気になるワードでディグる! 〇〇なMV

気になるワードでディグる! 〇〇なMV

今までのアイデアを
供養した星野 源や
過去作の振付けを取り入れた
三浦大知など
セルフオマージュが印象的なMV

MVを観ていて“あれ、このシーンどこかで見たことあるなぁ”と思ったことはありませんか? 今回は過去作のMVのシーンやアイテムが再登場するセルフオマージュ作品を5本ピックアップしました。活動の節目を迎えたアーティストが制作することも多いので、懐かしさだけでなく新しい一面も見つかるかもしれません。

「THIS IS HOW WE ROCK」(’16)
/SPYAIR

SPYAIRが2016年にリリースしたシングル「THIS IS HOW WE ROCK」のMVは、デビューシングル「LIAR」のMVと同じく伊豆大島で撮影され、再び斉藤 渉が監督を務めている。ドローンを用いての撮影で、メンバーが力強く歩みを進める様子や、高所からとらえた島の風景など、スケール感の大きい作品に。メンバーの周囲をうごめく龍や、リズムに合わせたエフェクトなど、CGを駆使していた「LIAR」とはまた違った趣のある映像だが、デビュー前にMOMIKEN(Ba)が着用していたガスマスクが映る冒頭のシーンや、かつて在籍したENZEL☆(DJ)が空に投げたコインをIKE(Vo)が受け継いで拾う様子など、2作の世界観がリンクしている部分にも注目して、両映像を観比べて楽しんでほしい。

「アイデア」(’18)/星野 源

12月19日にニューアルバム『POP VIRUS』をリリースすることを発表した星野 源から、“今までのアイデアの供養と新たな再生”をテーマにしたMVをご紹介。据え置きのカメラで多方面から撮影した映像となっており、かつて星野が在籍したSAKEROCKの「Emerald Music」を思わせるマリンバの画からスタート! アルバム『YELLOW DANCER』の赤、シングル「恋」の黄、シングル「Family Song」のピンク、シングル「ドラえもん」の青など、過去作のジャケ写カラーをバックに喪服姿の星野が次々と移動する姿は、彼を取り巻く環境が目まぐるしく変化していった様子にもうかがえる。MVでは楽曲との差別化のために弾き語りシーンを挿入した他、全制作スタッフの名前を初めてエンドロールで流したりと、細やかな工夫も盛りだくさんな一本だ。

「unfairly」(’18)/CASCADE

今年結成25周年のアニバーサリーイヤーを迎えたことを記念して、セルフカバーベストアルバム『VIVA NICE TASTE』をリリースしたCASCADE。本作に収録されている新曲「unfairly」のMVは、1998年に発表されたシングル「cuckoo」の世界観を彷彿させるシーンが印象的。無地の背景でメンバーが演奏している姿や、TAMA(Vo)が足を投げ出して座っている姿勢とその隣にいる女性など、既視感を感じた方も多いのでは? 他にも「SOS ROMANTIC」のMVに出てくるバンドの名前をあしらった“CASCADE缶”や、「S.O.S ロマンティック」に登場する電球を使った演出など、節目を迎えた彼らの歩みをこの一本を通して振り返ることができる。

「WWDBEST」(’16)/でんぱ組.inc

メンバーの夢眠ねむがグループ卒業と芸能界引退を発表したことも記憶に新しいでんぱ組.incから、元メンバーの最上もがが脱退する前に公開された「WWDBEST」のMVをピックアップ。2016年にリリースされたベスト盤のタイトルにもなっているこの曲は総勢11名の作家によって制作され、MVも過去作に携わった監督6名の合作というなんとも規格外な作品だ。各監督がそれぞれ各メンバーのシーンを担当し、過去のMVシーンを中心に構成されていて、「アキハバライフ♪」で登場した秋葉原の空撮映像や、「W.W.D」で登場した“でんぱパトス”と全員が指をあわせるシーンなどファンにはたまらない作品だ。

「DIVE!」(’18)/三浦大知

2018年3月にリリースされた自身初のベスト盤『BEST』に収録されている「DIVE!」のMVは、これまで三浦大知が作り上げてきた全シングルのオマージュを振付けにも取り入れた、ひと時も目が離せない作品! 「Turn Off The Light」を彷彿とさせる水しぶきを上げながらのパフォーマンスや、「Lullaby」での椅子を使ったダンスなどの象徴的なシーンはもちろん、シングル「Cry & Fight」や「Anchor」のMVで見られる微細な指の動きも再現されており、その細かい演出に思わず唸るほどの完成度だ。また自身の作品だけでなく、冒頭では三浦が衝撃を受けたと語るMichael Jacksonの「Black Or White」での空から地上へと降りていくシーンをオマージュしており、まさに今の三浦を構成する映像に仕上がっている。

TEXT:鈴木 瞬

OKMusic編集部

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