タッキー&翼、ジャニーズ若手の良き
手本に 新シングルに漂う二人の成熟

 収録曲の「僕のそばには星がある」は、“星”をテーマにしたファンタジックな楽曲で、優しさや柔らかさを表現した、これまでのタキツバとはひと味違う作品となっている。いっぽう「ビバビバモーレ」は、アップテンポなパーティーチューン。二人のユーモラスな掛け合いで、楽しさを前面に推し出した作風だ。

 同シングルの特徴について、ジャニーズの動向に詳しいライターのジャニ子氏は次のように分析する。

「今回のシングルはどちらの楽曲も20代ならではの『気恥ずかしさ』が感じられず、清々しいまで『なりきって』歌っているところに好感が持てます。ジャニーズでは、ファンや周囲のスタッフが求めるキャラクター像と、実際に自分が表現したいことのギャップに悩むメンバーが少なくないのですが、彼らに関してはすでにそういった葛藤を乗り越えた感がありますね。また、デュオには“不仲説”が流れることが多く、彼らにしても『会っても話すことがない』というようなことを口にしていた時期もありましたが、ここ数年は、各々が座長を務める公演に足を運んだりしていて、たがいに尊敬しあっているのが伺えます。恐らく、今回のシングルをリリースするまでに、各々がソロ活動に力を入れてきたことにより、おたがいの違いを受け入れ、成熟した大人の関係が築けるようになったのかと。そして、各々がソロでパーソナリティを確立したからこそ、タキツバとしてやるべきことが明確になり、甘い楽曲は甘く、おもしろい楽曲はおもしろくといった風に、求められるタキツバ像を前向きに演じられるようになっているのではないでしょうか。以前から彼らは仕事に対し素直に取り組む姿勢を持っていましたが、30代になってその資質がより良く表れているのではないかと思います」

 また、ジャニーズにおけるタキツバのポジションにも、人気の理由があるという。

「彼らはジャニーズJr.の黄金時代を築いてきただけに、後輩からの信頼も厚いです。その仕事に対する姿勢や、パートナーシップの築き方などは、後輩たちにとって一種のロールモデルとなっている面もあるのでしょう。そのため、ほかの若手グループのファンも彼らには一目置いていて、ジャニーズファン全体から慕われる存在になっています。二人にはジャニーズの模範的デュオのひとつとして、今後も道を示し続けてほしいですね」

 30代になり大人の魅力を醸し出し始めた二人は、タキツバらしさ溢れる今作で、さらに後輩たちの“良き手本”となりそうだ。(松下博夫)

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リアルサウンド

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