DEZERT “ヴィジュアル系”に対する
アンチテーゼともとれる想いと現在の
ライブへのスタンス

ヴィジュアル系シーンに一石を投じるかのように、数々のチャレンジングな展開を繰り広げるDEZERTが、両A面シングル「血液がない! / Call of Rescue」をリリースした。今年2月にはMt.RAINIER HALLにて4夜集中ワンマン『study』を開催し、その初日には自身が感じたある種の違和感をオーディエンスに投げかけ、波紋を呼んだ。今回SPICEでは、その最中にインタビューを敢行。敢えて新作にまつわる話題ではなく、“ヴィジュアル系”に対するアンチテーゼともとれる想い、現在のライブへのスタンスを千秋(Vo)とSacchan(Ba)に訊いた。
昔、自分が書いた“嫌われてもいい”っていう歌詞が、今、すごく重い。あのとき俺は嫌われたくなかったんだなって今なら理解できる。
――渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREを拠点に、4夜集中ワンマン『study』を開催中ですが、今年の『study』はいかがです?(取材は2月後半)
Sacchan:春にホールツアーがあるんで、それを見据えた部分もあるというか。ウチがホールをやるならどういう方向?っていうのを考えながら、やってる気がしますね。
千秋:ま、僕的には普通ですね! 別にライブハウスと変わらないし、『study』に限らず俺の生誕祭だろうがホールツアーだろうが、この4人でどういう音楽をしていくか?っていうところに全て繋がっていくんで、このイベントだから何かが特別っていうのは全くもって無い。
――ただ、初日では千秋さんから「もっと自由に動いてくれていいのに」的なMCがあったという話を聞きましたが。
千秋:ああ。ちょっと違ってて、みんなの動きが面白くて笑っちゃった、ってことを言っただけ。ライブで俗に言う“振り”ってあるじゃないですか。振りっていうか、もうダンスに近いような動きを、椅子の間で窮屈そうに、でも、一生懸命やってる感じが面白くて! 可哀想だから、次からはこの曲やめてあげようと思いました。
――なるほど。窮屈なら違う楽しみ方をすればいいのに、ってことですね。
千秋:いや、別に振りをしたいヤツらは窮屈でも楽しいんだろうからすればいいんだけど、周りがやってるから自分もやんなきゃ!って頑張ってるんだとしたら……窮屈そうだなぁって。とはいえ、それも僕たちが作ってきた文化なんだから一概に否定するわけではなく、本当の意味での“好きにやれ”ってことですよ。例えば、昔は激しい曲で全員が頭振ってるのを見ると“一体感があるな”って思ってたけど、今は受け取り方も反応もそれぞれなのに一つのライブに集まってくるっていう、ある意味での“違和感”の方を大事にしたい。激しい曲をやったときに、みんなが頭を振ってる中で何もせずジッとしてる人を見ると、今は“良い違和感だな”としか感じないですからね。暴れるのとは違う、ソイツなりのベクトルを持って来てくれてるんだから尊重したいし、そういう意味での自由ですよ。
――いわゆる物理的一体感を“文化として”創り上げてきたヴィジュアル系で育ってきたのに、そういった境地に至ったということは、やっぱり考え方が変わってきているんでしょうね。
千秋:考えはもちろん変わってます。じゃないと人間、生きていけないんで。よく“ヴィジュアル系独特の文化”とかって言うし、実際そう僕も思ってたんですけど、実はそういうことじゃないんですよね。ヴィジュアル系を始める人、少なくとも僕の世代で始めた人は、みんな頭が悪いんです。
――……この発言、大丈夫ですか?
Sacchan:はい。
千秋:もちろん僕もその一人ですよ。頭が悪くて、だから必然的にお客さんにも伝わらない。
――どういう意味での“頭が悪い”なんでしょう?
千秋:頭が悪いと気づいていないという意味での頭が悪い。要するに、全部が“ぽい”んですよ。動きも考え方も全部、実体のない漠然とした“ヴィジュアル系っぽさ”に左右されている。そういうのって内側にのめり込んでしまえば楽しいんですけど、外側から見てると全く魅力を感じられない。そこは提示してる側の僕らが悪いわけで、“ぽさ”に依存するんではなくシンプルに音楽をやるということを考えなければいけない……っていうのが、去年からの一連の流れですね。
DEZERT/千秋(Vo)
――なるほど。『TODAY』(2018年8月発売アルバム)で明らかに一皮剥けた理由が、それでわかりました。
Sacchan:だから一体感があることに文句があるわけでもないし、一体感が無いことに文句があるわけでもない。例えば、過去の凄い人たちのライブで生まれてた一体感って、狙ったものではないと思うんです。音で、リズムで、楽器で、必然的に生まれていったもので。
千秋:ああ。X JAPANのライブとかって全員が頭振ってるわけでもないけど、観ると“やっぱすごいな”と思うからね。
Sacchan:そういうところに千秋くんを筆頭に気づき始めて、そういう意味での“自由にしていい”なんですよね。別に“頭振るな”とか“ジャンプするな”って言ってるわけでもないし、“個性を出せ”と言ってるわけでもない。お客さんそれぞれが好きにやる中で、結果として一体感が生まれるのであれば素晴らしいけど、そこで“一体感があるっぽい”っていうものに頼ってるんだとしたら、それは僕らのバンドの力が足りないんじゃないかと。
――確かにシーンを切り拓いた先人たちは、文化はおろか“ヴィジュアル系”という言葉すら無い時代にやっていたわけなんで、当然“ぽさ”なんて無縁のはずですもんね。
千秋:むしろ、昔はヴィジュアル系というもの自体がアンダーグラウンドだったんで、それをやってる時点で“ぽく”ないんですよ。ただのはみ出し者でしかなかった。でも、誰かが文化にしてしまった今となっては……もちろん面白い部分もあればダメな部分もあるっていうのは音楽に限らない話だけど、ただ、ただ、つまらんのですよ! じゃあ、何故そんなシーンで音楽を始めたか?っていうのは自分でもわからなくて、それをとある人に相談したときに「あ、君は才能があるんだね」って言われたんです。「何故だかわからないけど続いているものに、人は才能を見出せるんだ」という言葉を貰って、それに結構救われたんですね。実際DEZERTは7年続いてるわけだし、バンドの状態が良くないときでも不思議と“やめる”っていう選択肢は一切なかったんで、このメンバーは音楽の才能があるんだなって僕は最近感じてます。だから、自分がヴィジュアル系を始めた理由を追求するのも無意味だし、そこに縛られる必要はない。ただ、さっき言ったように“ぽい”には縛られてますね。
――え、そうなんですか?
千秋:例えばSacchanって髭を生やしてるじゃないですか。これ“ヴィジュアル系っぽくない”と思いきや、そういうシーンの中で異色だねっていう“ぽい”なんです。だから俺はSachhanの髭に、本当のアイデンティティを感じてないんですよ。
Sacchan:最近は“結構似合ってるな”と思ってるけどね(笑)。もともとの始まりは、肌が弱いからなんですよ。それで髭を剃りたくなかっただけで。
千秋:いつも「髭剃ると血が出る」って言うから、「じゃあ生やせばいいじゃん」ってなったんだよね。このシーンで髭生やしてるヤツいないし……って、それが今となっては嫌! 例えば俺、今、アフロにしたいんですよ。でも、すげぇ周りから止められてて、それも“ぽさ”に縛られてるからじゃないですか。
――ああ、なるほど。
千秋:ただ、その“ぽさ”が最近はシーンの中でも薄れてきたように感じるんです。ここ2年くらい「それ、ヴィジュアル系っぽいじゃん」みたいな会話を聞かないんですよ。やっぱり“ぽい”に実体がないってことと、結局それが良くなかったってことに、みんな気づき始めたんでしょうね。例えば“LUNA SEAっぽい”っていう価値観があるとして、でも、それってLUNA SEAじゃないと意味ないことなんですよ! そういった“ぽさ”に縛られているかぎり、僕はDEZERTというバンドが“良い”とは思えない。じゃあ、どう良くなりたいのか? DEZERTのボーカル千秋として、僕はどうなりたいか?をよくよく考えてみると……自分で“カッコいい”と思えるようになりたい。1年半かかってその結論に達したときに、自ずと“やるべきこと”が自分の中に見えてきたんです。
DEZERT/ Miyako(Gt)
――その“やるべきこと”って、具体的には?
千秋:それはいっぱいありますよ! 例えば“この歌詞をこう届けたい”と考えれば、それに必要となる発声や姿勢も見えてきますよね。それを一つずつ解決していくしかないから、すごく時間がかかる上、バンドって一人じゃないんでマジでムズい! 今日もスタジオでずっとメンバーにガミガミ言ってたんです。もちろん、俺が絶対的に正しいわけではないけれど、DEZERTにおいて“千秋”は絶対に正しいんで、3人はそれに合わせるしかないんですよ。
Sacchan:人が集まるとややこしくなりますからね。選択肢があると……迷うんですよ。だったら一つに決めたほうがいい。僕らは千秋くんと脳みそも生活も違うから、もちろん理解するのは大変だけど、一つ“コレ”というものが決まってないと僕自身も迷うし、みんなも迷う。それが正解だろうが間違いだろうが個人的にはどうでもよくて、ただ、曲を作ってるのが千秋くんなのであれば、彼が一番正解に近いだろうから……。
千秋:正解なんだよ! “近い”じゃないの!
Sacchan:正解だそうです(笑)。
千秋:だから、一つひとつのプロセスが大切なんです。それを踏みしめないで成功してしまうと、なんで成功したのかわかんないからバンドが続かないんですよ。僕はこのバンドに一生を賭けてるからそれは嫌だし、言葉一つ、楽器一つにしても、僕はちゃんと考えたい。瞬間的な“ふー、楽しかった!”でもいいけど、人生はその先も続くじゃないですか。もちろん、あーだこーだ考えなくても勢いでデキる人間はいるだろうけど、それって、すげぇヤバイ奴だから。で、ウチのバンドにはヤバイ奴いないんで、僕らは考えるしかない。
――でも、シーンにDEZERTがバン!と登場したときの千秋さんは、まさに、そういう“ヤバい奴”なイメージでしたよ。
千秋:そこが面白いんですよ。バン!と出てくる前の2年間、実は俺ら結構考えてましたからね。対バンの奴らに勝つために、相手のセットリストやライブ如何で自分らのやり方を急に変えたり、他人のリハーサルもずっと見てた。“コイツに負けたくない。でも、俺らより上手いし、どうする? よし、水撒くか!”みたいなことやってたんで、だから当時対バンしてた人には「すげぇ感じ悪かった」ってメッチャ言われるんですよ。要は、音楽で勝負できなかったから、生き様推しだったんですよね。でも、その生き様自体がカッコよくないなと思うようになっちゃったから、もっと考えていかないと。そもそも俺、今は“ロックをやってる”という概念もないですから。だってロックは本来アメリカの音楽なわけで、別にアメリカの音楽をやってるつもりもないし、だいたいホントにロックな人は「ロックやってる」なんて言わないでしょうね。
――じゃあ、何をやっているんでしょう?
千秋:……マイクを通して大きい声を出してる。
Sacchan:もっと根本かもね。ただ、死なないように生きてるだけ(笑)。
千秋:ウチは今、その次元で物事を考えてるんで、必然的にパッとCDを出してパッとツアーをすることにも違和感があるんです。それも“バンドっぽい”からやってるだけで、何のためにその曲を書いて、何のためにCDにして、何のためにライブをするか?っていうところまで考えてないんですよね。
――その違和感を持ち始めているバンドは、最近多いですよ。リリースをしてツアーをやるというのが生産性のないルーティンに過ぎないことに、皆、気づき始めている。
千秋:そう! ルーティンが一番恐ろしいヤツですね。ダメな習慣って気づかないから治らない。バンドの動かし方だけじゃなく、歌い方とか弾き方とかの癖もそうですよ。きっと僕にだってたくさんあるだろうし、だから“一人じゃ生きていけない”んです。誰かが気づいてくれて、教えてくれないと。
DEZERT/ Sacchan(Ba)
――その指摘をメンバーには千秋さんがするとして、だったら千秋さんには誰が言ってくれるんですか?
千秋:言えないんですよ。だから、僕は自分で解決していくしかない。だって、他人にアレコレ指図してる人間に「俺、どうしたらいい?」って言われたらムカつきません? そんなこと言ってくるヤツに教わる気なんて無くなるでしょ? 俺がやるべきことを提示するのであれば、俺は迷ってはいけない。細かいところはともかく、本質で迷ってしまうと、みんながわかんなくなっちゃうから。
――それは……キツイ立場ですね。
千秋:だから、宗教にハマる人がいるんじゃないんですか? 頭いい人ほど宗教にハマるっていうのは、そういうことですよ。気づいちゃうんです、自分で。それで逃げ場が無くなって、何かに縋りたくなる……って、まぁ、こういう話もどうでもいいよね?
Sacchan:うん。
千秋:結果、今まで話したこと全部、実はどうでもいい。
――メチャメチャ深くて良い話なのに!?
千秋:でも、別に他人に言うことじゃないし、シーンについてとかは本当に心の底からどうでもいい。自分がどうカッコよく在れるかが全てで、もちろん自分自身が“カッコいい”と感じられる自分でありたいってことは、他人にもそう思われたいってことではありますよ。かといって、全員にそう評価されることは無理ですよね。“カッコいい”の基準も人それぞれで、ダンディなのが好きな人もいれば、ジャニーズ系が好きな人もいますから。そういう意味で昔、自分が書いた“嫌われてもいい”っていう歌詞が、今、すごく重いんですよ。そんなこと本気で思ってる人間って滅多にいないわけで、つまり、あのとき俺は嫌われたくなかったんだなって今なら理解できる。わざわざ“嫌われてもいいんだ”って言う奴は、要するに嫌われたくないんですよ。
――それ、すごい真理ですね。
千秋:だから、あの曲歌ってると、今、すごく楽しいんです。聴いてる人に“嫌われてもいい”って思ってほしくないし、それがいつか届けばいいなって。俺は“変わりたい、でも、変わり方がわからない!”って、もがいてる人たちに向けて歌いたいんですよ。逆に“あれやって成功したから、またやろう”って終わったことに縋る人とは、ちょっと距離を置きたいんですよね。過去を遡っても仕方ないし、見つからないかもしれないけど見つけたときにスゴい景色が見えるのかもしれないから、今は進むしかない。そのために、このバンドは一回壊さなきゃいけないんです。DEZERTの過去も全部抱えた上で壊す! 周りには言われますよ。「壊さなくていいじゃん、今のままでカッコいいじゃん」って。でも、お前にカッコいいと言われるために生きてるわけじゃないから!
――自分自身がカッコいいと思えなければ意味が無い。
千秋:そういうこと。だからと言って、別に過去を否定するつもりも無いんですよ。過去もひっくるめて、全部を抱えていく度量も器も僕には無いから、進むために壊すしかないというだけ。そのへん前回のZepp Tokyo公演(2018年11月)でも誤解を受けたらしく、“昔の音楽性も、私たちの動きも嫌いなんでしょ?”っていう手紙を貰って、すごくショックだったんですね。だからこそ、もっと精進しようと決意できました。
DEZERT/ SORA(Dr)
――4月に発売される両A面シングル「血液がない!/Call of Rescue」も、当然そのためのプロセスの一つなんですよね。
千秋:もちろん、そうです。曲がいっぱいあるんで、リリースはたくさんしたいんですけど、今は“ああでもない、こうでもない”と自分の中で必死に考えたものしか残らないと思っているから、なかなかムズイんですよ。例えば、自分の中で“これ、大丈夫かな?”って疑いながら出した曲が受け入れられたとしても、それって何の進歩もないんです。単に“良かった!”ってだけで、ミスったときに“ほら、やっぱり!”ってなっちゃう。でも、自分がギターの音、チューニング……いろんなことを考え抜いて、心の底から“最高にカッコいい”と言い切れるものを出せたときは、評価が怖くないんですよ。もちろん“カッコいい”って言ってもらえたら嬉しいけど、俺はメチャクチャ考えたし、俺そのものでありバンドそのものでもあるから、逆に否定されるのも怖くない。次のシングルも、当然そういう作品です。
――どう思われても本当に怖くないから、今は“どう思われてもいい”と歌う必要もないと。
千秋:そうなんです! もう“This Is 私”なんで、言ってみたらスッピンを晒してるようなもんですよね。着飾った自分を否定されると“マジ? こんなに頑張ったのに!”って傷つくけど、スッピンをどう言われても“いや、悪いのは親で俺じゃないし”って気分にしかならないのと同じ。実際、この前スッピンを見たファンの子に「目、ほそ!」って言われたときも、全然傷つかなかったですからね(笑)。だから考え抜いた歌詞だし、改良に改良を重ねたアレンジではあるけど、何を伝えたいか?っていうのは、作った僕からすると重要なことではなくなってる。
Sacchan:ま、いい曲ですよ。主観では聴かないんで、個人的感想とかは言えないですけど。
千秋:そういうところが前は嫌だったんです。「なんで感想言わないんだよ!」って不満だったけど、今にしてみれば、コイツはやるべきことをやってただけなんですよね。何を言ったってその曲しかないんだから、そこに向き合っていくしかないわけで。そのときそのときの“今”の俺の考えを実践してくれたのかもしれないって思うと、そこはリスペクト!(笑)

――それにしても「血液がない!」というタイトルは斬新すぎますよね。
千秋:内容は全然違いますけど、タイトルは僕の好きな作品のオマージュでもあって……どんな曲だと予想します?
――語感だけだと、70年代のホラー系少女マンガにありそうなタイトルですが……。
千秋:ああ~全然違う!
――じゃあ、血液は人間にとっては絶対に必要不可欠なものなので、そういった無くてはならないものを探す人間の話とか? あとは血液って同じところに留まらず、いろんな栄養素を運び渡しては変化し続け、流れ続けながらも同じ人間の中を巡っていくものである……ってあたりにヒントがあるのかなと。
千秋:なるほど! いいとこ突きますね(笑)。あと、サウンド的にはギターのリフが押されている曲でもあって、そこに“ぽい”とオマージュは違うっていう、僕の中での答えを出せているんじゃないかなと。何でもかんでもすぐに“パクリ”って言う風潮にも疑問があって、そもそも4人でバンドをやってる時点で何かのパクリなんですよ。ギターの6弦触ってる時点で、もう、何も新しくない。今の時代、音楽なんて何から何まで出切っているし、ロックの中にポップが流行った時代も超えて、挙句の果てには機械が歌う時代も来て。そんな中で、誰とも似てないオリジナリティを追求するとか、クソでしかないですよ! 全部ひっくるめて自分がカッコいいと思ったリフを弾けばいいだけで、それはパクリじゃなくオマージュなんだから……っていうのは、メンバーに対しても言いたいことですね。DEZERTとしてステージに上がってる時点で、もう俺らでしかないんだから、“何か”になろうとする必要はない。“どう”なりたいか?だけを考えて、そこで答えが出たときに見えた道を、正しいと信じて進むしかないんです。“どうなりたいか?”を考えれば必然的にやるべきことが見えるし、だから遊ぶ暇も無くなりましたよ。やるべきことがあるのに、なんで遊ばなきゃいけないんだ?っていうゾーンです。今や。
DEZERT
――では、シングル発売後のツアーがライブハウスではなく、ホールツアーであることにも、その“やるべきこと”の意味があるんでしょうか?
千秋:あ、ライブは別に無いね。
Sacchan:無いことは無いんだろうけど、そこに意味を見出す必要もないかなって。
千秋:うん。音源を出すまではいくらでも考えればいいんですけど、出したあとはどう受け取ってもらっても自由なんで、ライブでやるべきことって無いんですよ。ホールツアーというのも会社が提案してきたものだし、ホールだからどうとかホントに考えてない。そもそも“ライブ”っていう名前からして“生きてる”とか“生モノ”って意味なんで、ライブに向けて変に準備することにも違和感があるんですよね。本来は「なんか明日ライブしたくねぇ?」「しよう!」ってなるのが、在るべき形だと思うんですよ。
――ああ。言われてみれば。
千秋:ま、実際のところは「明日ライブするよ!」って言っても人が集まんないから、事前に告知してるんだけど。だから発表されたライブの迎え方なんて、そんなに深くは考えない。それこそ“この曲やりたいけど、どうする?”とか“ホールでやるんだったら、こうしよう”っていうレベルでいいんですよ。
――普段とは違う環境で、どうオーディエンスを楽しませるか?という自分たちに対するハードルの意味合いも無い?
千秋:ノンノン。全くもって無いっす。
――ただ、観客の立場からすると、ホールという状況でどう楽しむか?を試される場になりますから、“自由”を模索する今のタイミングにはピッタリな気もするんですが……。
千秋:でも、試されに金を払ってライブに行かされる身にもなってくださいよ! ライブって楽しみに行くものなんだから、それを客に突きつけてしまうのならホールツアーをやっちゃダメだと思う。ま、だから何とかなるんじゃないですか? 何とかしますよ! 僕だって、楽しみたいからライブをするわけですからね。
取材・文=清水素子

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