FullMooN「ねね生誕祭~春の9周年ワ
ンマンライブ~」の模様をレポート。
ドラマーに葵が加入!!!!
薄明かりの中、次第に浮かび上がるメンバーたちの姿。ライブは「光」の演奏が始まると共に、数多くの光(照明)が降り注ぐ中で始まった。夢を追いかけ続けるメンバーらの姿勢や思いを、彼女たちは攻めた姿を持って示してゆく。ねねの熱意を持った歌声が、聞き手の気持ちを熱く奮い立てる。とても気合と気迫に満ちた演奏だ。それだけ彼女たちのライブに賭ける思いが半端ないということだ。
ライブで披露するのは久し振りだ、キラキラとしたポップテイストの強い「DRAWING STARS」を通し、彼女たちはFullMooNの中にあるガーリーな面を見せてゆく。いつもの強気な姿もFullMooNらしいが、甘くキュートな姿や音楽性もスーッと世界へ入り込みやすいように、これからもぜひ魅力にして欲しい。
MCでは、りんが”えせ阿波踊り”を披露する場面も登場。次のブロックは、大切な夢を守り、共に花を咲かそうと歌う胸熱高揚ソングの「Change song」からスタート。歌心を大切にした楽曲のように一つ一つの歌詞が胸に飛び込めば、彼女たちの強い決意に共に心を重ね合わせ、一緒に大きな夢の花を咲かせたくなる。「夢のために生きている」の言葉の先に待っている姿を、共に見てみたい。
ここからは、しばし「ヒーローショー」のコーナーへ。舞台に姿を現したのが邪悪将軍。彼は、観客たちに邪悪レーザーを降り注ぐ。その光を受け、観客たちが倒れ込むように、訪れた人たちも空気を読んで楽しんでいた。さすが、そこは大人な対応だ。観客たちを支配しようとする邪悪将軍から救おうと、3人の正義の使者レディービートル(Empress)が舞台へ登場。壮絶(??)な(茶番のような)バトルが繰り広げられる。邪悪将軍は意外に強く、3人へ邪悪な心を植えつけようとしてゆく。その窮地を救うべく、イズカイザーが登場。イズカイザーは、手にしたハリセンを使って攻撃を仕掛ける。イズカイザーと邪悪将軍は戦いの場をフロアに移し、観客たちの目の前で戦いだす。その様をプロレス中継のように実況解説を入れてゆく演出が、なかなか冴えているじゃない。イズカイザーは正義のヒーローのくせに、椅子を使ったラフプレイや邪悪将軍のマスク剥ぎまでやってしまう。邪悪将軍も、マスクの下にもう一つマスクを付けているところもさすがだ。イズカイザーも邪悪将軍もさまざまなプロレス技を披露。最後は、イズカイザーが3カウントを奪い勝利。というか、いつの間にかバトルがプロレスに変わっていたように、そこがひねりを効かせたバックドロップならぬFullMooNのライブを舞台にしたヒーローショーらしさ。
中盤戦の前に、今までサポートドラムだった葵がFullMooNに正式加入したことを発表。ここからは、新衣装を身につけた新生FullMooNとしてのライブがスタート。その喜びを歌声や演奏へぶつけるように、彼女たちは「絆」を披露。葵の衣装姿のように、その様を目にしたことで、本当にここから新生FullMooNが始まったことを実感。情熱的な演奏のように、これからも熱い気持ちのまま4人の絆を胸に走り続けてくれ。葵をメンバーに決めたのも、「本当に心から信用できる人」という理由から。しかも、葵からメンバー加入を希望したところも嬉しいじゃない。
次のブロックで披露したのが、ヴォーカルのねねとギターのえれんによるアコースティックなセッション。椅子に座った2人で披露したのが、「青い月」。えれんの爪弾くアルペジオの音色へ寄り添いながら切々とした想いと歌声をねねが塗り重ねてゆく。この時間、誰もがその場に立ち尽くし、舞台の上から哀切な歌の光となって降り注ぐ2人の想いをしっかりと抱きしめていた。
ドラムの葵とベースのりんによるセッション演奏が、ふたたび観客たちを騒がせる。その場で跳ねながら煽るりんと、笑顔でドラムを叩く葵。そこへギターのえれんが加わり、演奏は一気に「フラッシュバック」へ。お前ら暴れたいんだろう、騒ぎたくてしょうがないんだろうと言わんばかりに、FullMooNは熱量の高い演奏で観客たちを煽りだす。フロアでは、多くの蒼いサイリウムの光が揺れていた。とてもスケールあふれた楽曲だ。熱を抱いた大きなうねりの中へ包まれながら、自然と気持ちにも熱が重なりだしていた。高まる感情へ重厚な音を浴びせるように、FullMooNは「blue max」を突きつけた。一気に速度を増した演奏に触発され、大勢の観客たちが大きく身体を揺らし、熱く拳を振り上げる。このまま、熱狂の先まで連れ出してくれ!!!!
抑揚したねねの歌声を合図に始まった「sugar」では、愛しき想いを伝えるように優しく歌う姿が舞台の上にはあった。胸に染み渡る歌に触れながら感じていた、甘くて愛おしい気持ち。「sugar」もスケールあふれた楽曲だ。歌や演奏に触れながら,いつしか気持ちが舞台上の彼女たちの姿や楽曲へ吸い寄せられていた。
演奏前に、後輩バンドのEmpressが、ねねのためにケーキを持って舞台へ。アンコールは、この舞台に立てる喜びを。そして、いつも支えてくれる仲間たちへ向けての感謝の想いを告げるように「ステージ」を演奏。改めて、この歌を通して彼女たちと互いの心の手を取り合い、ギュッと強く握りしめていた。
新メンバーに葵を加え、10年目に足を踏みだしたFullMooN。こんな時代だからこそ、その無邪気な笑顔と勇ましい姿で、仲間たちを光降り注ぐ場所へと導いて欲しい。
TEXT:長澤智典
セットリスト
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