山の中にある美容院だけど オシャレ
・シティにいる感覚になる音楽
ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
今回は、「山の中にある美容院だけど オシャレ・シティにいる感覚になる音楽」です。人寂しい山里に佇む美容院。でも、音楽も技術も最高峰なんです!そんな美容院に似合う音楽をどうぞ。
1.「Searching」/Roy Ayers
片田舎の美容院でこんな曲が流れてたら、表参道よりもイケてるんじゃぁないかしら。
実は今、一番最先端の美容師の人たちはもう気付き始めてるんですね、地方の埋もれた田舎の良さを。自分たちが一番心地よいと思う環境を再発見し、その中で美を発信しているのです。それこそまさにレア・グルーヴじゃないでしょうか!(ほんまかいな?!)
(選曲・文/阪口マサコ
2.「Moment Scale」/Silent Poets
山の中では森の中の美しい避暑地であったり、海辺ではキラキラ光る砂浜が見渡せる場所にあったり。
サイレント・ポエッツの「モーメント・スケール」は、1995年のコンピレーション・アルバム「カフェ・デル・マールvol.2」に収録された1曲です。カフェ・デル・マールとは、スペインの有名なリゾート地イビザ島にある人気のカフェです。カフェから見える日没の風景が美しく、ヨーロッパから最先端の若者が集まることでも有名です。またDJがかける音楽がリラックスできるチル・アウト・ミュージックとしてとても人気が出たことから、1994年頃より多くのコンピレーション・アルバムが発売されていて、オシャレな人たちの間では人気のシリーズです。20年前のその「vol.2」に早くも日本人の2人組サイレント・ポエッツの曲が収録されたのは、クール・ジャパンの“はしり”と言ってもいいのではないでしょうか。表参道というよりもイビザ島!?
心地よい風景と心地よい音楽の中で美しく変身したいものですね。
(選曲・文/阪口マサコ)
3.「La Bossa-Nova de notre amour」
/Dany Doriz
まず、響くオルガンをバックに軽やかに跳ねるピアノが映えるイントロから素晴らしい。そして朗らかな女性スキャットと涼しげな音色のヴァイヴが織りなす、ジャズ・ボッサの幻想的な世界。何とおしゃれなことよ。華やかなだけではなく、ほんのり哀愁味があるメロディーがポイントです。
表参道とはこれまで縁のなかった私。おしゃれ=フランスだろう、と単細胞な発想で捻り出してみました。
こんな曲が床屋(美容院?無理無理)で流れてきた日には、自分は裸足で逃げ出すこと請け合い。さぁ、この曲で攻めるべし。少しヴォリューム抑え目で流すとグーじゃないかな。
※ダニー・ドリスはフランス出身ヴィブラフォン奏者。この曲は2011年にCD再発された『ダニー・ドリス』(1969年作)に収録されています。
(選曲・文/GAOHEWGII)
4.「Hero」/Mariah Carey
というわけで最新のトレンドとも周りの風景とも違うシチュエーションの定番曲。選ぶとしたら日本より海外の方がより異世界感を出せるでしょうか。出来れば女性ボーカル、R&B方向。となると一番スタンダードになるのが日本でも古くから人気のMariah Carey。楽曲は"Hero"。発表は1993年。世界中でヒットした超有名曲で、日本でも中山美穂がドラマ主題歌でカバーしているナンバー。確かにこれが本当に表参道で流れてたら今更どころの話ではないですが、北関東の山の中辺りなら何とかなりそうな気も、しないではないような。
(選曲・文/Kersee)
5.「71億のパズルピース」/チャラン
・ポ・ランタン
ご紹介するのは、日本の姉妹ユニット チャラン・ポ・ランタンの「71億のパズルピース」です。アコーディオンの音色に乗せて奏でられる音楽は、どこか物哀しさも感じられ、聴く人の心を惹きつけます。カナダ・アメリカツアーやフジロックフェスティバル出演など、活動の場を日本だけでなく、世界規模で展開する2人組。
世界中のファッショニスタを虜にする美容院ならば、流す音楽も世界に引けを取らないけど、個性的なものがピッタリです。
(選曲・文/石井由紀子)
著者:ミュージックソムリエ協会