誕生から8周年…『ウマ娘』の歩みを
迫力のライブで振り返る!『ウマ娘
プリティーダービー 5th EVENT AREN
A TOUR GO BEYOND -YELL-』2DAYSレポ
ート【前編】

2024.02.03『ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL-』@有明アリーナ
2月24日にはアプリ版リリース3周年、5月24日には初の劇場版アニメも控え、その人気は留まるところを知らないクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』。その魅力をライブで伝えていくアリーナ全国ツアー「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND」の折り返しとなる第3公演「-YELL-」が、2月3~4日に有明アリーナで開催された。その歴史を振り返るような企画や驚きの発表など、盛りだくさんの内容で行われた2年ぶりの東京公演の様子をレポートしよう。
■スタートから予想外の展開! そしてアリーナを震わす戦いの歌たち!
両日共に満員札止めとなった有明アリーナは、開演前からウマ娘ファン達の期待のこもった熱い空気に満ちていた。開演が近づくとナンバリングイベント恒例となった「ぱかチューブ」によるコール&レスポンスタイムがスタート。

DAY1にはヴィルシーナ/シュバルグラン/ヴィブロスの三姉妹、DAY2ではチーム<カノープス>のサウンズオブアース&ロイスアンドロイスが登場して場内を楽しく盛り上げていく。
そして開演直前にはウォーミングアップ代わりの「うまびょい伝説」が流れ、ファンは早くもターフ色の緑のコンサートライトで場内を埋めつくし、全力の「俺の愛バが!」コールでアリーナを震わせて早くもテンションは最高潮に。
いつもなら開演時間にシークレットゲストによる前説となるのだが、今回は実況役・明坂聡美による開演直前ステージ裏レポートがスタート。DAY1ではマントでライブ衣装を隠した5th EVENT初出演のシンボリルドルフ役・田所あずさ&ミスターシービー役・天海由梨奈が登場し、2人のキャラ&モデル馬が因縁深いカツラギエースも出演するので何かが起こるかもと期待を煽り、最後は田所が【調子は最高だ、さあいこう!】とルドルフ得意のダジャレで締めくくって笑いを誘う。
DAY2ではテイエムオペラオー役・徳井青空&エルコンドルパサー役・髙橋ミナミが有明アリーナということで有名レスラー達のモノマネを交えたやりとりで場内を笑いで満たして、ライブに向けてのファンのテンションをアゲていった。
そしてステージ裏レポートのラストには両日共にシークレットゲストが正体を匂わせてからステージに登場。DAY1ではトレセン学園理事長・秋川やよい役の水橋かおりが二文字熟語の扇子&力強い語りと共に登場。そしてDAY2ではおなじみのTVアニメシリーズのトレーナー役・沖野晃司に加えて、アニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』沖田トレーナー・土田大も登場。両日共に予想外のゲストにファンからは喜びの歓声が沸き上がり、いよいよライブがスタートした。
立ち止まりそうな時も隣にいてくれた
何回だって何度だって勇気をくれた君に勇気を届けたい
ウマ娘からファンへの感謝の言葉と共に、スクリーンにはTVアニメをメインとした名場面やキャストがレッスンを重ねてきた様子やライブの舞台裏などがモノクロ映像で流れてくる。
いま奏でる「ありがとう」を
キミと描いた夢の先を
DAY2 (c)Cygames, Inc.
その言葉と共にはじまったカウントダウンに合わせて、ステージ上には出演キャストがせり上がりながら登場。オープニングナンバーは5th EVENT 第2公演でサプライズ発表された新曲「Comeback Story V」だ。
DAY1 (c)Cygames, Inc.
ファン(トレーナー)の応援からレースやウイニングライブに挑む勇気をもらうウマ娘達の情熱を、息の合ったダンスと熱いボーカルで唄い上げ、DAY1はキタサンブラック役・矢野妃菜喜&サトノダイヤモンド役・立花日菜、DAY2はシュヴァルグラン役・夏吉ゆうこ&サトノクラウン役・鈴代紗弓のゲキで場内は声援で盛り上がっていく。
間奏ではスクリーンにキャラビジュアル&二つ名と共にキャストが映し出される挨拶が入り、今回のライブ衣装「ノーツス・オブ・グランジュア」の紹介ではDAY1はヴィブロス役・伊藤彩沙&シュヴァルグラン役・夏吉、DAY2はジャングルポケット役・藤本侑里&ヤマニンゼファー役・今泉りおながそのキャラらしい絡みを演じるなど、キャスト陣によるファンサービスに喜びの歓声が沸いた。
オープニングナンバーを終えてのMCでは、今回のライブへの意気込みや初出演組の緊張ぶりが語られる。さらに衣装のキモであるウマ耳飾りをライブテーマの「エール」に合わせて、ナイスネイチャ・マチカネタンホイザ・キングヘイローはチアガール&応援団モードに変えるといったこだわりや、配信で見ているファンへのネタを交えたメッセージで盛り上がる中、いよいよライブパートの幕が上がった。
『ウマ娘 プリティーダービー』の楽曲といえば、やはり走り競う彼女達の情熱や激情が込められた戦いの歌。DAY1ではそんな熱い歌を集めたパートでライバル達の激闘が描かれた。
宿願は一つ
熱狂を齎す
死闘が幕を開ける
DAY1 (c)Cygames, Inc.
オグリキャップ・イナリワン・スーパークリークら「永世三強」の激闘を描いたコミカライズ作品『ウマ娘 シンデレラグレイ』のPVと共にその3人が勢ぞろいして送る天皇賞&有マ記念の勝者の歌「NEXT FRONTIER」が力強いボーカルとハーモニーで唄い上げられる。
タブーを踏み抜く豪脚ミスターシービー
現れた無敗の皇帝シンボリルドルフ
DAY1 (c)Cygames, Inc.
三冠ウマ娘の力強い走りを描くPVから、2人のデュエットによるクラシック路線を勝ち抜いたウマ娘の歌「winning the soul (GO BEYOND Mix Ver.)」がスタート。2人の貫禄あふれる歌唱に続くように、後半では2人に続けと二冠ウマ娘のトウカイテイオー役・Machico/ミホノブルボン役・長谷川育美/ドゥラメンテ役・秋奈も加わり、王道の系譜を感じさせるボーカルが重なり合う迫力のステージとなった。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
そしてDAY2では日本ダービーを競い合ったキタサンブラック/サトノクラウン/ドゥラメンテがオリジナルバージョンの「winning the soul」を熱唱し、フレッシュな闘志みなぎるパフォーマンスを見せた。
喝采を超えろ
走り抜いた九つの矜持
鳴り止まない称賛を胸に
いま、鬨の声が凱歌になる
DAY1 (c)Cygames, Inc.
ゲームをプレイしているファンなら誰もが喜びと悔しさに打ち震えたであろう「チャンピオンズミーティング」。その勝者だけが唄える凱歌「Ms. VICTORIA」が始まると、大歓声が有明アリーナを揺るがせた。さらにDAY2ではこの曲がいきなり2曲目に登場して、場内が驚きのどよめきに包まれる一幕も。
世界の強豪が集うジャパンカップ
史上初、日本勢の勝利なるか
未曾有の期待を受ける2つの最強
DAY1 (c)Cygames, Inc.
日本勢によるジャパンカップ初制覇を期待されたシンボリルドルフとミスターシービー…だが勝利したのは叛逆の伏兵・カツラギエースだった!PVを背にステージセンターに登場して力強く勝利を宣言するカツラギエース役・藤原夏海。それに負けじと並び立つシンボリルドルフ役・田所とミスターシービー役・天海と共に唄うのは、未来を切り開く風のように走る決意を唄った「BLOW my GALE」。
ウマ娘達の覚悟があふれ出すようなパワフルなボーカルの饗宴、そしてまだまだだとファンを煽りながらの熱唱を見せた藤原が最後に拳を突き上げると、それに応え讃えるような大歓声が巻き起こった。後のMCでは5th EVENT 第1公演「-WISH-」の頃から3人で何かやりたかったと語っていて、その願いがついにかなったと瞬間だった。
夢をえるのは勝ちたいと願い続けた者だ
さあ、夢を叶えよう
DAY2 (c)Cygames, Inc.
DAY2では、凱旋門賞に挑むも勝利を掴めず涙を呑んだゴールドシップ/エルコンドルパサー/サトノダイヤモンド、挑戦を望むもそこに至れなかったキタサンブラック/サクラローレル/ドゥラメンテによる「L'arc de Gloire」が、それぞれの凱旋門賞への想いをこめた語りと共に披露され、場内は挑戦者達へのエールの声援に包まれた。
■前代未聞のスマホ撮影OK!? アリーナがクラブになってアゲまくり!
DAY2 (c)Cygames, Inc.
DAY2の開演前に一部ステージが「写真/動画撮影&X(Twitter)/InstagramにアップOK」という告知があり、場内がざわめく一幕が。それがダイタクヘリオスによるDJミックスステージ「ぱか☆アゲ↑ミックス」だ。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
今回はダイタクヘリオス役・山根綺と舞台で共演した短距離仲間のヤマニンゼファー役・今泉りおながDJを担当。個性派ウマ娘達のソロナンバーや、エイプリルフール楽曲として話題となった「メジロ賛歌」などのMIXに、場内は歓声と盛り上がりの瞬間を残そうとする撮影で、さながら巨大クラブ状態に。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
撮影OKタイムが終わった後は、他のウマ娘達による人気ナンバーのリミックスバージョンが4連発。特にチーム<カノープス>の3人によるナイスネイチャのソロ曲「アウト・オブ・トライアングル」のクールなリミックスや、ド派手でサイケな映像演出とテイエムオペラオー役・徳井のノリノリのボーカルが原曲のテンションをさらにアゲまくった「帝笑歌劇~讃えよ永久に~」では盛り上がりも最高潮となり、DAY2のお祭り感をさらにアップさせるコーナーとなった。
DAY1ではショートアニメ『うまゆる』楽曲のコーナーで、90年代ユーロビート全開のアガるナンバー「Dance 2 Endless Beat」が披露され、スペシャルウィーク/ミホノブルボン/ライスシャワー/ナイスネイチャ/イクノディクタス/ホッコータルマエ/カツラギエース/ドゥラメンテらがジュリ扇を手にステージ&2階スタンド席通路のミニトロッコでノリノリのパフォーマンスを展開。さらに解説ブースにはネイチャ先生の応援に駆けつけたキタサンブラック&巻き込まれたシュヴァルグランもジュリ扇&大きめサングラス姿で登場して場内を沸かせた。
DAY1 (c)Cygames, Inc.
さらに昨年のエイプリルフール企画で誕生した帽子好きウマ娘のダンスユニット・BoC'zが、新たにQueenV(ヴィルシーナ)&LIl▽(ハートマーク)V(ヴィブロス)を加えて登場という嬉しいサプライズも。モノトーンのストリートルックに身を包んだ7人が繰り広げるクールで情熱的なソロダンスパフォーマンスと持ち歌「Hat on your Head!」のステージには熱狂の歓声が巻き起こった。
■ファンへの最高のプレゼントとなったサイレンススズカのライブへの帰還
『ウマ娘』ナンバリングイベントの魅力のひとつが、不測の事態になってもキャストやファンへの気遣いを忘れないという点。今回はDAY1出演予定だったタニノギムレット役・松岡美里が体調不良で欠席となっていたが、彼女が唄う予定だったパートにはリハーサル時の音声を合わせて、その存在が感じられるようにするという粋な計らいがファンを喜ばせた。そして相棒とも言うべきシンボリクリスエス役・春川芽生も、コール&レスポンス合戦のコーナーでタニノギムレットと松岡にみんなで愛を送ろうと、2人への「愛してる」コールでイベント名そのものの「エール」を送ってみせた。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
そしてDAY2では、長期休養していたサイレンススズカ役・高野麻里佳がゲストとして久々の登場。
行こう夢すらも超えて
信じてくれた君と一緒に
ライブテーマを語る最後のコーナーにスペシャルウィーク役・和氣あず未と共に高野が登場すると、場内からは彼女の帰還を祝うエールの声援が沸き上がった。それに応える様に始まったナンバーは、ゲームのメインストーリー最終回のエンディングテーマ「Precious Star Dreamer」。チーム<シリウス>の7人による曲だが、今回はスペシャルウィークとサイレンススズカだけのスペシャルバージョンで、和氣の衣装も4thイベントで披露された「日本総大将」だ。
あの時超えられなかった大欅の先に
立てなかったステージに
トレーナーさんのおかげで私は辿り着くことができました
だから、あの日伝えられなかった精一杯の想いを歌に込めます
間奏で涙ぐみながらサイレンススズカと自分自身からの感謝の気持ちを涙ぐみながら語る高野。そして劇中のスペシャルウィークとサイレンススズカの気持ちとシンクロするようにクライマックスでは見つめ合いながらハーモニーを重ね、スクリーンには運命を乗り越えて天皇賞・秋を走りきり涙ぐむスズカの姿で締めくくられるという最高のステージに、ファンからの祝福の歓声がしばらく止まなかった。
その後のMCコーナーでは、トレーナーからのスズカお帰りという言葉にただいまと応えるスズカに歓声が上がり、舞台裏では早くから高野が泣いてしまって大変だったという裏話も明かされた。そして企画の初期から和氣と高野が『ウマ娘』を支えてきたという話では高野だけでなく和氣も涙を浮かべる一幕も。そして和氣・高野・Machicoでやっていた『ウマ娘』初期のラジオ番組で使われていた「ぱかラッキー」という挨拶をコール&レスポンスして、高野の復帰をみんなで暖かく祝い、曲そのままに次の夢へと想いを繋いでみせた。
【後編レポートURLは欄外に記載】
取材・文:斉藤直樹

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