Happy Birthday 中島愛の誕生日前日
に開催されたバースデイSPライブレポ
ートが到着

声優・アーティストの中島愛が、自身の誕生日前日である6月4日にZepp DiverCityで開催された有観客&オンライン配信ライブ『中島愛 Birthday Eve Special Live ~green diary~』の公式レポートが到着した。以下、引用する。
『中島愛 Birthday Eve Special Live ~green diary~』公式レポート
感染予防対策ガイドラインを遵守して発声の禁じられた会場には、静寂の中にも熱い期待が満ちる。バンドメンバーがオープニングを奏で、湧き上がる拍手とグリーンのスポットライトが中島を出迎えた。
撮影:KOBA(Sketch)
幕開けとなったのは「Over & Over」。内に秘めた葛藤が変則的なリズムの中で引き出され、また引っ込んでは引き出されていき、歌声とともに、今、たしかにステージに立つことへの喜びに昇華されていく。「ライブ『green diary』へようこそ! 最後までよろしく!」。そして、最新アルバムを冠したライブながらも、なんと2曲目から、活動休止前のラストアルバムより「愛の重力」、中島愛としてのデビューアルバムより「Raspberry Kiss」へと続き、驚きとともに彼女の歌声が導く世界へと一気に引き込んでいった。ミラーボールがカラフルなジェリービーンズをこぼしたような大人のメルヘンとでもいうべき光景を作る「窓際のジェラシー」から、もどかしさを超え、自身をさらけ出す「サタデー・ナイト・クエスチョン」へと生バンドの醍醐味もたっぷりに聴かせる。ただ最新アルバムに象徴されるものだけでなく、そこに至るまでに見つけてきた「いろんな〝色〟の曲を聞いてもらいたい」という思いは、グリーンをベースにピンクやイエローなどさまざまな色の欠片が鮮やかなドレスにもあらわれていた。
「ここに来てくれたこと、そして、お家やそれぞれの場所で見てくれていること。その気持ちの熱さに変わりはないと……私が言って良いかわからないけど、私はそう思っています。この〝伝わっているよ〟というのは、理屈じゃないと思う。みんなでひとつになるぞっていう気持ちがあれば、ひとつになれると思います!」
バラエティ豊かな中島の持つレパートリーにとびきりのキュート曲として加わった「ハイブリッド♡スターチス」から、同じ清竜人提供曲の「髪飾りの天使」へ。中島が両手のひらでマイクをぎゅっと握り胸の前に掲げたとき、そこに花束が生まれるから不思議だ。さらにここで「緑といえば……ランカ・リー先輩でしょう!」と「ねこ日記」が歌われたのは、やさしい衝撃だった。中島とランカの交換日記を覗いてしまったような瞬間に心くすぐられる。「好きなので普段から良く聞いている曲ですが、久しぶりに歌えてうれしかったです」。
「夏の思い出にそっと旅するゾーン」だと語る楽曲群では、かわいさとせつなさの弾ける「メロンソーダ・フロート」、Negiccoへ歌詞を提供した「硝子色の夏」、さらに中島のルーツにあるフィリピンのタガログ語による「Kailan」を涙をぬぐいながら熱唱する。もともと海外で単独ライブを行う際にカバーしていた楽曲で、「髪飾りの天使/水槽」(本好き盤)に自身のバージョンとして収録した際の家族に聞いてもらえた喜び、フィリピンで映像を収録した3年前の出来事などがよみがえってぐっと来てしまったのだと語る。
撮影:KOBA(Sketch)
そして、遠くに聞こえる花火の音や祭り囃子のにぎやかさが懐かしい「夏の記憶」へと、むせ返る夏の気配は、終わりに向けてより色濃くなっていく。続く「ドライブ」から「水槽」へと意識の深い部分へと潜っていく様には、今の時代性ともリンクした息苦しさがあり、もがきながらも、その歌声の先にある光へと手を伸ばすような共鳴を覚えた。本ライブでは背景に配されたライン状のLEDが、シンプルながら効果的な演出を果たしていたが、外側からの確かな光が漏れ差すかのステージは、天を仰ぎ見る希望を描いたアートのようだった。
撮影:KOBA(Sketch)
「今日、この時間が私にとって宝物になりました」――。1曲、1曲、大切なものへの愛おしさを綴るように歌われた本編のラストナンバーは、熟してきた月日を歌った「GREEN DIARY」。ステージの真ん中に立つ「この物語」を抱きしめるかに腕を広げ、微笑む姿が印象的だった。
撮影:KOBA(Sketch)
アンコールでは、一転して、自ら演奏する鍵盤リコーダー「アンデス」を携え「粒マスタードのマーチ」で軽快に登場。「ふふ」とこぼした照れ笑いに、こちらの気持ちも解ける。そんな穏やかな空気の中で、アルバムに続く道のりの〝本当の始まり〟として「みなさんと一緒に、心で『キラッ☆』したい!」と歌われた「星間飛行」。「自分の原点の曲をこのバンドで、このメモリアルな日に歌えて良かったです」。楽しくてしかたがないというあふれる思いは、予定外のタイミングで行なってしまったというバンドメンバー紹介、そして「私は、絶対に次もライブをやりたいと思っています!」という力強い言葉にもあらわれていた。
「自分がどうすれば一番良いのかすごく、すごく考えて、今回は一歩踏み出すことを選択しました。オンラインによる良さもこの一年でたくさん教えてもらったから、演る側として『熱量が足りない』なんて思ったことはありません。それでも直接会えるライブには違った味わいがあるし、生配信によっていろんな人に見てもらえることもうれしいなと思う。これからどんなスタイルになっていくか、確かなことは何も言えないけど、私はこうやってステージに上がってくるので、また遊びに来てもらえたらうれしいです」
ラストを飾ったのは「All Green」。ファンと一緒に歌える日を願って作られた「ラララ」のシンガロングが芯となる楽曲だ。「いつか全部が今まで通りになって出会える日に、またみんなで歌いたいです」。ミラーボールに反射して放たれる緑の光が木漏れ日のように降り注ぐ中、その願いと誓いの歌声が鳴り響き、客席のハンドウェーブが優しく揺れながら応えた。
撮影:KOBA(Sketch)
あっという間に過ぎてしまった1時間50分。名残惜しそうにいつまでも手を振り「帰らなきゃダメ?」とダダをこねる姿が、歌っているときとはまた違う愛らしさを見せる。「絶対、また会いましょうね!」。
かつてひとつのプレッシャーでもあった「緑」を一番の味方とする18曲18色の「自分らしさ」のグラデーション。折しも誕生日前夜、陽の光には森の緑を、夜の照明には艶やかな深い赤を放つアレキサンドライトが彼女の誕生石のひとつであることにも深く頷いてしまう。生まれた自信は歌声に満ち、厳しい状況下にあっても決してあきらめることのない、きらめきのありかを感じさせた。会場はもちろん配信であっても、中島の「声」が届く場所に、それは輝く。
ライブのアーカイブは11日まで視聴可能
なお、当日のライブ配信アーカイブは[streaming+」で6月11日22:00まで申込可能だ。中島愛のライブを共有したいという人は、ぜひ映像でじっくりたのしんでほしい。
また、ライブで披露された楽曲を収録しているアルバム『green diary』も発売中だ。こちらは初回盤の特典として2019年2月2日に東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ メインアリーナで開催された『フライングドッグ10周年記念LIVE 犬フェス!』のライブビューイング映像より、「星間飛行」「サタデー・ナイト・クエスチョン」を特別収録しており、こちらも必見だ。
初回盤
通常盤

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