【irienchy×Bentham 対談】
irienchyの新たなる挑戦!
対バン相手は憧れのBentham
irienchyが8月末から9月半ばにかけて『irienchy夏の終わりのミニツアー2023 〜What a wonderful house!〜』を開催中だ。OKMusicでは9月16日に行なわれる東京・渋谷Spotify O-Crestでのファイナル公演に向けて、対バン相手のBenthamとの対談取材を実施。irienchyからは宮原 颯(Vo&Gu)と本多響平(Dr&Cho)、Benthamからはオゼキタツヤ(Vo&Gu)と須田原生(Gu&Cho)を迎え、両者の出会い、2バンドの魅力や共通点などについて、たっぷりと語ってもらった。
ずっと前から誘いたかったけど、
ぶっちゃけ当時はまだ自信がなかった
知り合った時期など、両者の接点から聞かせてください。
宮原
出会ったのはいつになるんだろう? かなり昔ですよね? 僕らがまだMOSHIMO(宮原と本多が2020年1月まで在籍していたバンド)の頃。
オゼキ
BenthamとMOSHIMO、お互いのバンドが本格的に露出し始めたあたりだと思うよ。
本多
初めてお会いしたのはBenthamの赤坂BLITZワンマン(2017年10月21日)を観に行かせてもらったタイミングじゃないですか? 当時、両方のバンドを担当していたライヴプロデューサーの本間律子さんに誘っていただいて。
オゼキ
そうだそうだ! 横のつながりが最初のきっかけで。そのあとは同じイベントに出ることも多くなったり。
オゼキ
サーキットイベントとかも入れると、MOSHIMOとはトップ5に入るくらい顔を合わせてきたと思います。
お互いにどんな印象を持っていましたか?
宮原
Benthamのみなさんって基本的にすごくやさしい先輩なんですけど、オゼさんはどことなく怖いイメージがありました。ちょっと話しかけづらいオーラを放っていて。
オゼキ
そうだよね(笑)。俺は今よりも尖っていて、ライヴの打ち上げに出ていなかったりもしたから。
本多
対バンはさせてもらったけど、そんなにたくさん話していたというわけでもなかったですよね。
須田
だけど、馬鹿みたいなノリで盛り上がったこともあるし、颯と響平は昔からフランクで親しみやすい印象だよ。
オゼキ
Benthamは2022年の4月から独立して自分たちだけで活動しているんだけど、日常的にメンバーといろいろミーティングするのよ。“誰々と対バンしてみたい”とか。そこで“颯たちとは仲良くしたいよね”という話も挙がっていてさ。
オゼキ
俺、ちょっと前まで友達とか作れないタイプの人間だったけど、こないだは颯とバーベキューをやったりもしてね。
宮原
はい。irienchyのギターの諒孟さんもその場にいて、やっとオゼさんと打ち解けられたというか。“こんなに何でも話せる人だったんだ!?”と思いました(笑)。
今回、irienchyがBenthamを対バンに誘った理由というのは?
宮原
本当はずっと前から…それこそirienchyを結成した頃からお誘いしたかったんですけど、ぶっちゃけ当時はまだ自信がなかったんです。
宮原
僕はベーシストからヴォーカリストに転向したばかりだったし、Benthamのライヴはやっぱりすごいじゃないですか。たとえ対バンが実現しても、“やらなきゃ良かった”と思われちゃうだろうなって。
宮原
いやいや、恐れ多かったですよ! でも、コロナ禍とほぼ同時に始動したirienchyも、この1年くらいでライヴをたくさん積み重ねて、より高いレベルのバンドとも共演してみたくなってきたんです。先輩に対しておこがましいんですけど、この壁を越えられたらまた違う景色が見えてきそうな予感もあって、“挑む”という気持ちでBenthamを指名させてもらいました。
本多
Benthamはライヴが本当にバケモンですから。音源を楽勝で超えてきて、観ているうちに唖然とさせられちゃうんですよ。ライヴの構成も曲単体というより、セットリスト全体を通してひとつのショーとして聴かせるのがすごくうまくて。
本多
すいません! お手本にさせてもらっている部分はかなりあるんです。irienchyもそういう見せ方をしたいバンドなので。
オゼキ
そんなふうに思ってくれてるなんて知らなかったな。もっと早く言ってこいよ(笑)。
オゼキ
知らない時間がもったいなかったよ。これからもっと仲良くなればいいんだけどね。
須田
対バンに誘うまでいろいろ迷ったみたいな話があったけど、俺らは声かけてもらって嬉しかったよ。メンバーと共有した瞬間、すぐに“出よう出よう!”と決めた感じだもん。
須田
コロナ禍で活動休止になっちゃうとか、辞めていったバンドが山のようにいたじゃない? それでもどうにか続けてくれる人たちって、すごく嬉しい存在なんだよね。irienchyみたいに、前からの知り合いがこうやって新しいバンドを始めたのも励みになるし。俺らもそういうかかわりを大切にしていきたいと、ちょうど思っていた時期でさ。
オゼキ
しかも、ツアーファイナルっていう大事な日に誘ってくれたわけだから。そりゃあ、俺らも嬉しいよ。
昔からの知り合いではあるけれど、irienchyとBenthamが対バンするのは今回が初ですか?
須田
そう、初めてなんです。僕とオゼはirienchyになってからのライヴをまだ一度も観られてなくて、9月16日の対バンでようやく目撃できるっていう。音源は聴かせてもらっているので、ライヴとの差も楽しみだな。颯のことはベーシストとしてしか見てこなかったし、何かと新鮮なことだらけですね(笑)。
オゼキ
実はバーベキューのあとに行ったお店で、お互いのバンドのMVをでっかいビジョンで観まくったんですよ。“irienchyって、こういう感じなの!?”とか言いながら。
宮原
あれ、面白かったですね。BenthamのMVを観て、カット割りとかフォントとか、オゼさんが細かいところまでこだわっているのを教えていただいたり。
オゼキ
irienchyの「スーパーヒーロー」を聴かせてもらって、バンドをやりたいという気持ちがすごく素直に伝わってきたよ。僕らは“邦ロック4つ打ち爆裂フェス”みたいな飽和状態の時代を通して、ある種の魔法にかかっていたような体験をしてきたんです。そして、コロナ禍でその魔法が解けた。いろいろな苦難を味わったかもしれないけど、颯と響平が今こうしてやりたい音楽を自由に鳴らせているのは最高だと思いますね。
須田
irienchyの音楽は、颯のやさしい笑顔がそのまま歌に表れている印象です。響平のドラムはパンチが効いていたりするので、そういうギャップも生で味わいたいな。ポップな魅力を備えつつ、身体で聴きたいようなライヴをしてくれそうな気がします。僕が個人的に好きなのは「ヒトミシリ流星群」。
須田
うん。ミュートした感じで始まるところとか、サビ以外のAメロやBメロのアレンジも好きだったな。タッピング奏法も出てくるよね。俺とは違うタイプのギタリストなのが面白かった。