Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
大きな目標を掲げたふたりの
シンガーソングライターの決断

目標があるからこそ
判断が難しい

千々和
今はアーティスト活動だけじゃなく、日常生活の中でさえも自分の立場を踏まえていろいろ決断しないといけないじゃないですか。だから、緊急事態宣言中は路上ライヴをやめている下舘さんも、勇気を出して路上ライヴをしているYukkaさんも、その決断は間違っていないと思っています。少し話を戻しまして、Yukkaさんはコロナ禍前後で活動に変化はありましたか?
Yukka
結論的に言うとあまり変わっていないです。関西在住なんですけど、住んでいるところがすごく田舎で。大阪に出るまでにも2時間はかかるし、人に音楽を聴いてもらえる場所に行くまでに時間とお金とかがすごくかかるから、コロナ禍に入る前から自分の活動に関しては試行錯誤してきたんです。動画制作は得意なほうだったので、昨年はYouTubeにより力を入れていました。まず、検索に引っかかかるために“洋楽を日本語で歌ってみた”というのをやって、チャンネルの登録者数も増えたんですけど、そこから自分のオリジナル曲の動画を観てもらうのは難しくて。カバー動画を観てくれる人たちはその曲に興味があるだけで、Yukkaの音楽に興味があるわけではなかったんですよね。やっぱり自分の歌を聴いてもらうにはライヴしかなくて、ライヴハウスでもやっているけど、より多くの人に聴いてもらうために路上に出ています。
千々和
そのタイミングで関東にも遠征するようになり、今年の初めにワンマンまで決めたんですね。
Yukka
はい。やるからには目標を持ちたかったので、今年はワンマンライヴを3公演やると決めたんです。ひとつ目は Yukkaとしての初めてのワンマンだったんですけど、5月に予定していたのが延期になって7月となり、ふたつ目は8月25日(水)に梅田ALWAYSで予定していて、3つ目は横浜でやるぞ!と決めて。その3公演のワンマンに向けて、CDも作りましたし、今年から2日に一回は路上ライヴをやっています。
千々和
状況的に不安もあると思いますが…。
Yukka
でも、状況が変わるまで待っている時間がもったいないし、止まってても何も始まらないし。路上ライヴもソーシャルディスタンスを保ってちゃんと距離を取ったり、話す時にはマスクをするようにして細心の注意を払っています。
千々和
下舘さんも路上ライヴをやりたい気持ちは強いですよね。
下舘
めちゃめちゃやりたいです! でも、東京は新型コロナウイルス感染者が1日5,000人を超えていて(8月6日取材実施時点)、その中で路上ライヴをやるとなると“自分は責任が負えるのかな?”と。ライヴハウスだったらソーシャルディスタンスを保つためにフロアーにお客さんの立ち位置が書かれていたり、入場時に住所や名前を書いてもらって、万が一クラスターが発生しても連絡できる手段がありますよね。考えすぎかもしれないけど、もし自分が新型コロナウイルスに感染していたらと考えた時に、路上ライヴはそういった対策ができないからリスクが高いと思ったんです。もし事務所に入っていた時のマネージャーさんが今の私に言葉をかけるとしたら、“こんな状況下で、なぜ路上をやるんだ!”と言うのも分かっていて。私もYukkaちゃんも目標があって動いているから、この話は難しいですよね…。

OKMusic編集部

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