安田章大が唐十郎の名作戯曲『少女都
市からの呼び声』挑む 演出は金守珍
、共演は咲妃みゆ、三宅弘城、風間杜
夫ら
ヒロインは元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、本作で初のストレートプレイに挑戦、その透明感溢れる歌声と佇まいは、ガラスの肉体を持つ少女・雪子にぴったりの咲妃みゆ。
手術台に寝かされている男―田口(安田章大)。親友の有沢と、その婚約者のビン子が付き添っている。看護婦は有沢に、田口の体の一部を取り除くか迫る。その体の一部とは、誰の物ともわからぬ髪の毛。有沢が看護婦からの問いに窮する中、田口は、妹を探しに夢の世界へと旅に出た。
田口は妹である少女―雪子(咲妃みゆ)と再会を果たすも、彼女は右手の指を3本も失ったばかりか、フィアンセであるフランケ醜態博士(三宅弘城)によって体をガラスに変える手術を施されていた。隙を見て雪子を連れ出そうとする田口だが、指を手に入れるまで出られないと雪子は言う。田口は、己の2本の指を切り落とし雪子に渡したが、フランケ醜態博士に阻まれ銃で撃たれる。そこで気づく。最後に切るはずだった指は、己の体のことだったと。そして、雪子は有沢の前に姿を現し——。
日本人は何処からきて何処へ行こうとしてるのか?アジアを侵略してまで築き上げた“満州帝国”とは何だったのか?
未だに彷徨う旧日本軍の連隊長の亡霊(風間杜夫)を通して、経済発展に猛進する日本のありようを問いながら、決して色あせない永遠の友情や“愛”の価値を描く、時空を超えたロマンあふれる作品です。
お三人(安田章大、咲妃みゆ、三宅弘城)とも音楽のセンス、身体の切れも抜群で、唐ワールドの表現者としての資質は抜群です!正に唐さんが提唱した“特権的肉体論”を体現できるスーパースター達。おかげで新しいイメージがどんどん湧き出し、新宿梁山泊・花園神社公演とはまったく異なる演出になり、自分でもワクワクしています!
演劇界の新しい時代に向かう船に共に乗り込み、“事件”ともいうべきこの作品の目撃者、共犯者になりませんか?
唐さんの作品をテントで初めて観た時にカルチャーショックを受けたんです。言葉が美しく、独特の世界観ではあるけれどその言葉にはきらめきがあり、吸い込まれて、こんな世界が世にあっていいんだと思えたのが感覚的にあったので、その世界に飛び込ませていただけることは自身の芝居観も変わるでしょうし、お芝居の振り幅も大きく広がる気がしています。今回初めて唐さんの作品と金さんの演出を経験するので、まずはそのバージンを楽しもうと思っています(笑)一回経験してしまったら二回目はもうバージンじゃなくなんねんなと思うと、とてつもない嬉しさがありますし、同時に病みつきになってしまったらどうしようという不安があり、なんだか毒だなとも思います。嬉しい毒に出会えました!僕が演じることによって田口というキャラクターがこういう見え方をするんだという新境地や新感覚を皆さんに届けられなければ、ここに立ってはいけないなという覚悟です。ぜひ期待値を上げて観に来てくださいとお伝えしておきます。お客さんもキャストですから、一緒にステージを作るという気持ちを持っていただけたら幸せに思います。
THEATER MILANO-Zaさんのオープニングシリーズに出演させていただくことを光栄に思っております。長年ストレートプレイに出演したいという夢を抱いていたので、今回のお話をいただいた時は、ついにその切符を手にすることができたんだという喜びと同時に、初のストレートプレイとしては大変私に課題を課してくれるであろう作品に巡り会うことができ、頑張るぞ!という気持ちです。これまで私が出演する舞台を楽しんでくださっていた方々には、また一味も二味も違う世界へお連れできることを楽しみにしています。そして、これまで唐さんの作品やアングラの世界を愛してこられたお客様には“ほうほう、面白い役者がやってきたか、お手並み拝見”と思っていただけるように、精一杯努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
演劇人として憧れを抱かずにはいられない唐作品、なんとなく自分とは縁がないんだろうなと勝手に思っておりました。マネージャーからこのお話を聞いた時は、もう嬉しくて「やります! 是非やりたいです!」と食い気味に返事をしました。とはいえこの名作を演らせていただくとなると、やはり背筋がピンと伸びる思いでもあります。この作品を新宿で演れるという喜び、「ミラノ座(THEATER MILANO-Za)」というイイ名前の新劇場に立てる喜び、初めて金守珍さんの演出を受けられる喜び、魅力的なキャストの皆さんと新たな『少女都市からの呼び声』を作ることができたら、そして新たな世代にも唐作品の面白さを伝えられたらと思います。とにかく楽しみです。
『唐版 風の又三郎』『泥人魚』に続いて唐作品は3作目の参加となります。今回は、新宿梁山泊が主催する花園神社の野外テント公演、THEATER MILANO-Zaと、小屋が違う上演に連続して出演しますが、状況が違う中でどうこの作品が変わるのか、変わらないのか、両方出演できることはとても楽しみです。戯曲を読み込むのはまだこれからですが(笑)、僕がこの作品に出演するのは、唐さんの戯曲であり、金さんの演出だからやる、ただそれだけです。唐さんの作品は詩の世界を飛翔するような劇空間の中、時間と空間を自在に行き来して翻弄されながら、楽しんで演じることが出来るんです。そして金さんは状況劇場時代から唐作品を肌で感じて理解している人。難解ではありますが、金さんは誤読OKと言ってくれるし、その難解さを力業で演出していくのが魅力。金さんだからこそ唐さんの作品が出来ると思っています。花園神社で観るのも良し、観たら是非「THEATER MILANO-Za」で観て欲しい。同じものをTHEATER MILANO-Zaで観ないと完成しない! 是非両方お越しください。
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