MARETU「マインドブランド」歌詞の意味を考察!頭から離れない強烈な経験とは?

MARETU「マインドブランド」歌詞の意味を考察!頭から離れない強烈な経験とは?

MARETU「マインドブランド」歌詞の意
味を考察!頭から離れない強烈な経験
とは?

あどけの足らないそんな体で身籠る少女

人の醜い感情を切り取ったダークな世界観と中毒性のある音楽が海外ファンにも人気のボカロP・MARETUが、2016年にリリースした初音ミクオリジナル楽曲『マインドブランド』。
MARETUの1stアルバム『コインロッカーベイビー』に収録されており、2019年には自身8作目となるミリオンを達成した人気ボカロ曲です。
MVの動画終盤にショッキングなシーンがあるためか、YouTubeでは年齢制限がかけられていますが、歌詞の内容は若い世代にこそ考えてほしい内容となっています。
さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
まず楽曲全体を通して数回登場するこのフレーズから、タイトルの意味を考えてみます。
隠れている文字をUとCとするなら、「MIND F✕✕K」には固定概念を覆すようなショッキングで頭から離れないような経験という意味があります。
そのため、続く歌詞で明かされる普通では考えられないショッキングな経験をした人をようこそと皮肉る言葉でもあり、この曲を通してその世界を垣間見るリスナーを迎える言葉でもあると言えるでしょう。
タイトルにある「ブランド(brand)」を焼き印のこととしてこのフレーズと結びつけると、「マインドブランド」は心に捺された焼き印のような強烈な記憶のことを指していると解釈できそうです。
一体どのような経験についてられているのでしょうか?
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
語り部はある男女に語りかけています。
まず前半で女性は「嬢さん」と呼びかけられていることから、若い女性であることが読み取れます。
しかし「逆子宿らせ」とあるので、少女は若くして妊娠中のようです。
「あどけの足らない」というフレーズは造語でしょう。
「あどけのない」であれば無邪気でかわいい様子を指しますが、ここでは「足らない」と表現されています。
それで「あどけの足らないそんな体で」という歌詞は、まだ若いのに体だけ大人になっていることを意味していると考察しました。
さらには「ただしく回らん愚図の頭」とさえ言っていて、後先考えず体の関係を持ったことで妊娠してしまったくせに自分を「天真爛漫」と見ている少女を痛烈に非難しています。
一方、後半に出てくる男性は少女の「片割れ」で妊娠させた張本人です。
妊娠を知った2人は「指切りげんまん」をして将来を約束したのでしょう。
続く「陽関三畳」とは繰り返し別れを惜しむことを表す四字熟語。
少女を妊娠させた上に捨てて逃げておきながら別れを惜しんでいると語る彼が「くたばれ 雑魚め。」と罵倒されています。
『マインドブランド』では、現代に多く見られる10代の少女たちの妊娠というセンシティブな問題を取り上げていることが分かります。
記憶に残り続けるマインドブランド
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
この部分の一文目はおそらく少女の周囲の人間の台詞でしょう。
嫌味を込めながら、出産はいつ頃になるのかと彼女に聞いているところだと思われます。
そこへ別の人が少女に情けをかけて、嫌味を言う「あなた」を非難する言葉を投げかけます。
少女と同じ状況ではないとしても、誰もが社会的に非難されるような立場になり得ることを言い表したのかもしれません。
嫌味を言った人を「あなた」と呼ぶことにより、ネット上で誹謗中傷が頻発する中で全ての人がいつでもその立場になる可能性を持っていることが示されています。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
サビにあるように好きな人と出会い妊娠した時、幸せを勝ち取ったと感じるでしょう。
しかしその幸せを奪われてしまい、つらい思い出を忘れてしまうこともいません。
そうした記憶が「マインドブランド」として少女の中に残り続けます。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
傷はいつかかさぶたになって治るように、困難な状況も山場を越えます。
育っていく我が子に愛しさが芽生えるようになると、少女は捨てられた自分が滑稽に思えてくるようです。
それでもまだ自身も子どもである少女は我儘で、これからまだまだ学んでいかなければいけないことが山ほどあります。
見えてくるのは複雑な三角関係
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
周囲に追いつこうと焦れば焦るほど思考回路は絡まって、人生の迷子になっていきます。
「誰もが元から未来の材料へ(充てられている)」というフレーズは、誰もが子どもを作るための材料として存在すると言っているのかもしれません。
だから起きたことに悩まず、母親として懸命に生きろ訴えかけているように感じます。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
彼に愛されたくて「着飾って」、痛みに耐えながら「もぎとった幸せ」は失われてしまいました。
涙ながらに思い出を「忘れてしまえたらどれほど楽だろうか」と苦悩する少女の姿が見えてきます。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
この部分は、2人が体を重ねた時の彼の言葉と考察してみましょう。
すると、彼は自分の欲望を優先させて少女を気遣わなかった様子が伝わってきます。
そうであれば少女が好きだった人は別にいて、1番冒頭に出てくる男に強引に体を開かれて妊娠してしまったと解釈できます。
つまり1番のサビの「正義のヒーロー」が少女の愛する人であり、ほかの男に少女を奪われた人物なのではないでしょうか。
少女は自分が妊娠しているのが愛するその人の子ではないから、その人とも距離を置くことになってしまったのでしょう。
そう考えるとより複雑な状況にいることが想像できますね。
マインドブランド 歌詞 「MARETU feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/me16061000
愛する人と2人で楽しく過ごしていた記憶を反芻しては、自分の今の状況を悲観する少女。
もし身ごもったのが彼の子であればと何度も考えたはずです。
そして幸せに満ちていたその瞬間がもう戻ってこないなら「いっそきれいに、忘れてしまいたいんだ!」と叫びます。
楽しかった時間もつらい記憶も全て忘れて、もう一度ゼロからスタートしたい少女の後悔が垣間見えます。
ほかの楽曲との繋がりにも注目しよう!
MARETUの『マインドブランド』は妊娠をして男に逃げられた少女の苦悩が綴られていました。
MARETUの楽曲はストーリーが繋がっているような内容になっているので、紐づけて考察すればさらに登場人物たちの姿がより鮮明になるでしょう。
さらにMARETUがリミックスを担当したKanariaのボカロ曲『ヒトリユラリ』のMVイラストは、『マインドブランド』のオマージュとして制作されたそう。
曲同士の繋がりを考えながら歌詞に注目して、もっと楽曲の世界に没入してみてください!

UtaTen

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