相良茉優

相良茉優

【相良茉優 インタビュー】
“みんなも大丈夫だよ”っていう
メッセージを受け取ってもらえたら

来年に劇場版の公開が発表されている『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の中須かすみ役などで活躍する声優の相良茉優が、ポジティブなパワーにあふれたアルバム『Smile my style』でアーティストデビューを果たした。多彩な楽曲に自分の生き様を投影しながら聴く人の背中を押してくれる同作の話をフックに、彼女のキャラクターを掘り下げる!

言葉を立てるところは
立てるように意識した

アルバム『Smile my style』でアーティストデビューということで、もともと音楽活動には興味があったのですか?

声優デビューしたばかりの頃は“いつかアーティストデビューしたい!”と思っていましたけど、いろんなお仕事をしていくうちに“そんなに歌がうまくないし”とか“私はちょっと方向性が違うかも”と思い始め、“もうダメかな”と思っていた矢先にお声がけをいただいたから、“私でいいんですか?”って感じでしたね。しかも、歌う楽曲の方向性や活動のスタンスも、私が目指すアーティスト像でいいというお話だったので、“ぜひに!”ということになりました。

相良さんが目指すアーティスト像というのは?

アーティストってカッコ良くて手の届かない遠い存在というイメージがありますけど、そうではなくて。もっと近い距離感で、気軽に歌を聴きにライヴに来てもらえるような、それこそ隣にいるような存在感のアーティストになれたらいいなと。私自身もオタクなので、応援していた声優がアーティストデビューしたら、遠い存在になってしまうんじゃないかと不安になる気持ちが分かるんです。だからこそ、今のファンとの距離感は変えずに、みんなの近くで背中を押したり、手を引いたりできたらいいなと。

それがそのままアルバムのコンセプトになっているわけですね。

はい。楽曲については、最初は“ガールズバンドっぽい作品になるのかな?”と思っていたのですが、最終的にすごくいろいろな曲調の楽曲が揃いました。楽曲はコンペで集めて、スタッフさんが大まかにセレクトしてくださったものの中から、私が単純に好きな曲を選びました。どちらかと言うとキラキラした明るい曲よりも、低音系やロックっぽいものが好きなので、そういう曲も選ばれていますね。

序盤の3曲「Sing so free」「エソラシング」「Go for it!」が、まさしくロック系の楽曲です。

アイドルとかのキラキラした曲も聴くのは好きですけど、カラオケで歌うなら男性ヴォーカルのロックとかバンドものが多いんです。声のキー的にも低めのほうが歌いやすいし。例えばオーイシマサヨシさんやUNISON SQUARE GARDENさんが好きなので、ゴリゴリのロックよりはアニソンの中のロックというか。アニソンを聴いて生きてきたから、ファンシーで可愛いものよりは水樹奈々さんのようなカッコ良いアニソンが好きなんです。

1曲目の「Sing so free」はバグパイプの音で始まるところがいいですね。

いいですね。オープニング感もすごく出ていますし

歌詞については“この曲はこういう歌詞がいい”とかを話されたのですか?

作家さんと話したわけではないのですが、どの歌詞もすごく私っぽくて共感するものばかりでした。きっとスタッフさんを通じて、私の考えていることや性格みたいなものが伝わっていたんだと思います。歌詞に関しては“みんなを元気づける”というのがコンセプトのひとつとしてあったので、そこも含めて第一稿から“いいな”と思いました。

序盤の3曲は“夢を追いかけて新しい扉を開く”というメッセージが込められていますが、やはり相良さんの子供の頃の夢は歌手でしたか?

“歌手になりたい!”と言っていた時期もありましたけど、小学校5年生頃から声優を目指し始めて…その前に一瞬、医者とか弁護士と言っていた時期もありましたね。私、すごく影響されやすいので、その頃に観ていた医療ドラマや法律を扱った番組の影響で“私もなりたい!”と思ったんだと思います(笑)。

2曲目の「エソラシング」は夢を絵空事と笑われようとも構わずに追いかける歌ですが、実際に声優になりたい夢を“そんなの絵空事だよ”と笑われた経験が?

高校に入ってからオーディションを受けるようになったんですけど、それまでは親にも声優になりたいと言ったことはなくて。だから、最初は“ほんまに言ってんのか?”みたいな感じでしたけど、初めてのオーディションで最終審査まで残ったから“意外と行けるんちゃう?”みたいな(笑)。うちの親は否定するタイプではないし、もともと私自身は親に反対されても“絶対なる!”と決めていたから、親が何を言おうが関係ないと思っていましたね。怒られても“そんなん私の勝手やん!”って(笑)」

よく怒られていたんですか?

勉強もしないでオンラインゲームをやったり、ニコニコ動画の海を彷徨ったりていたので、それでよく怒られていました。でも、“遊べるのは今だけなんやからええやん!”って口ごたえばかりしていて(笑)。「エソラシング」も“気にせず自分の好きなことに突き進め!”みたいな感じの曲ですし、序盤の3曲はみんなを勇気づけたり、背中を押すような曲が並んでいます。私はそういう生き方をしてきたので、“みんなも大丈夫だよ”っていうメッセージを受け取ってもらえたらいいですね。

4曲目からはEDMとかエレクトリックなサウンドの曲が並びますね。

ちょっとテイストが変わります。

「ノンノンシュガーシュレーディンガー」はエレクトリックで音楽的にも面白いです。

面白いし、最初に聴いた時は“なんてお洒落なんだ!?”って思いました。こういう音楽性の高いサウンドにはあまり触れてこなかったので新鮮でしたね。簡単に言うと、今っぽいというか(笑)。この曲が一番、録ったあとのサウンドが変わったんです。他の曲はほとんど録った時のままミックスダウンされているんですけど、この曲は遊び心が加わってすごく変身しました。

それこそシュレディンガーの猫ですね。蓋を開けるまで分からない。

まさに(笑)。シュレディンガーの猫をもとに歌詞が書いてあって、楽曲もお洒落だし、言葉のチョイスも素晴らしくて! 歌詞に《つくし世代とか 言われてるみたい》ってあるんですけど、“つくし世代って何?”って思って調べましたもん。

相良さんが“つくし世代”だと?

そうらしいです。ゆとり世代→さとり世代→つくし世代みたいな。自分のやりたいことが見つからない人が多い世代らしく、言われたことはできる…つくすことはできるけど、自分の芯みたいなものがないっていう意味だそうです。

相良さんは“自分”というものをしっかりと持っていますよね。

だから、学校で浮いていたんですよ(笑)。先生にもよく口ごたえしていましたし。社会の授業中に英語の宿題をやっていて注意されても“授業もちゃんと聞いてます”って(笑)。振り返るとすごく我が強かったなって思いますね。

そんな「ノンノンシュガーシュレーディンガー」ですが、歌うのは難しくなかったですか?

前の3曲がカッコ良い系なので、それと比べたらテンポ的にも余裕がある感じだったから、特に難しくはなかったです。代わりに独特のノリを重視しました。あまり流れすぎないようにアタック感を残しつつ、歌詞が面白いので聴き取りやすいように言葉を立てるところは立てるように意識しました。あと、《Da DaLa Da Da DaLa Ta》というスキャットは結構こだわっていて、カッコ良くやるのか可愛くやるのか何パターンも録りました。最終的に落ち着いた感じのつぶやいているパターンになりましたけど。
相良茉優
アルバム『Smile my style』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
アルバム『Smile my style』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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