L→R ラムシーニ(Music&Piano)、千咲(Vo&Lyric)

L→R ラムシーニ(Music&Piano)、千咲(Vo&Lyric)

【群咲 インタビュー】
未来がもっと明るいっていう
意味の言葉があってもいい

令和ポップをアップデートする群咲から新作ミニアルバム『お先☆真っ眩』が届いた。『ウマ娘 プリティーダービー』のダイワスカーレット役で知られる声優・木村千咲と、音楽家のラムシーニによるふたり組ユニット。取材は漫才のようなかけ合いで、刺激的な作品が持つ魅力を笑かしながら語ってくれた。才気あふれるニュータイプな表現者の誕生だ。

ジャンルに縛られずに
暴れ回っている

ジャジーな要素からプログレ、ボカロ文化圏からの影響など、音楽的な幅も広い素晴らしい作品が仕上がりましたね。

千咲
群咲感が詰まった作品だと思っています。ジャンルに縛られないというか、暴れ回っている感じが“らしい”ですよね。
ラムシーニ
自分にとって創作活動において成功した曲の基準は、“散歩中に繰り返し聴ける”かが大事なんですよ。今回に関しては、すでに50回以上繰り返し聴いているので成功したんじゃないかな?

制作前にどんなミニアルバムにしようと思っていました?

千咲
う〜ん、(ラムシーニの顔を見ながら)ありました?
ラムシーニ
あったでしょ!(笑) 先行配信した2曲を入れることは決まっていて。でも、ストックからだけじゃなくて新曲も大事だと思って作ったのが1曲目の「ただ、灰に塗れる」でした。背水の陣で作ったので火事場のくそ力が出たんじゃないかな?

勢いあるアッパーなバンドサウンドに持っていかれましたね。

千咲
嬉しいです。ラムシーニさんが推すお気に入りの曲なんですよ。
ラムシーニ
スタッフも含めて満場一致で収録が決まって。

なるほどね。ちなみに“お先☆真っ眩”というミニアルバムのタイトルもすごいインパクトです。アーティスト名もだけど、ストレートに読めないもんね。

千咲
あははは! そうなんですよ。これは“オサキマックラ”と読ませます。
ラムシーニ
声に出して読んだだけだとネガティブ感が出るね。

でも、文字面は明るくてポジティブという。

千咲
明るいんですよ、本当は。これまでの作品のタイトルに合わせて前向きな感じにしたくて、なんか急に出てきたんですよ。
ラムシーニ
天才肌なんで。
千咲
(笑)。“お先真っ暗”という言葉があるんだったら、未来がもっと明るいっていう意味の言葉があってもいいんじゃないかなって。それで“眩む”という字にして。“眩しいくらいの未来に向かって歩いて行こう”という意味にしました。真ん中の星マークは“もっとハッピーにしようよ”って。
ラムシーニ
星を入れたら“もっとシャイニングするやん!”って(笑)。

なるほど(笑)。いいタイトルですね。それにしても「ただ、灰に塗れる」のアレンジへのこだわりがハンパないですよね?

ラムシーニ
ありがとうございます。最近はこの曲調をあえて避けていたんです。でも、今回、“お先☆真っ眩”というタイトルもあって、僕もしっかりと過去と向きあわんとあかんかなと。

エモいな。曲を聴くと深い想いも分かる人には伝わりますね。歌詞の世界観もより広がった新境地で。

千咲
そうなんです。歌詞を書く前に参考資料をもらいました。
ラムシーニ
いつも歌詞は完全に任せているんですけど、とあるWEB漫画がありまして、その作品を3冊ほど読んでもらったんです。
千咲
作品を読んで、この気持ちはほんまに自分に当てハマると思いました。世の中への生きづらさだったりが特に共感できましたね。漫画を読んだことで、自分の気持ちを言語化することが楽しくなったんです。なので、スラスラと歌詞を書けました。ラムシーニさんが歌い方も褒めてくれて。
ラムシーニ
曲の世界観に没入して表現してくれましたね。

なるほどね。いい話を聞けました。

ラムシーニ
えっ? 大丈夫ですか!? 笑いがないですけど(笑)。不安になってきたな(苦笑)。
千咲
あははは。

音楽誌なんで、笑いがなくても(苦笑)。

ラムシーニ
失礼いたしました(笑)。

この流れから、ミニアルバムのリード曲となる2曲目「一般ピポピポ」もめっちゃ良くて。BPM早い、中毒性が高いメロディーが特にいいですね。

ラムシーニ
自分たちの曲にライヴでコール&レスポンスができる曲がないと気づきまして(笑)。それに、同じフレーズを繰り返し歌う曲って強いじゃないですか。とっつきやすいというかね。歌詞もそんなに難しくないので聴きやすいんじゃないかな? それと、この曲でチャレンジしたのは、バンド出身のギタリストとベーシストに演奏をお願いしたんです。

作詞のテーマ性もこだわりがありそう。

千咲
楽しんで書きましたよ。結果的にどれだけ“ピポピポ”入れられるかになって(笑)。
ラムシーニ
最初はあまりなかったんだよね。
千咲
そうそう。だんだん、“もっとピポピポ言っていこう”ってなりました。途中でもピッポピポポーって入れたり(笑)。歌詞なんですけど、私は自分のことを一般人だと思っているんですよ。仕事的には、周りからしたら芸能人なのかもしれないんですけど…そんな葛藤を明るい曲で書きました。でも、ピポピポしていたらいいかってなったところもある(笑)。
ラムシーニ
えっ、どういうこと?

あははは。

千咲
まぁ、人間していたらいいかなって(苦笑)。
ラムシーニ
今、“ご承知のとおり”のテンションで共通言語のようにピポピポを使っていたよ(笑)。
千咲
なんか伝わるかなと思って(笑)。自分が考えても周りが思っていることは変えられへんし。結局はみんな人間やし、人間らしくしてたらいいんじゃないかと。この『お先☆真っ眩』というアルバム名にもかかってくるんですけど。今回のアルバムは先に向かって明るくなっていく衝動的な曲が多いんです。その代表曲が「一般ピポピポ」ですね。

そこに千咲さんらしく少しダークな感情も振り撒きつつ。

千咲
そうですね。回り回ってダークになりつつも、結局は自分で納得できたことに気づけた感じです。
L→R ラムシーニ(Music&Piano)、千咲(Vo&Lyric)
ミニアルバム『お先☆真っ眩』

OKMusic編集部

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