【シシド・カフカ】歌もとりどり、ド
ラムとりどり、歌詞とりどり!

今回は全体的に“脱力”がテーマで、ド
ラムも作詞も歌も考えずに感じた

あと、織田哲郎さんの曲「crying」はバラードで。

NHKプレミアムよるドラマ『はぶらし/女友だち』の主題歌として1月に配信した曲です。アルバムの最初のほうに制作したのもあって、作詞に難航して織田さんにだいぶ助けていただきました。電話口で作詞講座が始まった時もあるくらい(笑)。改めて織田さんから学ばせていただきながら書いたものですね。他の曲の歌詞も織田さん講座があったからこそ書けたと思っています。

他にも、VERBALさんとか、moumoonのMASAKIさんの曲もあったりしますが。

VERBALさんとの曲「ROLLING ROLLING」はライヴを意識して、クラブでの話とライヴハウスでの話が、両方出てくる歌詞の曲です。もともと大島賢治さんの曲がAメロでラップっぽいパートがあったので、そこでVERBALさんに相談して。言葉遊びではレジェンド級なので、これもやはり勉強になりましたね。実は、タイトルは私のアイデアなんです。歌詞にも“ROLLING ROLLING”という言葉はなくて。やっぱりロックだし、回っていくという意味も加えたかったので入れさせていただきました。VERBALさんは以前から面識はあったのですが、この時はお会いできなくて少し残念でしたね。MASAKIさんとの曲「特別な人」は、最初はザ・ストロークスっぽいものをイメージしていたんです。ギターとベースとドラムと歌が、いい意味で癒着せずに転がっていけたら面白いなって。それぞれがそれぞれの音として転がっていくみたいな。それでMASAKIさんはギタリストだしって、お願いをしてレコーディングしたら、ギターの感じとかで思った以上にポップになっていって。それに寄せて歌詞を書いていった感じでしたね。

アルバムの最初はど派手でしたけど、最後のほうは結構しっとりとしていく感じですね。

そうですね。曲順を考える時はライヴのセットリストみたいな感覚だったし、曲のオーダーの仕方もライヴのこういうシーンに合う曲を!というやり方だったし。最後の「春の約束」は“最後に似合う曲で、どんなに広い会場でも奥まで届くような曲が欲しいです!”と亀田さんにオーダーしました。「最低な夜のあと」も、ここらでバラードが欲しい、と(笑)。

「最低な夜のあと」の大西省吾さんは、どんな方なのですか?

実はデビュー前に知り合った、7〜8年くらいの付き合いになる作曲家さんです。私の暗黒時代には、彼の楽曲で仮歌を歌うバイトをしていたこともあったので、私の歌声のいいところを知り尽くしてる人なんです。

“最低な夜”というのは暗黒時代のこと?

そう。最低だった過去を受け入れ、そんな時期を経ての今も悪くないなって。作詞と歌録りが最後だったので、幸せだった制作過程を振り返って、何となく感傷的になりました。

先ほどの暗黒時代の話が、ここにつながっていた!

そうなんです!(笑) 実は長い付き合いだけど、編曲はあっても楽曲を書いてもらったのは初めてという。そういう部分でも感慨がありましたね。ずっと横で“頑張ろうよ!”と言い続けてくれたひとりで、私が『SUMMER SONIC』や『ROCK IN JAPAN FES』などに出た時は、サポートで参加するたびに喜んでくれて。昔は引っ張ってもらっていたけど、こうして同じ場を共有できる関係になれたことが、すごく嬉しいんです。

ラストの「春の約束」は、まさしく亀田さん節ですね。

はい。歌詞はサビの《サヨウナラ なによりも アリガトウ》がはまって、そこから書いていきました。春を題材に書いたことがなかったので、チャレンジしたかったし。でも、途中で天邪鬼が出てしまって(笑)。曲調はさわやかだけど寂しい曲にしたいと思ったんです。例えば、森高千里さんの「気分爽快」はお酒を飲んで楽しい歌かと思いきや、好きだった人を友だちに取られて、やけ酒飲んでる歌なんですね。これはそこまでブラックではないけど、明るさの中に切なさが隠れている歌詞にトライしてみようと。いい具合に力を抜いて書けました。今回は全体的に“脱力”がテーマでもあったので。ドラムも作詞も歌も、考えずに感じるみたいな。前は考えすぎちゃっていたから。

そして、5月〜6月には久々のツアーが。

曲によっては打ち込みもありますが、メンバーもギター、ベース、キーボードを入れた4ピースで全カ所回るので、音源とは違ったものを楽しんでいただけると思います。それに、2カ月弱という短期間の間に9公演もあって、これだけ詰まっているのは初めてなので、ツアーを通してバンドが成長していく姿を体現できるんじゃないかと。最初のほうもきっと勢いがあって楽しいでしょうし、会場によって成長して育っていくシシド・カフカを見てもらえると思います!!
『トリドリ』2016年04月27日発売avex trax
    • 【CD+Blu-ray】
    • AVCD-93430/B 6264円
    • 【CD+DVD】
    • AVCD-93431/B 4104円
    • 【CD ONLY】
    • AVCD-93432 3240円
シシド・カフカ プロフィール

シシド・カフカ:メキシコ出身。ドラムヴォーカルのスタイルで2012年「愛する覚悟」でCDデビュー。13年9月に1stアルバム「カフカナイズ」発売。フジテレビ『新・堂本兄弟』『ファーストクラス』への出演や、『PRETZ』『SONY WALKMAN®』『Levis®』などのテレビCMでも話題に。15年6月にはセッションミニアルバム『K⁵(Kの累乗)』をリリース。各フェスへの出演の他、女優、モデルなど、多方面で活躍中!シシド・カフカ オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着