L→R 咲人(Gu)、Ni〜ya(Ba)、YOMI(Vo)、RUKA(Dr)、柩(Gu)

L→R 咲人(Gu)、Ni〜ya(Ba)、YOMI(Vo)、RUKA(Dr)、柩(Gu)

【NIGHTMARE インタビュー】
自分たちの歩みの中で
“ここに来ました”という楔になった

“ちょいダサ”みたいな
ところを狙った

「Rebel」の歌詞はRUKAさんのペンによるもので、《まだ足りない 何も満たされない/渇きが消えない》という強い渇望感を歌っていますね。

咲人
最初は歌詞も自分で書こうと思っていたんですけど、俺の作詞作曲が何回か続いていたので、そろそろ違うエッセンスを入れたいと思って、RUKAさんにお願いすることにしました。RUKAさんにテーマを伝える時に、それこそヤンチャな感じとだけ伝えたんですよ。第1稿は今の歌詞と大幅に違っていなかったけど、言葉遣いがちょっと固いところがあったので、“ここはもうちょっと変えてください”というやりとりをして書き上げてもらいました。でも、思ったよりも真面目な方向に仕上がった印象がありますね。

“どこか透明感のある痛み”という味わいがRUKAさんらしいと思います。続いて2曲目の「Pierrot Le Fou」。この曲は尖りやレトロな雰囲気が香っていますね。

咲人
これは我々が10代後半とかに聴いていた、その当時に流行っていたビジュアル系と呼ばれる人たち…しかも、ちょっとインディーズシーンをイメージして作った曲です。その頃の匂いを出したかったんですよね。この曲は「FAREWELL」の時にもうできていたけど、そこにはちょっと入れる余地がないと思って、入れないことにしたんです。だけど、デモの段階で柩がこの曲をやりたいと言ってくれていたし、俺も気に入っていたので、今回入れることにしました。

確かに90年代の匂いはありますが、現在の音楽に相応しいスピード感がありますし、当時のこういった楽曲は刺々しさや妖艶さなどを押し出したものが多かったですよね。そういう意味で「Pierrot Le Fou」はモダンな感覚になっています。

咲人
それはYOMIの歌い方もあるかもしれない。自分の中では“ちょいダサ”みたいなところを狙ったというか。オーケストラヒットの音が入っていたりするのも、そういうところがもとになっているんです。

全然ダサくはないです。咲人さんはお洒落度が高いため、ご自身の中でちょっとダサいと感じるものも、世間一般的にはダサくない気がします。

咲人
だとしたら、ありがたいですね。完全にダサいと言われたら、それは終わりだと思っているので(笑)。個人的にこういった“ちょいダサ回顧シリーズ”みたいなのは、今後やっていきたいというのがあるんです。自分たちが10代の頃にライヴハウスに行って、“あのバンド、カッコ良いよね”と言っていたような、あの時の感覚を現代に落とし込むという。そういうことをやりたくて、自分の中では「Pierrot Le Fou」はその第1弾という感覚です。

ぜひシリーズ化していただきたいです。「Pierrot Le Fou」の歌詞はパートナーに飽き飽きしている女性の心情が、わりと攻撃的な口調で描かれていますね。

咲人
台詞回しとかも、ちょっと昔の女性みたいになっていて。あえてそうしたんですよ。タイトルもそうですが、要はジャン=リュック・ゴダールの映画『気狂いピエロ(原題:Pierrot le fou)』をモチーフにしているので、その結果昭和感が出ているかもしれない。「Pierrot Le Fou」はそういう歌詞になっています。
YOMI
「Pierrot Le Fou」は今回のシングルの3曲の中ではわりと悩みつつ、“どれくらいかな?”みたいなところを探っていった感じです。歌のニュアンスというか、濃さですよね。そこで結構悩みました。僕の個人的な印象ですが、咲人の曲はサビとかよりもAメロとかBメロが難しかったりするんです。それはニュアンスも含めて。なので、慣れているとはいえ、毎回ちょっと手こずっていて。この曲もそうでしたね。

弾力感のある声でリズムを出しているのが心地良いですし、女性言葉で歌っていながらナチュラルな感覚で聴けるのもさすがです。

YOMI
女性目線の歌詞というのはNIGHTMAREでは前からあったりするので、そこまで抵抗はなくて。俺は歌うにあたって歌詞が女性言葉ということは、あまり気にしないんですよ。だから、いい具合になったのかなという気がしますね。
さっき咲人から話があったように「Pierrot Le Fou」はデモを聴いて、すごくやりたいと思いました。曲の雰囲気がいいし、ギターが面白いし、ライヴで演奏したら盛り上がることが見えたので、その上でギターを弾きたいと思ったんです。あとは、サビはデモの段階から疾走感があって、それを強調するようなギターにしたいというのもありましたね。

ギターで裏拍を出しているパートが多いことも含めて、グルーブということを強く意識されたのかなと思いました。

僕はパートで言うとバッキングがメインで、咲人とリズム隊の間にいる感じというか。うまい接着剤になるといいという感覚があって、リズムだったり、グルーブだったりは大事にしていますね。

リズムギターというのは楽器を演奏しないリスナーには伝わりにくいところがありますが、楽曲を心地良く聴かせる上で重要な役割を担っていますよね。

そう思います。リズムギターはすごく楽しいです。
咲人
最近は俺もリードを弾いているより、リズムギターのほうが楽しかったりする。歳を取ると、そうなってくるんですかね? 白玉でダーン!みたいなのは大嫌いだったけど、今はそれが一番気持ち良い…みたいな。最近はリードになる曲のサビの頭は白玉寄りにすることが多くて、それもコードが何にせよ弦6本全部を弾くようにしているんです。パンチを出したい時は柩とふたりで弦6本全部を鳴らすような白玉を弾くのが一番いいということに気づいたんですよね。やっとその魅力に気づいたという(笑)。

キャリアを積んで、リズムギターやシンプルなプレイの楽しさや奥深さに気づいたという方は多いです。「Pierrot Le Fou」の咲人さんご自身のギターパートに関してはいかがでしょう?

咲人
デモの段階で自分が弾いていたものと、ほぼ変わっていないですね。ツインギターでひとつのフレーズになるかけ合いみたいなことをやりたくなって、少なくともそこだけはそのとおりに弾こうと思ったんです。だから、最初にフレーズを考えて、それを分解して2本に振り分ける作業をしました。あと、この曲のギターソロの入り方は超気に入っています。この曲のソロは入りが全てという感じですね。で、後半は3本くらいのハーモニーになっていて。ライヴのことは考えずにトリプルリードにしたんです。だから、ライヴでは柩とふたりでツインリードを弾いて、1本は省略すればいいかなと思っています。

OKMusic編集部

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