King & Prince「僕たちには皆さんが
いる」 “果てしない未来へ”の一歩
となった全国ツアー・Kアリーナ横浜
公演をレポート

King & Prince LIVE TOUR 2023 〜ピース〜

2023.10.22 Kアリーナ横浜
※以下のテキストには演奏曲の記載があります。ネタバレを避けたい方はご注意ください。

King & Princeがライブツアー『King & Prince LIVE TOUR 2023 〜ピース〜』のKアリーナ横浜公演を10月20日(金)〜22日(日)に開催した。本ツアーは8月リリースの5thアルバム『ピース』を携え8月から行われているもので、現体制になってから初のツアーとなった。アルバムは「肩肘張らず、気負わず、自分たちがまずは楽しむ」をテーマに、今のKing & Princeを詰め込んだ1枚で、ツアーも「今のKing & Princeのすべて」をテーマに作られたという。
2人のメンバーカラーを表した2色のペンライトで染め上げられた会場に、シルエット姿の髙橋海人と永瀬廉が登場。大歓声に迎えられた2人は「My Love Song」や「koi-wazurai」といった王道のラブソングで華やかに幕を開けた。<昨日までの僕 明日の僕 変わっていく 君も 僕も><今日より少し やわらかな夜明けを 迎えられるように>と歌う「静寂のパレード」で始まるパートでは、「That's Entertainment」など7 MEN 侍やダンサーと共に激しくスキルフルなダンスでも魅了するなど、様々な姿を見せていく。MCでは緩やかな雰囲気を存分に発揮するも、パフォーマンスでは一変。歌声やダンスパフォーマンス、表情に感情の全てを乗せるよう、ときにストイックに、ときに全力ではしゃぎながら、終始ステージですべてをさらけ出そうとする。
アルバム『ピース』で初めてソロ曲に挑戦した2人は、もちろんソロ曲もパフォーマンス。髙橋は、自身が敬愛する尾崎世界観(クリープハイプ)が作詞作曲を手がけた「ワレワレハコイビトドウシダ」を、白いTシャツにデニムというラフな出で立ちで熱唱する。ステージ後方のスクリーンには歌詞や髙橋の歌唱姿がモノクロで映し出され、エモーショナルな髙橋の歌声と共にその物語へと誘った。永瀬のソロ曲は、共作という形で自身も作詞に携わった「きみいろ」。こちらは好きな人との愛おしい日々を切り取った楽曲で、軽やかなサウンドに乗せて永瀬の甘い歌声を会場いっぱいに届けた。
髙橋海人
楽曲の魅力を最大限伝えるため、演出もこだわりぬかれた本ツアー。アリーナ席内を練り進むトロッコやアリーナ内に縦横無尽に張り巡らされた花道のほか、天井付近まで上がるゴンドラも使用。アリーナ席から上層階席まですべてのファンに近付けるようにと様々な趣向が凝らされた。また、荒谷翔大(yonawo)が作詞作曲した「Kiss & Kill」ではレーザーや布、スモークを使い、艶やかかつ幻想的なムードに。「CHASE IT DOWN」ではファイヤーボールのほか、電子花火を発生させながら180°波打つスパーク効果の特殊機材を導入したド派手な演出で勢いづける。なお、同特効機材を使用した国内ツアーはKing & Princeが初だそう。KREVAが作詞作曲、RIEHATAが振り付けを手がけたことで話題を集めたダンスナンバー「ichiban」は、King & Princeがダンサーを引き連れるという大人数での構成に。フォーメーションを生かしたアレンジでさらなる迫力を見せつけた。
終盤の挨拶では、髙橋が「このライブは、みんなが観終わった後にただ純粋に『楽しかったね』って笑顔で、“ピース”な気持ちで帰れるようにと頑張って作りました。でも、ライブをやっていて思うんですけど、みんなが笑顔でいてくれるのって全然当たり前じゃない。俺たちの前ではみんな笑顔を見せてくれるけど、きっと自分たちが与えてしまった不安だったり、心配だったり、苦しさだったりとか、いろんな気持ちを抱えていっぱい戦ってくれたと思います。そんな気持ちを抱えて、今日は俺たちよりも楽しむぞって思って来てくれたと思う。そうやって迎えてくれるくらい、なんて言うんだろう……包容力のある女性たちだなって思いました」と、髙橋らしい言葉選びで、ツアーで感じたファンの頼もしさを語る。さらに「言葉がちゃんと紡げてるかわかんないんですけど、頭の中でうまく編集してください」と言いながら、「本当にみんなに甘えてばっかですけど、ここにいる覚悟と“これからもみんなといろんな景色を見たい”っていう気持ちと、“もっともっとKing & Princeっていうエンターテインメントを楽しんでもらいたい”っていう気持ちは誰にも負けるつもりはないんで。これからもみんなの幸せな思い出の中に自分たちがいられるように、みんなの心に残るようにたくさん頑張っていきたいと思います」と、強い想いを続けた。永瀬も「この1年間、本当にたくさんのことがありました。その中で皆さんを悲しませたり、不安だったり心配だったりいろんな気持ちを抱え込ませてしまった部分があったなと思っていて。いかに皆さんのその不安を少しでもとってあげられるか、その気持ちを埋めてあげられるかを考えていて、このライブも、皆さんに安心して楽しんでもらえるようにという目標を持って作ってきました」とツアーに込めた想いを口に。続けて「いざこうやってみんなの前に立つと、心配とかそういう気持ちは一瞬で吹き飛んでいく。それだけ皆さんの楽しんでいる表情にはパワーがあるなと毎公演思います。これからもし皆さんが道に迷ったときは、その道の先を照らす光になりたいですし、道しるべとして皆さんを引っ張っていけたらと思います。俺には海人がおるし、海人には僕がいるし、そして、僕たちには皆さんがいるので。これからも安心して僕たち2人とKing & Princeの歴史を一緒に作り上げていきましょう」と前を向いた。
永瀬廉
さらにアルバムのラストを飾る「Happy ever after」、デビュー曲「シンデレラガール」、新体制初のシングルとなった「なにもの」など、King & Princeの歴史を感じさせるようなセットリストを届けていった2人。最後に、ファンと共に「俺たちがKing & Prince!」と盛大なコールをしてライブを締めくくる。コール後も「ありがとう〜!」と手を振りながらステージを行き来し、ファンとの別れを惜しみつつゆっくりとステージをあとにした。
「なにもの」の一節に<今日の光景は果てしない未来へと…>とある。2人体制となって初のツアーを前に不安を抱いていたことを、この日のMCで打ち明けていた2人は、ファンの前に立って、その気持ちが払拭されたと話していた。そんな彼らを力づけた今ツアーの光景は、彼らの“果てしない未来へ”の一歩になることだろう。
なお、ライブツアー『King & Prince LIVE TOUR 2023 〜ピース〜』はこの先、12月28日(土)・29日(日)に朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター、12月1日(金)〜3日(日)にAsue アリーナ大阪、12月9日(土)・10日(日)にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホールにて行われる。全7都市24公演で合計27万人動員予定。

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