書き換えてきたんですよ。
一同
(笑)。
中久喜
びっくりしながら歌詞カードに目をやると、もともとロマンチックな歌詞がさらに煌びやかで情景が浮かぶようになっていて、こっちの歌詞じゃないとダメだと思いましたね。
鈴木
メロディーが少し古めだったり、楽曲を通してレトロなイメージなので、自分が思うひと昔前の少年のロマンや、まだ青いドラマチックな幻想みたいなものを詰めました。わりと今でもあるんですけど、子供の頃の夜って、恐怖の中に得体の知れないワクワク感というか、無敵感というか、どこにでもいけるんじゃないかっていう感覚がぼんやりとあって、その胸が少し痒く、それでも温かい感覚を楽曲に閉じ込めてみたかったんです。

《突然襲い来る当たり前じゃない日》というフレーズから始まる「311号室」は、2011年3月11日の東日本大震災を彷彿させました。

鈴木
まさに、3.11について書きました。僕が震災後に何度か東北に足を運んでボランティア活動をした経験を活かして、どうにか自分の言葉で表現したいと思って書きました。“頑張れ”って言葉は時にすごく鋭利なもので残酷だったりして、東北の方々は復興に向けて十分頑張っているのに、被害を受けてない人たちから輪をかけるように“頑張れ”なんて言われたら、これ以上何を頑張ればいいのかと…。記憶が風化して震災の事実を忘れてしまうことがないように、応援ソングよりもありのまま感じたことを曲に込めましたね。

「きれいごと」「望郷」はスローテンポで繊細なバンドサウンドで、他の疾走感があってキャッチーな曲との幅の広さを感じました。

鈴木
僕が曲を作る時は、アコギでコードを弾きながら歌っていると自然と出てくるメロディーと歌詞があって、その作り方でしかできないもんだから数字的にってよりも体感でリズムが付くんですよね。僕の中で、その歌が一番気持ち良いテンポが確実にあるんです。だから、テンポは歌が自然とできたその状態がベストだと思うんで、デモを作る時に逆にメトロノームを合わせて、数字を見て初めて“あっ、こんなに速かったのか”とか思うことがあったりします。なので、テンポは曲が望んだ速さなのだと思っています。

出来上がってみて、どのような一枚になったと思いますか?

鈴木
先が開けた、これからの羅針盤になるような一枚になりました。4人の愛の結晶ですね。
一同
(笑)。
末永
君ノトナリというバンドを知ってもらうための最強の自己紹介です。リリース後はツアーだったりいろんなところに行って多くの人に曲を知っていただけたらいいなぁと思っています。これからも応援よろしくお願いします!
笛木
君ノトナリ入門編ですね。以前発売した楽曲などのアレンジにも注目して聴いてみてほしいです。
中久喜
課題も見つかりましたが、間違いなくいいアルバムになったと思います。自信も付きました。鈴木の書く楽曲が一番望んでいるアプローチをさらに磨き続けていきたいです。

中でも思い入れのある楽曲は?

鈴木
「Altar」ですね。この曲はMVを撮ったり、レコーディングでピアノを弾いたり、初めてのことに挑戦した一曲で、この曲を書いた後に軽いスランプに陥ったこともあって印象に一番残っています。

リリース後はどのような活動を予定していますか?

鈴木
たくさんの方々の寄り添えるような曲を書き続けていきたいと思っています。アルバムを聴いていただいて、感想などを聞かせてほしいです!
『未完星ドラマチック』
    • 『未完星ドラマチック』
    • LIR-1001
    • 2016.01.13
    • 1620円
君ノトナリ プロフィール

キミノトナリ:2011年に同級生4人で前身バンドを結成。13年6月、自主制作CD「コギト/meaning」を100枚限定で発売し、完売。この頃から地元、Thunder Snake ATSUGIにて定期的にライヴ活動を始める。その後も意欲的に楽曲制作/リリースを行なう。16年1月に待望のミニアルバム『未完星ドラマチック』を初の全国リリースした。

OKMusic編集部

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