疲れたら休もうよ。田舎でロハス生活
したくなる曲

ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聞きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマ
で、ふっと聞きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ (http://musicsommelier.jp) によるもの。
今回は「疲れたら休もうよ。田舎でロハス生活したくなる曲」です。あぁ、忙しい。本当に忙しい!でも、年明けてから1ヶ月しか経ってないのね・・・なんて思ったら、いったん田舎でロハス生活をしてみるのも、良いかもしれません。鳥のさえずりに目覚め、夕焼けの美しさで1日の終わりを感じる。のんびり生活に似合う曲を集めました。

1.「Only Time」/Enya

仕事は大好き!休みの日は趣味に没頭したり、時には友達と朝までカラオケ。いっぱい笑ってストレス発散!毎日充実していて楽しい!!それなのに何故かため息がこぼれる。そんな事はありませんか?がんばり屋さんほど、自分のストレスに気づきにくい。肩こりの酷すぎる人は、肩がこっている事にすら気づかなくなるのだそう。そんな時に深呼吸をする事を思い出させてくれるのがenyaの深く澄みわたる歌声。
彼女の生まれ育ったアイルランド、ケルト文化は多くの小説や映画に影響を与えた神話、妖精伝説を生み出し、実際にハーブや樹木で治療をする賢者が存在していました。妖精が頬にキスをするように優しく、肩の力を抜き自然に生きる事を気づかせる。人生は力づくで前へ進める事の出来る様な物ではない。どうなって行くかなんて…who knows? only time.そう、時間だけが知っているのだから。
(選曲・文/和久井 直生子)

2.「At the Starcamp」/UQiYO

そもそも「ロハス(LOHAS)」とは「Lifestyles of Health and Sustainability」の頭文字を取ったもので、「健康で継続可能なライフスタイル」を指すものなんですって。なんだか分かったような分からんような・・・といった感じですが、とにかく現代のライフスタイルを全て否定する訳ではないようです。
ご紹介するアーティスト、UQiYO(”ウキヨ” と読む)は、エレクトロにピアノやギターなどの生音が、実にキレイに絡み合うバンドです。まるで、羊毛フェルトのような暖かみがあるエレクトロ音楽、と言った感じです。生音だけではもの足りないけれど、エレクトロだけの音楽では暖かみは出てこない。双方が上手く響き合うからこそ、心地良い音楽が生まれるのでしょう。
テクノロジー全てを否定するのではなく、必要なところは上手く利用しながら、心地よい生活を過ごす。なんだかロハスな生活って、UQiYOの音楽と重なるところがあるなと思うのです。
(選曲・文/石井 由紀子)

3.「海を見ていた午後」/荒井由実

1974年に荒井由実が発表した名盤『MISSLIM』に収録されている1曲です。
この曲は横浜・根岸にあるカフェ『ドルフィン』が舞台ですので、必ずしも今回のテーマに合っているのかどうか分からない部分もあります。ですが、「海沿いの町でのどかに余生を過ごしたい」そう思った時に自然と思い浮かぶ楽曲でもあるように思うのです。
「ソーダ水の中を貨物船が通る」穏やかで綺麗な海を連想させるには、最適のフレーズ。曲の雰囲気も実に静かなもので、時が流れていることを忘れてしまいそうになります。
忙しい日常とは全く違う感覚を味わうことが出来る一曲、皆さんも味わってみてください。
(選曲・文/柏井 要一)

4.「Life in Northern Town」/Dream
Academy

「北の町ではもう、悲しみを暖炉で燃やし始めてるらしい~」は森進一の歌ですが、「北の町」と聞くだけで、寒い田舎の小さな町で人々が寄り添い合って暮らすイメージが浮かびます。英国のロック・バンド、ドリーム・アカデミーの1985年の大ヒット曲「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン」も北の小さな町の暮らしについて歌っています。詞の中では町に“彼”がやってきた日のことが描かれています。小さな町では、見知らぬ誰かが訪ねてきただけでも大事件になるんですね。そんなことに閉塞感を抱いて都会に出てきたけれど、隣の住人の顔さえも知らない都会の暮らしの孤独と緊張に疲れて、ようやく田舎の人々の温かさに気づくのです。動画の牧歌的な風景も田舎への郷愁を誘いますね。
(選曲・文/阪口マサコ)

5.「湘南が遠くなっていく」/七尾旅人

湘南は、なぜロハスな雰囲気が似合うのでしょうか?しかも、雑誌に出てくるオシャレなロハス。海があるという点では同じはずなのに、こうも違うとは・・・と千葉県出身者はボヤきたくなるものです。
波音やスローなテンポが、海辺の黄昏どきをイメージさせてくれる、七尾旅人の「湘南が遠くなっていく」。恋愛の歌ですが、湘南あたりの海に近い家で、蚊取り線香と共にキャンドルに灯をともしながら、日没を待っているような気持ちになります。
電車で1時間もあれば都会にも行ける立地の良さにも関わらず、ゆったりとした時間が過ごせる湘南は、とても贅沢な場所ですね。
ちなみに、この曲はフジテレビ系列で放送された人気番組「テラスハウス」で、最終回のBGMに
使用されたことでも、注目を集めた曲です。
(選曲・文/石井 由紀子)

6.「The Byrds」/Truck Stop Girl

フォーク・ロック流行の口火を切り、サイケデリックな方向に進んだ後、カントリーミュージックとロックの融合を成し遂げたアメリカロック史の重要バンド。サマーオブラブの幻想も消えかかった1970年に発表した作品は、彼らのルーツに根差した、温もりにあふれたノスタルジックな異世界に、強力掃除機によって突然吸い込まれるような音楽体験を味わえます。かけた瞬間にその世界に引き込まれる名作です。
アメリカ大陸10都市を回るトラック野郎を歌ったこの曲は、大地を地平線の彼方へドライブする姿を妄想して、心を解放できるような曲です。アメリカンロック最良の時代の記録でありながら、語られる事の非常に少ない埋もれた名盤。時代を超えて人の心を動かすこの作品をぜひ多くの方に聞いて頂きたいです。
(選曲・文/田中孝典)

7.「ふるさと」/五木ひろし

仕事も恋愛も頑張りすぎちゃったな。なにもかもうまく行かない。そんな時にこの楽曲が耳に入って来たら…。作詞山口洋子、作曲平尾昌晃と言う、いくつもの名曲を産んだコンビの作品。
五木ひろしの歌う故郷の情景や心情を『あー誰にも 故郷がある 故郷がある』と女性コーラスと共に聞かせるサビ部分で、聞く人1人1人の心に染み渡らせる。思い出そうとしなくても、すぐによみがえる故郷の景色。のんびりとした時間の流れ。田舎でハーブや野菜を育てながら自然と共に生きて行くのも良いかなと思わせる。
ちなみに、違う名で1965年にデビューしたが、全く売れる事のなかった彼。芸名を五木ひろしと変え再デビューし1曲目からヒットとなった「よこはま・たそがれ」も山口洋子、平尾昌晃のコンビによるもの。五木ひろしと言う芸名は山口洋子により『いいツキをヒロおう』と言う意味も含めて付けられたものなのです。
(選曲・文/和久井 直生子)

7.「田園」/ベートーベン

ベートーベン作曲、交響曲第6番より第1楽章。誰もが知っている、誰もが連想する?1曲。第1楽章には、副題が添えられてて、「田舎(田園)での心地よい目覚め」とつけられています。楽器で鳥の声を擬似音化されていながらも、わざとらしさを感じない美しいメロディーになっています。爽やかな風を感じる、マイナスイオンをたっぷり感じますネ!
(選曲・文/堀川将史)

編集:鈴木 健士
editor:鈴木 健士
出典:ミュージックソムリエ協会staff blog
ミュージックソムリエ養成講座

著者:ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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