ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
今回は、「インドカレー屋に似合う音楽」をセレクトしました。チキンバターに、マトンやキーマ・・・。本場のインドカレーを楽しめるお店が、日本にもたくさん出来ています。インド映画やインドでヒットしている曲を聴きながら、ナンを頬張るのも良いですが、他にもインドカレー屋さんに似合う曲もあるはず。お正月モードも吹っ飛ばすような5曲をどうぞ。

1.「Govinda」/Kula Shaker

インド音楽に影響を受けている…といえば、やはりクーラ・シェイカー。ヴォーカルのクリスピアン・ミルズはイケメン王子様のような恵まれたルックスの持ち主なのですが、私が学生時代に聴いていた頃は友達のカーステレオで音を聴いていただけだったので、どんな風貌のバンドなのかは知らないままでいました。しかし、数年前のフジロックで初めてライブを観て、このエキゾチックな音楽を演っている人がこんな白人貴公子だったとは!と、ひどくギャップ萌えしたものです(笑)。
60年代サイケデリックロックの匂いがしますが、1996年の11月にリリースされた曲で、当時バンドメンバーも20代だったと思われます。
インド古典音楽に使われる弦楽器「タンブーラ」の演奏やサンスクリット語で歌われている歌詞など、間違いなくインドカレー屋さんにぴったりな要素満載の1曲です。
(選曲・文/高原千紘)

2.「Traces Of You ft. Nora Jones」/
Anoushka Shankar

ラヴィ・シャンカルは、1960年代ロックやジャズ界にも幅広く影響を与えた有名なシタール奏者です。また、ジョージ・ハリスンのシタールの師でもあります。
そして、その娘のアヌーシュカ・シャンカルも現在シタール奏者として活躍中です。彼女の2013年に発売されたアルバム「Traces Of You」からタイトル曲で。歌っているジャズ歌手のノラ・ジョーンズも、実はラヴィ・シャンカルの娘。なので、この曲は異母姉妹の共演となるわけです。シタールの音色とノラ・ジョーンズのヴォーカルがとても合っていて、心地よく響きます。やっぱりインドカレー屋にはシタールの音は欠かせませんね。
(選曲・文/阪口マサコ)

3.「ヤング ソウル ダイナマイト」/ウ
ルフルズ

インドカレーとは直接関係ないのですが、ウルフルズのメンバーがかつて大阪のインド風喫茶店で働いていたというエピソードから思い浮かんだのと、このMVの極彩色がサイケデリックな雰囲気を醸し出していて、店内に流れていても似合いそうと思いチョイスしました。
1999年10月にリリースされたシングルで、時期的にはちょうどベースのジョン.B.チョッパーが脱退した後、程なくしてリリースされた曲です。
欲望渦巻く妖しげな町を思わせるこのMVの舞台は(インドではなく)タイ。監督の竹内鉄郎氏は、脱退による穴が想像以上に大きく、一種のスランプ状態に陥ってしまっていたメンバーを見て「とにかく爆発させたかった」らしいのです。
セクシー&ファンキーなグルーヴについついナンを頬張るテンポも速くなりそう…。
スパイスの効いたインドカレーにじっとり汗をにじませながら、どうぞご堪能あれ。
(選曲・文/高原千紘)

4.「Heart Full Of Soul」/THE Yardb
irds

初めて入るインド・カレー屋に於いての最大の悩み。そう、それはどの辛さで勝負すべきなのか、ということ。本場インドでも地方によって辛さのレベルが異なるという前提に加え、日本側に寄ってマイルドにしてくれるお店も多い。ここのお店はどのレベルなのだろう?辛いのは好きだけれども、手に負えなかった時、汗だらだらで味わう敗北感たるや。
そんな時、勇気をくれるのがこの曲。三大ギタリストが代わる代わる参加していたことで知られるヤードバーズ。この曲はジェフ・ベック在籍時に録音されたもので65年にシングル・カットされました。
冒頭、ジェフ・ベックによるエレキ・ギターが、ラーガ調のメロディーを情熱的に掻き鳴らし、あなたの心を(インドっぽく)激しく鼓舞。そして、続くシリアスなヴォーカルと雄々しいコーラスが、ハードボイルドな気分に盛り上げてくれることでしょう。「スパイスに対する冒険心を忘れては駄目だ。」こうなったら頼むしかないのだ。その一番辛いやつを。
(選曲・文/旧一呉太良)

5.「ソレデモシタイ」/平井 堅

最後に、2014年に話題になった、この作品を。ミュージッククリップが、平井堅のビジュアルを
最大限に活かし、インド映画チックに作られた「ソレデモシタイ」。そのルックスがハマりすぎていて
音楽番組だけではなく、朝の情報番組の芸能コーナーなどでも紹介されるなど、大きな話題になりました。この曲、なんと、ミュージッククリップありきで作成したそうです。
恋愛の歌を官能的に歌い上げる平井堅ですが、今回の曲でも禁断の愛を歌い尽くします。でも、インド映画のような雰囲気が散りばめられていて、情念的で濃い感じがします。平井堅の濃い顔立ちと同様に、想いと恨みが積み重なった濃厚な曲。お店でバターチキンなど、コッテリしたカレーを食べながら、ミュージッククリップを眺めていたい。そんな気持ちにさせてくれます。
(選曲・文/Kersee)

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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