【UNICORN リコメンド】
思いがけない音楽に
出会えることの愉悦
メンバー5人の
言葉のとらえ方が近しい
さらに注目したいのは歌詞。アルバムタイトルに直結した“クロスロード”“交差点”というワードがほぼ全編で見受けられる。おそらくEP制作、アルバム制作にあたり、タイトルが提示されたか、コンセプトとしてこれらの言葉が示されたのだろう。軽く驚いたのはメンバー5人のその言葉のとらえ方が近しいことだ。奥田が《とにかく歩こう 明るい交差点》(M1「クロスロード」)と歌えば、てっしー(手島いさむの愛称)は《迷う決める交差点/青になったら踏み出せばいい 何か見える道がある》(M7「オカゲサマ」)と語りかけ、EBIは《スクランブル交差点/茨の道を 選んだって 辛くたって 間違いなんかない》(M8「バイカーズパラダイス」)と言っている。西川は《それぞれのクロスロード 思いのままに》(M9「1万トンバース」)だ。ABEDONの歌詞では、M2「OAW!」での《交差点上空》以外、交差点やクロスロードに絡めた具体的描写はないものの、《明るい未来は みんなの願いさ》(M11「100年ぶる~す」)とアルバムを締め括っている。全員が清々しいまでにポジティブなのだ。
それこそ、かつての『服部』や『ケダモノの嵐』ではサウンド同様に歌詞の内容もバラバラだったことから考えると、隔世の感があるというか、それにも意表を突かれた。しかし、その聴き応えは決して悪いものではない。こちらを何か奮い立たせてくれるような印象がある。心地良い不意打ちはやっぱり楽しい。
それこそ、かつての『服部』や『ケダモノの嵐』ではサウンド同様に歌詞の内容もバラバラだったことから考えると、隔世の感があるというか、それにも意表を突かれた。しかし、その聴き応えは決して悪いものではない。こちらを何か奮い立たせてくれるような印象がある。心地良い不意打ちはやっぱり楽しい。
文:帆苅智之