【アカシアオルケスタ】現在、過去、
未来 それぞれの自分自身との追いか
けっこ
過去、現在、未来…今があるのは過去の自分がいたから、今の積み重ねが未来を創っていく。だからこそ、“今”を必死に生きる…。強力なインパクトを聴く者全てに与えた前作『タイクツシノギ』から1年。メンバー個々にさまざまな体験をし、それを心血込めてソングライトに注ぎ込み作り上げた力作がズラリと並ぶ。先行配信シングル「ステージ」「愛撫」「アカツキ」他、全12曲収録! 藤原 岬(Vo)にインタビューを敢行!
取材:加藤 普
「震災が起きたのが、ちょうど仙台に行こうとしていたタイミングだったんです。メンバー個々に相当ショックを受けて。私自身も人間関係を含めた部分で大きなショックがありました。仙台で応援してもらっていたということも含めて、震災は私たちに大きな影響を与えました。周囲のバンドはライヴをキャンセルせざるを得なくなったりしていましたが、私たちは続けていこう、決まっているライヴは全部やり切ろうと。そして、募金というより、活動を続ける中でCDを買ってもらったりした売り上げのいくばくかを被災地に届けたいと考えたんです。北川は個人的にボランティアで被災地に入ったりもしていました」
「もう、うれしくて、うれしくて。夢みたいでした。ライヴの前日に私のブログに仙台の女の子から“ずっと待っていました。無理だと思いますが、言わなくて後悔するよりもとりあえず伝えたい。『エナジー』という曲が聴きたいです”とメッセージが届いて。古い作品ですからセットリストには入れていなかったんですが、当日になって急遽演りました。そしたら演奏中に泣いている子がいて。“あ、もしかしてこの子なのかな”と。古い曲を知っていて、その曲を聴きたいと言ってくれるファンがいることに、本当に感激しました。みんなが“仙台に来てくれてありがとう”と言ってくれましたが、こちらこそ“待っていてくれてありがとう”という気持ちでいっぱいでした」
「個人的には、過去に例を見ないくらい歌詞にのめり込んで作りました。強い思い入れがあります」
「阿部定の事件、恐ろしいけれどものすごく共感できる部分もある。狂気的に人を愛していくこととか、最期をその瞬間で終えたい気持ちだとか、まったく綺麗事とかけ離れたことだけれど、すごく羨ましかったり…。だからといってそうなりたいとは思いませんが、突き詰めると私が書きたいことってひょっとしたらそういうことだったのかなと」
「2012年に向けてアカシアオルケスタは始動するというメッセージを込めて、配信限定の3曲を7月に先に録り、一旦レコーディングを中断してプリプロ作業を行ないました。曲は2月くらいから創りためてきて5月には16曲くらいは上がっていました。先行した3曲以外の9曲を8月から録りました」
「配信も良いけれど、たまにはジャケットを手にとって聴いてもらえたらうれしいな。曲間のインターバルにまで気を配って作るものなんで。曲を1曲単位で買えるのは良いことだけれど、盤面(コンセプト)として聴いてもらえるともっとうれしいかな」
「前作の『タイクツシノギ』よりもタイクツシノギのできるアルバムになったなと思います(笑)。全部含めてアカシアオルケスタということで」
「聴く言葉と目で追う言葉は違う、そういう意味で言葉を2度楽しんでもらえたら良いなと思います」
「カッコ良いしか言ってないですね(笑)。4人そろえば何かが起きるという自信はある。何をやったところでブレないという自信。北川は“オレの音で始まってオレの音で終わっているアルバム”と言うに違いないですけどね(笑)」
「人生、メカシテなんぼです。私たちの『メカシドキ』を、楽しんでください!」