MO'SOME TONEBENDER『RUSH BALL 202
3』ライブレポートーー夕暮れと海風
と名曲が並ぶ映画のような極上時間

『RUSH BALL 2023』MO'SOME TONEBENDER
日が傾き雲もたなびき始めるころ、百々和宏(Vo.Gt)と藤田勇(Dr)のクールなセッション「SIDE B」を背景に、はっぴ姿で大うちわを手にした武井靖典(Ba)が笛を吹いて練り歩くというシュールな光景と音で脳を覚醒させ、3人のライブは幕を開ける。
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海からの風も強くなるなか、クセになるビートの「ロッキンルーラ」は、小気味よく<バイバイ世界>と刻みつけたうえ、早々に名曲「未来は今」をセレクトして観客を釘づけに。突き抜けるボーカルとメロディ、体を突き動かすリズム、吹き抜けるようなコーラスはまさにタイムレスだが、これに続くのも20年以上鳴らし続ける「HigH」。押し寄せるサウンドはスケール感もたっぷりで会場を圧倒。百々の歌声もどこか包み込むように耳に届くが、「委ねろ!」の咆哮も。すると会場からは「最高です!」の声が上がり、これに武井は「あんたたちこそ最高よ」と返答。
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さらに「夏は暑いんでなー」とひと節のおまけ付きでグッドムードも漂わせれば、今度はしなやかなギターから「Have You ever seen the Stars?」で爽快に。気持ちのいい旋律とゆったりとした感触は野外の解放感を増幅。クラップが大きくなると同時に、頭を振るようにして聴き入り没入する人も少なくない。しかもとどめのナンバーはまたも名曲「Green & Gold」。<クライマックス>、<海>のワードがシチュエーションとオーバーラップし、まばゆい響きとアンサンブルは包容力も十分で夢見心地に。18:00の向かい風を受けプレイする彼らの姿は疑う余地のないロックスターで、これぞ「黄金の瞬間」というラストシーンとなった。
取材・文=服田昌子 撮影=河上良
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