【ASIAN KUNG-FU GENERATION
ライヴレポート】
『ASIAN KUNG-FU GENERATION
Tour 2018「BONES & YAMS」』
2018年7月12日
at 新木場STUDIO COAST
「サイレン」「無限グライダー」では強烈なストロボの発光をバックにドリーミー&ノイジーな音が炸裂し、壮麗なミディアムバラード「永遠に」へ。サポートキーボードのシモリョー(the chef cooks me)を加えたインプロビゼーションのやり取りなど、プレイヤーとしての腕の観せどころもたっぷりとあった。中盤ではめまぐるしく景色が変わり、「ノーネーム」「未だ見ぬ明日に」と軽やかでダンサブルなビートが続けば、ヘヴィなロックバラード「生者のマーチ」では喜多が力強いギターソロを決める。こうしたディープな曲をじっくり味わえる、今回のツアーに参加したオーディエンスはラッキーだ。
後半へ突入し、「夜を越えて」で一気にテンポが上がった。「サイエンスフィクション」ではフロアーから一斉に手があがるのを観てゴッチがほほ笑み、「融雪」では手拍子を求める。爽快な8ビートに乗って一気に飛ばし、まばゆい虹色のライトに照らされて「新しい世界」を歌い切った時に感じたカタルシスは、ライヴの時間だけではなく、デビュー15年を超えるバンドの歴史を辿り直した充実感がもたらしたものだった。
アンコール。オープニングアクトを飾ったイギリスのシンガーソングライター、ニック・ムーンを招き入れてRadioheadの「High & Dry」をカバー。「ムスタング」から「嘘とワンダーランド」、そして本当のラストはやはりこの曲、ゼロ年代ダンスロックのスタンダード「君という花」だった。ここぞとばかりにフロアーの全員がジャンプを繰り返して大騒ぎ。序盤は軽やかに、中盤はどっぷり、後半とアンコールは明るく弾けて大団円。ベテランの域に入りつつあるバンドらしい、安定感と懐の深さを堪能したライヴだった。
撮影:Tetsuya Yamakawa/取材:宮本英夫
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