L→R おとやん(Ba)、村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)

L→R おとやん(Ba)、村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)

【ORCALAND インタビュー】
全方位でグレードアップした
内容にしたかった

歌寄りの曲でも
Cメロでは変なことをやりたい(笑)

今作は一曲一曲でカラーが違うのでバラエティーに飛んだ作風になりましたね。そこが素晴らしいなと。

こーてぃん
作った曲の中には“いい曲だけど次に取っておこう”というものもありましたね。
大塚
歌詞もそうですけど、曲の色も被らないように気をつけました。初のミニアルバムなので自分たちを知ってくれている人に“おっ、一段階上がった!”と思われるような、全方位でグレードアップした内容にしたかったんです。今まではライヴの雰囲気をそのまま音源に落とし込むイメージだったけど、今回は人がスピーカーやイヤホンで聴いて、気持ち良いと思える音源を意識しました。

ギターの音色はまさにそうですよね。

村田
結構、ギター重視の作品になりましたね。めっちゃ弾いたので、バンドらしい作品になったんじゃないかと。僕は今年25歳なんですけど、ギターヒーローに憧れた最後の世代だと思うので、曲が長くなったとしてもリフやギターソロは入れたくて。

村田さんのギターヒーローとは?

村田
BON JOVIのリッチー・サンボラ、GUNS N' ROSESのスラッシュ、Red Hot Chili Peppersのジョン・フルシアンテ、L'Arc〜en〜Cielのkenとか。ただ、フレーズは彼(大塚)が考えることが多いんですよ。
大塚
俺がギターソロを考えることもありますね。
村田
曲のセクションで邦楽ロック感が強めだったり、自分のテイストが出ている感じですね。

楽曲ごとの話も訊きたいんですが、「Goodbye’20」は2020年を振り返った曲?

大塚
そうですね。アツいライヴをしたいけど、2020年は声出しもできなかったから。その中でも自分たちは活動していたし、それで今がありますからね。今後“こういう時代もあったね”というニュアンスで表現できたらいいなと。歌詞のメッセージ性は一番強いかもしれない。

《僕の音楽を君が歌えなくなっても/いつだって僕達はここで歌ってる》という歌詞もアツいですね。

大塚
声が出せなくても俺たちはずっとここでやっているから、好きな時に遊びに来てほしいなと。
村田
“コロナ禍でも前向きにやっていこうよ!”という気持ちを伝えたくて。

アレンジも凝っていて、聴き応えがあります。

大塚
活動初期から変わったことをやりたい気持ちがあるから、歌寄りの曲になってもCメロでは変なことをやりたいんですよね(笑)。そこが自分たちの味になればいいなと思っています。
村田
これでも癖のあるパートを減らしましたからね。メンバー以外の方の意見も取り入れたことも大きくて、いい塩梅になったと思います。
こーてぃん
ポップとギリギリ言い張れるような、可愛げのある仕上がりになりました(笑)。

「最近のこと」は裏声を含めて、歌の表現力も豊かですね。

大塚
初めて作ったバラードなので、いろんな味を歌で出したかったんですよ。
村田
僕はバラードが好きなので、ギターのフレーズはつけやすかったですね。
こーてぃん
ドラムはサビのロールで少しアクセントが違うし、それがうまくヴォーカルのメロディーと噛み合っているかなと。
おとやん
この曲はヴォーカルを立たせるためにベースは抑えめにしました。

「年上のお姉さん」ではベースソロを入れてますよね?

おとやん
パッと思いついて、レコーディング前日に作ったんですよ。ああいうベースソロは初めてでした。
大塚
アルバムだからできたことですね。

各曲でメンバー4人の個性が活きているし、それがこのバンドのオリジナリティーにつながっていると思います。

こーてぃん
そう言ってもらえると嬉しいですね。
おとやん
コンセプト作にもかかわらず曲のジャンルがバラバラだから、そこが面白いですね。

ラストに収録された「反省している」はシンガロングパートを入れたショート曲で、これもインパクトがありました。

大塚
ライヴでみんなと騒げる曲を作りたくて、「Goodbye’20」で《僕の音楽を君が歌えなくなっても》と歌っていても“一番やりたいことはこれだよね!”って。♪反省している~とみんなで歌えたら最高だなと。

そのフレーズを合唱するって、なかなかシュールですね。

大塚
そういうユーモアは絶対ハズしたくないんですよ。それを忌憚なく歌えるのがこのバンドの魅力かなと。

最後になりますが、バンドの夢や目標があれば?

大塚
自分たち主催のサーキットをやりたいんです。フェスはフェスで面白いけど、自分たちはコロナ禍でもライヴハウスでやってきたので、ライヴハウスを使って何か面白いことをやりたいと思っています。今まで出会った素晴らしいバンドもたくさんいるので、僕らを通して、そういうバンドを知ってほしいんです。自分たちが人気になればいいというより、周りのカッコ良いバンドも一緒に盛り上げられるようなバンドになって、自分たちのシーンを大きくしたいから。そう考えると、サーキットが一番面白いのかなと。

取材:荒金良介

ミニアルバム『Travel Notes』2022年10月26日発売 No Big Deal Records
    • NBPC-102
    • ¥1,980(税込)
ORCALAND プロフィール

オルカランド:耳に残る歌詞と一度見たら忘れられない情熱的なライヴパフォーマンスを武器に知名度を上げている。特に結成の地・下北沢で行なわれるサーキットイベントでは毎回入場規制になるなど、今、下北沢でもっとも注目されているバンドの筆頭。2021~22年にかけて開催された『No Big Deal Records 10th Anniversary Audition』でグランプリを獲得。23年1月から12カ月連続ライヴ企画『ジントリ』を開催し、大きな話題となった。ORCALAND オフィシャルHP

ミニアルバム『Travel Notes』
全曲Trailer

「Journey」MV

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」