北園涼

北園涼

【北園涼 インタビュー】
打ち出したいものだったり、
伝えたいことは変わっていない

2019年のデビュー以来、3枚のアルバムを発表してきた北園涼が5周年の節目にベストアルバム『RYO KITAZONO BEST〜2019-2023〜』をリリースした。俳優業と並行してのアーティスト活動で、ぶれることなく続いてきた彼のビジョンは綺麗事ではなく、実にリアルなもの。苦しみの淵に立たされながらも、それでも諦めず、前向きに生きていこうというメッセージをアツいロックチューンに乗せて、他の誰でもない“あなたの幸せ”を訴えていく。

ライヴでファンと一緒に歌う瞬間は
一番喜びを感じるかもしれない

アーティストデビューしたのが2019年の2月ということで、まさに今回のベストアルバムがリリースされる頃に5周年を迎えられますが、振り返ってみてどんな年月でした?

“あっと言う間に5年が経ったな!”って感じがありますね。ありがたいことに、だいたい1年に1枚のペースでアルバムを出させてもらえて、ツアーをして…とやっていたら、一年が終わっていくという。その繰り返しでした。

その間、俳優業も並行していたことで、アーティスト業の良さも実感できたはずですよね。

“すごく自由だな”とは思いました。お芝居には台詞だとか決められた動きがありますけど、音楽やライヴって決まりごとがないじゃないですか。もちろんコード進行の決まりだとかの音楽理論はあるとはいえ、そういったものにとらわれなくてもいい自由さみたいなものをすごく感じましたね。

逆に自由だからこそ、どうしていいのか分からなくなることもありません?

めちゃめちゃありました! 例えば、自分で曲を作ろうとして向き合っても、決まりがなさすぎるから、どこから手をつけていいのか分からなくなるんですよ。でも、そういった難しさよりも楽しさのほうが大きいです。作詞するのもそうだし、特にライヴでファンと一緒に歌ったり、一体感を持てた瞬間は一番喜びを感じるかもしれない。だから、コロナ禍でお客さんの声が聞けなくなった時は寂しかったですし、“ライヴって何だろう? どうすればみんな楽しんでくれるんだろう?”ってことを考えていましたね。最近また聞けるようになって、より一層みんなの声の大切さというか、“あっ、これが喜びだったんだな”って改めて感じました。

3rdアルバム『Ignition』(2022年6月発表)のインタビューをさせていただいた時、“もう少し音楽について考える時間を増やしたい”とおっしゃっていましたが、それは実現してます?

増えていると思います。例えば舞台に立っていても、歌だけでなく後ろで鳴っているBGMまで意識するようになったり、“あの音いいな”“この劇場のスピーカーいいな”とか音にすごく敏感になりましたね。あとは、しばらく離れていたヴォイトレにも行き出したし、いろんなジャンルの音楽にも触れるようになりました。今まで邦楽ロックばかりだったんですけど、海外のロックとかも聴くようになって、最近はLINKIN PARKをめっちゃ聴いています。“通ってなかったの?”って驚かれるかもしれないけど、僕は世代的に少し下なんですよ。

これまでのリリースを総括した今回のベスト盤を聞いても、そのロック好きなところは痛いほど伝わってきましたよ。

ちょうど5年という区切りで、どんな曲が今まで生まれてきたのかを、ここで一回振り返るのもいいかなと思ったんです。で、自分が好きな曲、ファンのみんなが好きそうな曲、ライヴで盛り上がる曲、あとは自分が作詞した曲という感じで選んでいったら、ちょうどいい曲数になって。曲順もそれほど苦労することなく、特に頭と終わりはすぐ決まりましたね。ずっとピークみたいなアルバムなので、後半はちょっとおとなしめの曲でしっとりさせましたけど(笑)。

確かに1曲目の「Ark」からいきなりヘヴィに攻め立てられて、アルバムの構成としては斬新だと感じました。

そうかもしれませんね。「Ark」は1stアルバム(2019年10月発表の『Ark』)のリード曲で、MV撮影の時のことだったり、いわゆる“動き出したあの日”みたいなものを感じる曲なんですよ。そこからすごく前向きで、戦いに挑むような曲が続きますけど、特にそういった曲を選ぼうと考えていたわけではなく、この5年、打ち出したいものだったり、伝えたいことは変わっていないので、どの曲を選んでも自然とそうなっていくんですよね。もちろん生きている中で変わるものもあるけれど、やっぱり大切にしているものは変わらないので、それは変わらずに綴れていると思います。
北園涼
アルバム『RYO KITAZONO BEST〜2019-2023〜』

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着