【岡咲美保 インタビュー】
中学生の頃から思い描いていた夢を
叶えていただいた
この“好きじゃないよ”は
あざとい小悪魔じゃない
次のリリースが楽しみです。カップリングの「好きじゃないよ」は「ハピネス」を作ってくださったDECO*27さんの曲ですが、こちらは自分の恋心に戸惑う女子に完全になりきって歌っていますね。
伝わって良かったです。このタイトルを見て、あざとい小悪魔的女子を想像する人もいるかもしれないですけど、これは本当の“好きじゃないよ”なんですよね。“好きじゃないの? それとも好きなの? どっちなの?”って彼女は本当に戸惑っていて。なので、そこを表現するのは難しかったです。私も最初はそういう女の子を想像してあざとく歌ってしまって。そしたら、“本当は好きじゃないかもしれないっていう可能性をちゃんと残してほしい”というディレクションを受けて、試行錯誤しながらレコーディングしていきました。逆に全力で拒否感を出したテイクもあったり、いろんなパターンを試して、一番絶妙なラインを選んでいただいたんです。
頭の“う~っ!”っていう声やラストの溜息からも混乱が伝わりましたよ。この子は自分の気持ちを持て余して、いっそ否定して楽になりたいんだろうなって。
嬉しいです! そこは恋愛している人や好きな相手がいる人に共感してもらえるように、“自分だったらどんな声を出すだろう?”っていろいろ妄想しながら試行錯誤しました。曲調的にはすごくポップで、メロディーもすごく可愛いし、最後は《きみもドキドキしていてほしいかも》と言っているので、みなさんにもキュンとしていただけたら最高ですね。
《あたしには早いから》とも言ってますが、何歳くらいの女の子をイメージして歌いました?
きっと若いですよね。大人になったから逆に周りが見えて“いや、今は恋愛をするタイミングじゃない”って判断している可能性もあるけれど、やっぱりパッと浮かんだのは制服を着た子でした。人生で初めての感情に出会ってしまって、認めたくないけど認めざるを得ない、でも伝えたくない!…みたいな。
だから、歌声もちょっと若く感じるのかもしれないですね。
そうかもしれないですね。この曲はリリックビデオも出るんです。私も完成が楽しみですし、みなさんにも歌詞を覚えていただいて、たくさん口ずさんでもらえたら嬉しいです。
そして、3曲目の「魔法の言葉」はこれまでになくしっとりとした曲ですね。
そうなんです! 私もデモをいただいた時に“新鮮!”と思って、最初はバラード寄りにしっとり歌ったんです。そしたら“いつもの元気な岡咲さんが歌うからこそ《ラルラリルラ》という背中を押す謎の言葉が響くんです”とプロデューサーさんと作詞作曲の志村真白さんがおっしゃってくださったので、そこからいつもの岡咲美保になりました(笑)。テストではファルセットで歌っていたところを地声にしたり、「ペタルズ」とは逆のディスカッションもレコーディングではありました。
なんだか童謡のようなムードも感じる曲ですよね。幼稚園とかでピアノを弾き語って、小さい子に歌い聴かせているかのような。
そう言っていただけると嬉しいです。もともとの自分のイメージとしては、ちょっと疲れた大人の方に染みる曲なのかなと思っていたのですが、逆に小さい子には無邪気に手を振ってほしかったり、結果的に幅広い年齢層の方が聴いてくださる曲になってくれたら嬉しいですね。
しかも《いつかきっと花は咲くから》というフレーズも、岡咲さんにびったりじゃありません?
そうなんですよ。だから、てっきりプロデューサーさんが発注の段階で入れてくださったんだろうと真白さんに訊いたら、“私が入れました。やっぱり岡咲さんはお花のイメージがあるので”と言ってくださって! なので、ここの箇所はサラッと歌いたくなくて、特に気合入っているのが歌声からも伝わっちゃうかもしれないです。音を立てるイメージで、しっかりと発音しながら歌わせていただきました。
10年後とかには大事な曲になっていそうですね。
ですよね。今は明るく♪ラルラリルラ〜と歌っているけれど、プロデューサーさんとも“今後アコースティックライヴとかピアノだけとかで歌う時には、もっとスローテンポにすることもできるし、いろんな歌い方ができるよね”って盛り上がっていました。
そう考えると、きっと今って“アーティスト・岡咲美保”という種をいろいろ蒔いている時期なんでしょうね。
どんな種があるのか、自分では気づけないところもあって。そこは自分も楽しみにしながら頑張って、いただいた種を上手に蒔くだけじゃなく、水をやり、育てられるようなアーティストになれたらと思います。やっぱり自分からすると自分自身の欠点ばかり見えてしまって、ヴォイトレだったりダンスの自主練をしていても、“もっと上手に歌えたらな、踊れたらな”とマイナスに考えちゃうんですよ。でも、そういうネガティブな気持ちってファンのみなさんにも伝わるものだから、向上心や反省は忘れることなく、今は目の前にあるものに全力で挑んでいます。そして、みなさんに元気を与えて、口角を一年に1ミリずつ上げていけるようなパワーを身につけていきたいなぁと、2022年に向けて思っております。
最後は口裂け女になっちゃいそう(笑)。
それはそれで私、ホラー好きなので!(笑) 元気になってもらえるなら嬉しい限りでございます!
取材:清水素子
「ペタルズ」MV
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