【スーパーアイラブユー
インタビュー】
自分にとってのロックは
一番楽しい嘘であり、一番優しい嘘
ハナメガネ(Ba)、ライオネル・リオッチー(Key)の正式加入を経て、昨年より4人体制となったスーパーアイラブユーが1stアルバム『WE ARE BEAUTIFUL DREAMERS』を完成させた。今作で挑戦した新しい試みや、バンドに変わらずあるものについて、オリジナルメンバーであるかたかいとしゆき(Vo&Gu)、シーコフォーエバー(Dr)にインタビュー。
今がバンドをやってて
一番楽しいっていう状態で
アルバムを出したかった
もともと2011年にかたかいさんがスーパーアイラブユーという名前でソロ活動をしていたそうですが、当時からバンドでやりたいというお気持ちがあったんですか?
かたかい
そうですね。最初は別のバンドをやっていたんですけど、それが動けなくなって、ひとりでも何かをやろうと思って始めたのがスーパーアイラブユーでした。そこから一緒にやりたいって言ってくれるメンバーが集まってきた感じです。
初のフルアルバム『WE ARE BEAUTIFUL DREAMERS』は、現体制になってから1年足らずでのリリースということで、バンドの雰囲気にも変化があったんじゃないかと。
シーコ
ライオネルとハナメガネくんが正式加入したのは去年なんですけど、ふたりともサポートの期間が長かったので、雰囲気はすんなり受け入れられました。これまでにもメンバーチェンジはたくさんあったけど、結果的には今が一番いい気がしています。
かたかい
そうだね。今がバンドをやっていて一番楽しいっていう状態でアルバムを出したいっていうのはありました。
サポートから正式加入になるきっかけは何かあったんですか?
シーコ
ベースはいろんな方にサポートで入ってもらっていたんですけど、ハナメガネくんはバンドで必要なノリとか、性格的にも合う部分がたくさんあったんです。それで正式メンバーに誘ったんですけど、そのタイミングでちょうどギターが抜けてしまって。
かたかい
“ギター抜けちゃうけどやってくれる?”って話をしたら入ってくれて、それから3人ですぐに制作したのが2018年6月リリースのEP『BABY BABY BABY EP』でした。
それは“メンバーが抜けても止まっちゃいけない”みたいな想いもあって?
シーコ
あったと思います。それまでは新曲があまりできていなかったり、伸び悩んでいる時期でもあったんですよね。だからこれを機にどんどん活動する方向にいくぞっていう気持ちでした。
逆に火が付いたというか、腹を括る機会になったんですね。今作はそんな前作EPを経て、ライオネルさんも加入した4人でのアルバムですが、初めて音源化する楽曲が多いとのことで。
かたかい
今は昔の曲よりも新曲をいっぱいやりたいっていう気持ちの方が大きくて、前から種があった曲もあるんですけど、新体制になって完成したものが多いです。
タイトルもそうですが、ポジティブなパワーにあふれていて日常を愛したくなる一枚でした。1曲目の「エニーデイナウ」からは“変わろう”という気持ちが伝わってきて、バンドの状態にもリンクしているのかなと。
かたかい
この曲はUK/USのインディーロックとか、ガレージっぽいサウンドにしたいなっていうのがあって。特に今までのスーパーアイラブユーにはないテイストになりました。これまでのスーパーアイラブユーって歌ものとか、パンクっぽいイメージだったと思うんですけど、最近はジャンル関係なく、やりたい音楽をやりたいって気持ちが特に強くなっています。
「ビューティフルドリーマーズ」の《夢を見たのさ 僕の好きなバンドを君も好きって言ってた》ってフレーズがすごくリアルに感じて。好きなものが合うと一気に距離感が縮まるし、そうだといいなって想像することってありますよね。
かたかい
僕の頭の中に10年くらい前からあった曲なんですよ。前はパンクっぽいバンドをやっていたからポップすぎてできなくて、やっとかたちにできました。当時から僕はおとぎ話ってバンドが好きで、中学の頃の教室で隣の席の子に“私もおとぎ話が好きなんだ”って言われる夢を見て書いたんです。
実体験だったんですね! 今作のリリースにあたって本格的にかたちにしていったんですか?
かたかい
はい。バンドに女の子がいる編成になれたのも大きくて、このタイミングで完成させました。
さっきお話に出た通り、今作にはポップな曲もあればロック、パンク、ガレージっぽい曲もあって、ジャンルはバラバラなんですけど、女性ヴォーカルとキーボードがいる編成でプレイすることで一貫性が出ていて、以前からこの編成でやりたいっていう想いがあったのかなと。
かたかい
キーボードはずっと入れたいと思っていたし、これを言ったら“何を言ってるんだ”って思われるかもしれないけど…ガールズバンドがやりたかったんですよ(笑)。そのくらい女性ヴォーカルが好きだから、それがメインに出る曲をやりたいっていうのはありました。今回はシーコちゃんががっつり歌っている曲もあって、新しい一面が出せてます。
シーコ
レコーディングしてみたら予想より歌うパートが多くなってました(笑)。もともと私も男女混合ヴォーカルのバンドが好きだったので楽しかったです。