「命の保証は出来ない!」アプガ2時
間ノンストップライブ開戦

 11月30日、お台場・Zepp DiverCityにて『~アップアップガールズ(仮) ライブハウスツアー2014 ハイスパートキングダム ~Zepp DiverCity決戦~』が開戦された。本公演は、昨年末に川崎CLUB CITTA’で行われた2時間ノンストップライブを3大都市ツアーに拡大したものである。今回はツアー初日・夜公演をレポート。 2時間ノンストップ、しかも昼夜2回公演……アップアップガールズ(仮)のライブはトレーニングかと思ってしまうくらいの激しさだ。この日、アプガの公式ハッシュタグは「 #生きて帰るぞ。」それくらいの心持ちで彼女達は、ステージに挑む。

 カウントダウンが始まると『ENJOY!! ENJO(Y)!!』からスタート。この日はメインステージに加え、フロアに十字の通路が設置。そのあちこちにお立ち台が用意されていた。会場のどのエリアにいてもメンバーが近くに観られるとあって、ファンの熱気も凄まじい。2Fから観ていても、お立ち台に立つ森咲樹は長身を活かした豪快なパフォーマンスも素晴らしい。仙石みなみもその甘い声と小柄ながらもしなやかな女性らしいダンスで魅了する。

「みんな、倒れる覚悟は出来てるかー!?」という佐藤綾乃の煽りと共に『Beautiful Dreamer』へ。この曲はBase Ball Bearの小出祐介が作詞作曲を手がけ、先日オリコンウィークリーランキング7位を獲得した楽曲。メンバーは本公演前日に同会場で行われたBase Ball Bearのライブを観に行ったため、昨夜からイメトレもばっちり? 歌詞もまさに“私、たたかうから”と、この戦いに対しての選手宣誓のよう。

「今日のために生きてきたくらい楽しみにしていたんですよ!」と気合い入りまくりの破壊王・佐保明梨が渾身の瓦割りを披露すると、佐藤も「倒れても命の保証は出来ないんで!」と過酷な戦いに向けて会場のファンと一緒にラジオ体操を始める。とてもシュールな光栄だったが、微笑ましい。それにしても今回、佐保の体幹と筋肉のバネには驚かされた。元々身体能力が高いメンバーだが、片足立ちになるようなダンスでもブレがない。『マーブルヒーロー』では古川小夏の激しいダンス。その前向きであっけらかんとしたキャラクターが印象的だが、実は技巧派で努力の人。煽りパートでダンスを休みつつ力を抜くのが普通なのだが、彼女は音が鳴る限り、きっちりと自分自身の振りを踊り切る。どこで休むの!? と心配になってしまうほどだ。

 その後も曲間さえ殆ど空けずにライブは続く。そう、今回はSEからアンコールまで1トラックで繋いでいるのだ。アーティスト写真で鍛え抜かれた腹筋を披露している佐藤もポニーテールを振り乱しながら、パフォーマンス中もファンへ力強い眼差しを送る。「着替えとかお水、持ってきた?」と観客をいたわる発言があったが、ここまで当の本人達は余裕の表情。〝2時間ノンストップライブ〟といいながらも、会場全員が彼女達に釘付けになっているためファンも携帯や時計を見る余裕が無い。今、いったいどのくらい駆け抜けたのか・最後まであとどれだけの曲があるのか、わからないままでステージの彼女達と一緒に踊っている。

 新曲『キラキラミライ』で青春パンクを彷彿とさせる真っすぐなチューンで“男前なアプガ”をアピール。その後披露された楽曲も、若干の歌・ダンスパートの変更もあり、本来は〝みーこし〟スタイルで仙石が担がれる『アップアップタイフーン』の間奏部分も、今回は関根梓がアプガ神輿の頂点に君臨。フロアを駆け巡る。『お願い魅惑のターゲット』では新井と佐保の絡みがとっても愛らしかった。

「ここからはゴリゴリEDMメドレー、行きます!」と怒濤の連打。レーザービームを光らせながら約10曲を踊り狂う。メドレー、と言いながらも各楽曲の尺も長め。最年少で今まで体力に不安があったという新井愛瞳も笑顔に余裕がある。華奢な体型で声も細めだった彼女だが、声量が増してパフォーマンスも力強くなっていた。

 アンコールは「最後まで戦って行きますよ!」と『年末アプガのリバースMix2014』からスタート。20曲以上を繋ぎ、最後まで怒濤の勢いでアピールで戦い抜く。本編で披露されたメドレーと同ボリュームのものを最後の最後に出してくるとは……驚かされる。「最後はみんなで(サイリウムを)振って!」と『Party!Party!』で会場をキラキラとしたサイリウムの光で一体化。アンコールまで無事に完走! と思ったところで、警報音が鳴り響く。何があったのか、重大発表? と思ったら2015年に開戦する、アプガ全国47都道府県ツアーが発表された。1年書けて全国横断するこのツアー。第一弾発表として3月4月の9箇所がブログにアップされるとのこと。関根梓は「やっぱアプガだなー!!!!!」の叫びながら、笑顔で舞台袖に消えて行った。

 このツアーの終盤に日本武道館公演が発表されるのかはまだわからない。それでも、2015年、アップアップガールズ(仮)は、九段下の坂を攻め上がるまで、一県一県、下剋上・全国統一のために進んで行く。※初出時、新井愛瞳さんの名前を間違えて表記しておりました。お詫びし、修正いたします。



achico 寝ても覚めてもアイドルポップ!なOL / フリーライター。東京生まれH!P POP育ち。日々、アイドルに踊らされています。

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