Hilcrhyme

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【Hilcrhyme インタビュー】
Hilcrhymeに関する本当に大きな
ひと区切りが2017年末だった

メジャーデビュー15周年を記念して、これまでの活動期間別ベストアルバムを、時間を遡って3タイトル連続リリースしていく企画の第2弾となる『BEST 15 2014-2017 -Success & Conflict-』。サブタイトルにある“Conflict”(=葛藤)とは何か? TOCにとっては精神的な痛みを伴う取材であったことだろうが、そう名づけた意味を赤裸々に語ってくれた。

“タラレバ”はめちゃくちゃある。
そんな時期だった

前回のインタビューで“(ソロ名義のTOCという)もうひとつの表現の場を作ったのが2013年で、2014年から2017年は常に“これでいいのか?”“もっとこうしたい”“こうありたい”“こう見られたい”とか、そういう葛藤が本当にめちゃくちゃありました”とおっしゃっていましたが、メジャーデビュー15周年ベストアルバムの第2弾の今作を聴きますと、冒頭の「NEW DAY, NEW WORLD」辺りは、確かにフラストレーションが溜まっていたことを感じさせますね。

「NEW DAY, NEW WORLD」…めちゃくちゃあったと思いますね。

OKMusicでは当時、Hilcrhymeのインタビューをさせていただいたことが多くて、今回かつての記事を見返しましたら、「NEW DAY, NEW WORLD」について“新しいものをやりたい”“今までと違うものをやりたい”“幅の広いことをやりたい”、あとは“思いっきりラップを乗っけたい”…そういう今のHilcrhymeの現状を踏まえた上で、全員で出した結論が詰まっています”とおっしゃっていましたよ。

タイトルどおり“新しいことを”と楽曲の方向性もそこですごく変わっていると思うんですよね。何が一番大きいかって言うと「NEW DAY, NEW WORLD」はトラックメーカーが当時の相方ではない。それが初めてですね。外部のトラックメーカーを入れて曲を作るっていうことをしたのと、個人的にはソロもそこで始めたのと…あのぅ、たぶん一番仲が悪かった時期ですね。素直にそう思えるかな? お互いに対して何に不満があるかとかまで深く話し合っていないけど、ピリピリはしていたと思います。

『FIVE ZERO ONE』(2014年2月発表のアルバム)リリース時のインタビューで、それ以前を振り返ってこんなことをおっしゃっていました。“求められていることを素直にやらなかったからですね(笑)。いや、もっとこういう部分を見せたい! みたいな”と。過去に反発があったことはこの発言からもうかがえるところです。

そうですね。それが“Conflict”であるんですけど…その時期があったからこそこうなったし、それがなければこういうことになってないんじゃないかな? まぁ、“タラレバ”はめちゃくちゃある。そんな時期でしたね。

あと、「Lost love song」での女言葉のリリックは“新しいものをやりたい”という気持ちの発露だと思うんですが、そういう解釈でいいですか?

大丈夫です。ただ、その曲の一番の違う部分は、俺が初めてトラックを作ったっていうところですね。で、アレンジャーもJazzin' parkっていう全然違う人にアレンジを頼んでいるし。…本当ね、この時期を思い起こしてのインタビューはキツいっすね。当時の相方に悪く当たっていた気がする。今話していて思ったけど、除外しようとしますもんね、完全に。そこにクリエイティブな意味がすごくあったというか、100パーセントそうだったけど、仲間としてはキツかったって今話していて思いますね。

ただ、それはHilcrhymeに限らず、わりと多くのアーティストが通る道と言えば通る道で、今回のベストアルバムのサブタイトル“Success & Conflict”を借りるなら、サクセスのあとにはだいたいそういう時期がやってくるんですよね。ずばり訊きたいんですけど、成功したあとにやってくるモヤモヤした感じとか不信感みたいなものって、あれは何ですか?

生々しい話になりますね。う~ん…富と名声じゃないですか? それプラス…いや、それだけでもない気もするんだよな。

今の質問は別に責めてるとかそういうつもりではなくて。今“富と名声”とおっしゃいましたが、一度そういうものを手にしてしまうと、それまでとはまったく違う環境だったり思考だったりに追い込まれるようなところってあるんですか?

ありますね(苦笑)。“富と名声”っていうのはちょっとパブリックな言い方だけど、インディーズの頃…要は下積み時代、バイトしながらふたりで全てを決めていて、自分たちで金を貯めてCDを作って、プレスして、プロモーションビデオも自分たちで作っていた。あの時代は一切喧嘩していないですからね。で、メジャーから話が来て、いろんな人が介入して、そこからですね。そこから…成功する前からすでに、それまでと違う喧嘩とかストレスとかになっていったんじゃないかな? めちゃくちゃ複雑なんですよ、本当に。これね、みんなそうだと思うんですけど、売れたあとにどうっていうよりは、その前のような気がするなぁ。
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アルバム『BEST 15 2014-2017 -Success & Conflict-』【初回限定盤】(CD+DVD)
アルバム『BEST 15 2014-2017 -Success & Conflict-』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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