孤独を描くSuperflyや、
モノクロームな世界観を表現した
Plastic Treeなど
砂漠&砂丘で撮影しているMV

今回は砂漠や砂丘を舞台としているMVを5本ピックアップ。“熱い場所”というイメージがある砂漠ですが、広々とした景色で虚無感を表現したり、開放的な映像に仕上げたりと、さまざまな想いが込められています。アーティストごとの意図も併せてチェックしてみるのも面白いのでは?

「My Best Of My Life」('11)
/Superfly

青い夜空が広がる中田島砂丘に登場するのは、越智志帆とグランドピアノ、そして撮影機材という斬新な画がインパクトを残す。砂丘を舞台とすることで、楽曲で描かれているのが“ひとりの孤独な女性”であることが強調されている。夜が明けを迎え、ひとりだった越智がレンズ越しでは森林で歌っているように映し出され、ところどころで出てくる蝶は、砂丘を抜け出してどこまでも行けるという彼女の心を表しているようだ。ラストの新しい場所へと歩いて行く後ろ姿の逞しさも目に焼き付く。

「アルケミスト」('12)/ACIDMAN

楽曲のモチーフとなった小説『アルケミスト』の舞台である北アフリカのモロッコで撮影。どこまでも広がるサハラ砂漠や、城壁で囲まれた要寒村“アイト・ベン・ハッドゥ”の景色が美しく映し出されるが、セピア色に染まったカットで映し出される住民たちは無表情。そんな街でひとりの少年が大切そうに持っている石が光を放つと、セピア色だった街が色付き始め、人々が笑顔になっていく。その石は彼の信念であり、“意志”という意味も込められているように感じる展開が印象的で、どんな時も自分自身を信じて歩むことの大切さを教えてくれる。

「虹」('13)/SPYAIR

砂漠での演奏シーンで構成されたシンプルなMVだけに、楽曲とIKEの歌声をより一層引き立たせる。中でもサビで披露されるIKEの叫びにも似たハイトーンが、砂漠の広大な景色も相まってどこまでも伸びていくように描かれているのが印象深い。タイトルの通りに空には虹が広がり、世界の広さと同時に自分ひとりの小ささも感じられる映像が《叫んだって 届かぬ世界で ありがとう。って言える人を探してた》という歌詞と重なり、自分を鼓舞する力強さが受け取れる。

「星のすみか」('11)/藍坊主

真っ黒なガウンを着た主人公が杖を突きながら当てもなく砂漠を歩き続け、倒れてしまった時に見つけた大きな穴を覗くと、そこには演奏を繰り広げる藍坊主の姿が。水も緑も、他に人もいない景色の中を彷徨う様子は絶望にも似た感情を受け取れたが、やがて楽曲の歌詞が光となって地上に浮かび上がっていき、主人公はあるひと文字を手に取る。どんな現実のさなかでも藍坊主の楽曲が光を灯してくれるというメッセージと、画面いっぱいに映るhossy(Vo)の気迫のこもった表情にも歩き続ける勇気がもらえるだろう。

「遠国」('18)/Plastic Tree

砂丘を舞台にしたMVは広々とした景色を存分に映し出すイメージがあるが、こちらは全編をひとつのカメラで一発撮り。メンバーそれぞれが全身に風を受けながらも、立ち位置を変えずに演奏を続けることで、ひとつの絵のような仕上がりに。2018年の公開当時に使用していたアーティスト写真と同じ衣装だが、MVでは色が白ではなく黒になっており、荒涼とした光景がバンドのモノクロームを基調とした世界観に結び付けているように思える。

TEXT:小町碧音

OKMusic編集部

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