器用にダンスするPerfumeや、
パイ投げにも挑戦する
ヒカキン & セイキンなど
逆再生で作られたMV

これまでにワンカット撮影や、爆発を取り入れたMVなど、さまざまな演出のMVを紹介してきましたが、今回は“逆再生で作られたMV”を5本ピックアップ。ダンスも歌唱シーンも全て真逆な動きをするわけだから相当な労力がいるのに、それを感じさせないアーティストのプロフェッショナルにもあっぱれです!

「リグレット」(’14)/sumika

『野村証券』のCMで坂口健太郎と共演している女優でモデルの阿久津ゆりえを主人公に起用した、バンド初のMV。悲しげな表情を見せる主人公を逆再生することで、“悲しみのあとにどんな展開が待っているのか”“なぜ悲しんでいるのか”が全編を観終わったあとにつながる。逆再生と言っても単純に早戻し感があるわけではなく、ひとコマずつ表情が変わっていく様子をフォーカスしているので臨場感もたっぷり。揺れ動く心を表す疾走感のある楽曲と、別れた恋人への想いを歌った歌詞も相まって、今にも泣き出しそうな主人公の切なくも美しい表情をじっくり堪能してほしい。

「Typical」(’09)/Mutemath

2008年のグラミー最優秀短編ミュージック・ビデオ賞にノミネートされたこのMVは、Mutemathを一躍有名にした作品のひとつ。演奏シーンを含む逆再生にもかかわらず不自然さがなく、脱ぎ捨てた服はまるで自らおびき寄せているようにも観えるスタイリッシュさ。冒頭のセットは何をして散らかっていたのかが徐々に紐解かれていき、床に落ちたガーランドライトがこっそり回収されている場面など、随所にあるコミカルさも楽しめる。メンバー4人が連続で披露する軽やかなジャンプはお手のもの! 歌うタイミングひとつとってもかなり緻密に作られているのに、自由に遊んでいる風に仕上がっているのが一番すごい。

「The Scientist」(’11)/Coldplay

クリス・マーティン(Vo)が道端で横たわる場面から、徐々に過去へと遡ってく短編ドラマのような作品。お店が並ぶ道に出たり、バスケを楽しむ男性たちを横切ったりと、平和な街をゆっくりと歩いていくが、森に到着したあたりから衝撃的な事実を目の当たりにすることとなる…。思えば、何らかの出来事が起きてから過去へと遡っていくこの流れは推理ドラマにも似ていて、ひと通りのストーリーを知ってからはクリスの表情や動きの観え方も変わってくるだろう。どこか空しそうな表情や、あてもなく歩いている姿に一体どんな気持ちを抱えているのか。思わず繰り返し再生してしまうこと間違いなし!

「今」(’18)/ヒカキン & セイキン

人気YouTuberで兄弟のヒカキンとセイキンが3rdシングルとしてリリースしたこの曲は、EDMを軸にしつつ尺八や三味線などの和楽器を取り入れ、“日本での今を大切に”というメッセージを込めた応援ソング。実際の幼少期の写真にふたりが入り込んだり、倒れた花瓶を元に戻したりと、面白おかしく時間軸を操りながら、サビでは《目に映るこの瞬間 二度と戻らない時間》と“今”を歌うシーンが印象的。終盤は思いっ切りパイ投げされた上に紙吹雪まで食らったふたりが突如現れ、ワンカット&逆再生できれいな姿に戻っていく場面も観どころのひとつ。クールにキメながらも身体を張った姿に注目!

「Magic of Love」(’13)/Perfume

J-POP女性グループ初の『The Coachella Valley Music and Arts Festival 2019』出演でも話題となったPerfumeの逆再生MVは、一瞬逆再生であることが分からないくらいの完成度! カラフルなセットに合わせた衣装とCGを使ったからくりだけでも観応え十分な作品だが、完璧な逆再生ダンスで注目されたシーンは2分25秒あたりから。キレキレの振付けといい、活き活きとした表情といい、普通のダンスシーンさながらのパフォーマンスを披露している。床から舞い上がる紙吹雪を見ると、しっかりと逆再生であることが分かるようになっており、遊び心あふれる演出と、世界中からリスペクトされる3人の実力を目の当たりにできる名シーンだ。

TEXT:千々和香苗

OKMusic編集部

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